Powered by Google

息があがる

運動生理学マメ知識

息があがる

私達は生きている以上は毎日呼吸をしています。酸素は鼻・口→気道→肺へと運ばれ、肺は肺胞(小さな袋)の集まりで出来ているので、この肺胞と肺胞周囲の毛細血管との間で酸素と二酸化炭素の交換が行われています。

酸素は骨格筋を収縮させるためのエネルギー(ATP)産生に必要なものです。

呼吸には吸気と呼気がありますよね。安静時は吸気と呼気では吸気の方が長いのですが運動を行うと呼気が長くなり両者はほぼ同じ長さになります。激しく運動した後に「ハァハァハァ」となっている時です。

運動で高度なパフォーマンスを行うためには呼吸が乱れないことは重要な要因です。サッカー選手がちょっと走って「ハァハァ」いっているようでは困りますよね^-^;理想としては出来るだけ運動をしても呼吸が乱れないようにしたいものです。

ちなみに全力走の後に息が上がりますよね@д@;これは全力走後には筋肉内(細胞)のカリウム濃度の変化や乳酸(無酸素系解糖)増加に伴う細胞内の酸性変化などが影響し、二酸化炭素の排出が促進されるため、「ハァハァ」となるのです。息切れするような運動をした時は「ハァハァ」に注目してみて?息を吐く方にい〜ぱい頑張っているはずです!二酸化炭素をたくさん出さないとね@о@;

TVで大きな事故や事件現場の映像を見ていると、被害者の人達などに運動ではなく過大なストレスやショック(事故など)などが原因で「ハァハァ」がみられますよね。この呼吸の乱れは過呼吸の状態で息を吸う方に頑張りすぎています。酸素を吸いすぎることが問題(体内の酸素濃度が高すぎる)だから、袋を口にあて袋の中の空気(袋の中の二酸化炭素濃度が上がる)をしばらく吸っていると落ち着いてきます。

この様に呼吸は運動だけでなく交感神経が亢進(過呼吸)している時にも呼吸の乱れが現れることから、その調整機構はまだまだはっきりしていないことも多いようです。

部活動をしている学生さんはいかにして「ハァハァ」とならないように体を鍛えるかがテーマになりますが、実験結果からは最大酸素摂取量に近い運動強度での運動を長時間続けることが試合中のスピードを保つための練習としては大切なようです。インターバルトレーニングとか聞きますよね?

インターバルトレーニングの目的は「高いスピード能力を持続的に発揮できる身体能力強化」です。このトレーニングにより無酸素系の解糖と有酸素系の酸化などの代謝を促進させることで、疲労回復力の向上や筋線維の疲労耐性(毛細血管の増加も含めて)の向上を図ります。

部活などで利用しやすいのは短距離走(100mダッシュ)を行い、その後はゆっくり走りながら(200mジョグ)休息をおいて、また短距離走を繰り返すというような練習がよいと考えられます。トラックなどを利用すると行い易いですよ。

インターバルトレーニングは心臓への負担が大きいので最初は合計実施時間(短距離走・ランニング)を短くし開始してみてください。なれてきたら距離や実施時間を長くしていくとよいでしょう。

バレー・バスケットなどはもっと短い距離で回数をこなす方がより競技特性にあっているかもしれません。休憩距離があまりに短すぎると疲労・回復のサイクルを働かせていないため、回復が遅れ疲労が一方的に増強する意味のないトレーニング(運動量が少ないのにハアハアする)になることも注意が必要なようです。基本はダッシュの後に止まらない(ジョグ)!きつそう〜><;

ちなみに持久力と疲労耐性の向上・回復力の強化というのがインターバルトレーニングの目的なので、バレーや野球などの球技で必要な瞬発力やパワーのトレーニングは方法も違いますいし別途プログラムが必要です。

基本的には中学生・高校生くらいまでは、成長ホルモンの関係もあってウエイトトレーニングでは筋力増強効果はほとんど期待できません。早い時期よりウエイトトレーニングを行っていると筋硬化を進め柔軟性が低下してきて、動作に無駄な過緊張が出るようになってしまいますよ。

100m走るにしても、柔軟性のあるしなやかな動きで走るのと柔軟性の低下した緊張した動作で走るのでは結果は歴然です。100m走後の息の上がり方は違うでしょうね!

