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むち打ち損傷(頚椎捻挫)

疾患別の説明

むち打ち症の痛み

「むちうち」は医療では外傷性頸部症候群(頸椎捻挫)と言いますが、一般的には「むちうち症」「むちうち損傷」などと呼ばれることが多いです。本文では「むち打ち損傷」で記載します。

むち打ち損傷の痛みが長引いている人へ伝えたいと考えるポイントになる文章などは、意図的に繰り返しているため読み難い部分もあると思いますが、理学療法士として誠実に客観的な視点でむち打ち損傷についての情報を書くよう心掛けました。

本文中ではむち打ち損傷の痛みを一般の人が客観的にイメージ出来る様に、痛みについて・時間経過などを段階分け・グループ分けをし、理解しやすい様に工夫し記載しています。文章中の段階分けやグループ分けなどの内容は医学的な基準として確立しているものではありません。この点はご理解いただき本文章の情報を参考にしてください。

むち打ち損傷の患者様へ、この文章が何かしらお役に立てれば幸いです。

むち打ち損傷の痛み

痛み経過の段階分け
第一段階:痛みを一部位に感じる
第二段階:痛みの部位が他の部位に広がる

痛み経過の段階分け
第三段階:痛みの収束
第四段階:痛みの改善と慢性痛の持続

完治までの期間で分けた3症例
A症例:1ヵ月程度で完治
B症例:3〜6ヶ月で完治
C症例:痛みが残る症例

急性痛を慢性痛へ移行させない!
事故後より急性痛が主体の強い痛みの治療

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まとめ

むち打ち損傷の痛みの強さページの先頭▲

交通事故では頸部の大きな屈伸や捻じれなどが発生し、その衝撃で頸椎(首の背骨)の周囲筋・靭帯など(軟部組織)に傷害が発生します。交通事故では衝突時の速度が大きいほど頸部への衝撃は強く軟部組織の損傷が大きく発生する可能性は高いのですが、交通事故後の患者様のお話などを聞くと、衝突時の速度は意外にも30q以下程度であった、ゴツンという感じで車がぐっちゃり、というほどの壊れ方ではなかったという様な、そこまでひどい衝突ではなかったと話されることも多いです。

衝突の衝撃が小さいからむち打ち損傷の痛みは軽いと限らないのが事実で、例えば前方や側方にいる車と衝突した場合などは、30q程度スピードが出ていても衝突する前に視覚的に相手の車を確認できることから衝突直前に手足など力を入れて防御姿勢を取ることが可能になるメリットもあります。
停止中に後方より相手のうっかりミスにより10q前後で追突されても、本人は全く気付いていないので衝突する車のスピードは遅いのですが、防御姿勢は前もって取れないので事故による衝撃で頸部の屈伸は大きく作用する可能性は高いと考えられ、不意打ちに近い形とも言えます。

交通事故の形と傷害の発生の仕方などは専門的な知識は無いので予測でしか話せないのですが、あくまでも事故当時の速度の大きさだけで、むち打ちの痛みの大きさは単純には決まらないという感想はあります。むち打ちの痛みが強く出る人では、お話の内容からは速度は10q程度と遅い場合でも後方からの追突される状態だけでなく、前方や側方の衝突でも不意打ちに近い形での防御姿勢が取れなかった(ぶつかると気づくと同時の衝突に近く防御する余裕がなかった状態)と話される内容も多いです。

事故後に強い痛みが発生するためには、必ずしも衝突速度が速いというのが絶対条件ではないと思います。事故が小さかったのにむち打ちの痛みが強い、長引いているという人は、事故の衝撃が小さかったのに単純に「自分が痛みに敏感すぎるから」とか「妄想の様な痛み」と思い込み、たいしたことない原因で痛みを強く感じる・長引いてしまう原因を自分が悪いからと自分の責任と考えてしまうことがあるのですが、これは間違いだと思います。

