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骨格筋の収縮

運動生理学マメ知識

骨格筋の収縮

私達が体を動かすために脳から骨格筋へ「縮め」という命令が伝わります。骨格筋の収縮が可能であるから関節が動くことでき、その結果として動くための力が生まれ寝返りや歩行などが可能になります。

骨格筋が収縮(縮む)することは日常的に行われていることですが、この骨格筋の収縮の違いを理解しておくことも運動をするためのマメ知識としては大切です。

ここでは筋収縮の3種類を憶えましょう。・短縮性収縮・等尺性収縮・伸張性収縮です。

肘関節を曲げる動作でイメージしてみましょう。あなたは右手にダンベルを持って体の横に腕を垂らしている状態であると仮定します。このダンベルを持ち上げて(肘を曲げていく)いくと上腕二頭筋は力こぶがハッキリしてきますよね。この時の上腕二頭筋は力を発揮しながら筋の長さは短くなっています。この力を発揮しながら筋長が短くなっていく収縮を短縮性収縮と呼びます。

肘を最大限に曲げた位置まで行くと、それ以上はどんなに力を入れても肘は曲がらないですよね?この力を発揮している状態で筋長が変わらない状態を等尺性収縮と言います。もしくは肘を曲げている時に反対側へ(肘を伸ばす方向)力を加えられて相手との力のバランスが均衡であれば、肘を曲げるように力を入れているけど腕は動かないという状態になりますよね。力は発揮されているけど筋長は変化(短くも長くもならない)しない状態でありこれも等尺性収縮となります。

ある程度肘を曲げた状態で、支えきれない重いダンベルを持たされるとどうなるでしょう?最大限の力を発揮しているのですが、重さに耐えられずに肘が伸ばされていくでしょう。この時は力が発揮されているが筋長が長くなる状態です。これを伸張性収縮と呼びます。

発揮されている力の強さとしては、短縮性収縮→等尺性収縮→伸張性収縮の順になります。皆さんがダンベルなどを使い運動する場合は短縮性収縮を使っていることになります。
発揮されている力は3種類の中では一番弱いのですが、運動による筋線維の破壊も少なそうですし、安全に行なえる負荷での運動となることが理解できますよね^-^

等尺性収縮を使った実験では筋が大きく(筋肥大)なるという結果はでていません。

バストアップの運動と言って、よくTVや雑誌などで紹介される運動ありますよね?胸の前(胸の20〜30cm前くらい)で両手を合わせて、両手を互いに押し付ける動作などは上肢や胸部筋の等尺性収縮となります。等尺性収縮では胸部筋の肥大は期待できないので・・・?本当に効果あるのかな@-@;

等尺性収縮を利用して、普段の生活であまり使われない骨格筋へ多くの運動単位を利用するような刺激(負荷をかける)を与えることは大変よいトレーニングになりそうですね。

私の経験からも、エクササイズなどで等尺性収縮を上手く工夫出来れば、非常に面白い効果を出しそうな収縮様式だと考えています^-^

伸張性収縮は最大限の力を発揮しているのに筋が伸ばされるため、皆さんご想像しやすいと思いますが筋線維の破壊が起きやすく、非常に危険なためにトレーニングなどではほとんど使用されません。

小・中学生の時に学校行事として登山などを経験した人は多いですよね。登山の翌日は筋肉痛が出るのですが、これは山へ登る時に筋線維の破壊が起きるのではなく山を降りる時に筋線維が破壊されやすいのです。上りが原因ではない!

筋肉痛の起きやすい太ももの全面の筋肉(大腿四頭筋)は収縮することで膝を伸ばす働きをします。坂を上る時は足を踏み出し膝が曲がった状態から伸ばすという動作(短縮性収縮)を繰り返しますが、降りる時は逆に足を踏み出し膝が伸びた状態から膝を曲げる動作(伸張性収縮)を繰り返します。下りでの大腿四頭筋の筋長は長くなりながら力を発揮しています。下り坂でスピードが出過ぎないように大腿四頭筋がブレーキをかけ続けている状態です。

伸張性収縮で壊れやすそうだけど?下りだからって最大筋力は使っていないよな〜!

いい質問ですね。坂が急であればあるほど四頭筋に力を入れないとゆっくり下りれないですよね。急な坂でなくとも長時間(弱い伸張性収縮の繰り返し)の坂道歩行により影響が出そうですね。

実は伸張性収縮では強い力を発揮しないといけないことは確かです。しかし、等尺性収縮や短縮性収縮に比べると動員される運動単位の数が少ないという事実があるようです。ということは1本あたりの筋線維にかかる負担は大きいということで筋線維は損傷しやすと考えられています。

自分では楽に山から下りていたつもりでも、持続的な四頭筋の伸張性収縮は確実に筋線維の破壊を行っているのでしょうね^-^翌日は「うっ痛い」><;

目的としている効果達成をするためには、それに必要な運動による収縮の種類を考えながら、適切な収縮を利用していくこが大切です。バストアップの例ではありませんが、目的としている効果とずれている運動を何十年間行っても、目的は達成できないのは当然なんですよね^-^


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