若い諸君は柔軟性を意識しよう^∀^/

一般の方では健康作りとしての運動には、強い運動強度でなくてもウォーキングの間に6〜7割程度の力で走る(20〜30m)というのを時々合わせることで、速筋線維の動員(普段あまり使わない筋を中心に使用)と適度な心臓への負担と回復力の促進を図れば、無理し過ぎることのない安全で適度に疲労する良い運動負荷での健康作り(運動)を行えると思います^-^

最近は世間的にも健康志向が高まりいろんな雑誌やTVでエクササイズ・ウォーキング・ジョギングなどが健康作りによい運動として紹介されています。

しかし・・・?うたい文句としては「心臓の負担が少ない」「血圧が上がらない」「室内で手軽に出来る」などなど・・・?
何やら高齢者のリハビリを行う場合に気をつけるような運動量をイメージさせる内容です。20〜60歳代の人達には運動量が少な過ぎるのですよね。

若い方はもちろんですが、高齢者の方でも高血圧や心疾患が無ければ、運動した後に軽く息が上がる程度の運動量を行ってください。時間を掛けて行っている運動でも、運動量が少な過ぎる運動では、あまり健康作りの役には立っていないでしょうね。

それぞれの身体能力に応じたトレーニング内容であることが、一番重要なのは間違いありません。
呼吸とはちょっと話がズレますが、部活動では学年や個人の身体能力で体力差がありますよね、皆で同じ内容・量を行うというのは間違いです。身体能力に応じて学年などは関係なくグループを編成(同じ体力の人を集める)して実施してください。

例えば50回の腕立て伏せが楽にできるA君と、50回できないB君では腕立て伏せを50回こなす意味合いが違います。また、A君はB君より体重が軽く腕に掛かる負担が軽く楽に50回出来るのかもしれませんし、腕立て伏せの回数は50回出来なくともB君の方が重い体重に逆らって行えているので、実は筋力はA君より強いかもしれません?

いろんな要因を考えなくてはいけません。この2人が同じプログラムを実施すればA君は持久力強化の要因が強くB君は最大筋力強化の要因が強い運動を行っていることになりそうですね。同じ時間内で同じ運動を行っていても効果が違ってきちゃうというわけですね@о@

若い人と高齢者が1時間ウォーキングを行っても?違う要素になるでしょうね。

呼吸に話を戻します。運動選手が一般の人よりも肺活量が大きいという話はよく耳にすると思います。運動による酸素摂取量の増強に対する身体適応として肺活量を増強させなくてはいけません。酸素をたくさん取り込めるということは、運動を行う筋肉へたくさんの酸素を送り込めるのです。酸素と二酸化炭素の交換を早く大量に行えることは、酸素を多く使用する高度な運動強度に耐えれるということですよね。

スポーツ選手では高強度の運動により身体適応能力を向上させるのですが、一般の方が実施する健康作りのための運動には無理な高強度の負荷は必要ありません。しかし、若い方の健康作りにおいては適度に汗をかく、呼吸が軽く乱れる(軽いジョギングの後程度)ような運動負荷での健康作りが望ましいでしょうね^-^

呼吸も全く乱れない、汗もかかない、疲労感も全く無いような運動は・・・?時間の無駄なような気がしますが、そう思うのは私だけでしょうか?


痛み緩和教室
疼元庠舎(とうげんしょうしゃ)

▲pagetop

このサイトに掲載のイラスト・写真・文章の無断転載を禁じます。
すべての著作権は疼元庠舎に帰属します。