事故の衝突の大きさに関係なく、むち打ちの痛みのある人は冷静に痛みを捉え慢性痛にならないような取り組みを行うことが求められます。むち打ちの痛みはある程度強い時期であっても、痛みを我慢し動いてみるとある程度は苦痛を伴いながらも動くことが可能であり、第三者からみると普通に動けていたり、仕事や家事など頑張れば出来そうな様にも見えます。根性なく怠けている様に見えると感じる人もいると思います。

しかし、あくまでも痛みによる苦痛に耐えながら動いているので、痛みを持続的に感じていることは多くの苦痛を伴いながらの活動ですから、精神的・身体的な疲労などは第三者から見て想像するより遥かに大きいことが多いのですね。
足首の捻挫などでは足を引きずるような歩き方になっているから痛そうだな〜と第三者も感じるのですが、痛みにより動きが大幅に変化している痛みが一番強い痛みではないので、苦痛を伴う持続的な弱い痛み(骨折時などの鋭い激痛ではなく、慢性的に長期間続く鈍い痛み)は大きな苦痛を伴うことが多いことを、むち打ちの痛みで苦しむ人もしっかり自信を持って認識していただきたいですし、周囲の人などにも理解いただけることが大切な様です。

むち打ち損傷による痛みの発生を考えると?
1、事故当日より痛みが発生する。
2、事故直後から数日間(個人差あり)の経過を経て痛みが増す。

大まかに分類すると2つのタイプに分かれると思います。

1の事故当日より痛みが発生する場合の人に多いのは、交通事故での頸部への急激な衝撃による筋・靭帯(軟部組織)の損傷が原因の一つになっています。
事故直後や事故当日より痛みが増加してくる人は、頸部から肩甲骨内側辺りまでに範囲の背骨の近くの筋肉に損傷を起こしていることが多いです。

激痛に近い鋭い急性痛が目立つ症状では、頸部を屈伸したり捻じる様な(頭を回し後ろを見る動き)動きで強い痛みが出るので、頸部を動かせる範囲が大幅に低下します。頸部の痛みが強い場合の対処としては、一般の人がイメージするのにわかりやすいものとしては、頸椎カラーを付けている人になります。

頸椎カラーは頸部の動きを抑制し頸部の筋活動を少なくし、頭部の重みを支えるのも頸椎カラーが補助しますので頸部の筋を使用する量が少なく痛みが少なくなるというわけです。
頸椎カラーは重力が加わる垂直方向への力を補助しやすいものですから、ベッドからの起き上がりなどでは、座位・立位・歩行時などよりかえって痛みを感じやすいことも多いと思います。

1の様に事故直後より痛みの強い人は、頸部から首肩の境界線の少し下(肩甲骨内側の背中の筋肉)あたりの範囲に筋肉・靭帯(軟部組織)などに損傷を起こし炎症を生じている状態が多いと思います。
すごくわかりやすい人では、服を脱いでもらって頸部・肩甲骨内側あたりを観察すると表面の筋肉などに損傷を起こしている場合は、一部に炎症症状がみられることがあります。炎症は赤みがあり、熱を持っていて、むくみが生じ、そこを触ると痛みがある、一般の人では捻挫した足首や突き指した時の局所の状態を思い出していただくと分かりやすいと思います。

むち打ちの強い痛みでは、頸部から肩甲骨内側(一般的にこの辺りに多い)の筋肉に炎症がみられるのですが、それが表面に存在していれば一般の方でも見分けることが可能かもしれません。損傷の仕方によって個人差はあるのですが、簡単なイメージでお伝えするならば10円玉くらいの大きさの範囲だったり、500円玉の大きさの範囲だったり痛みの範囲は大きさの違いがあります。

炎症部位は上記の様に別の損傷している場所(例:右側の頸部に炎症部位があれば左側の頸部の同じ場所と比較してみる)をみると、皮膚が若干赤みを帯びていて、赤みの部分がぷよぷよした感触が若干あり盛り上がっている、触ると若干熱い感じで同じ圧力で押しても他の部位ではなんともないのですが、炎症部位は軽い圧力でも簡単に痛みを感じるという状態です。

筋肉は皮膚のある表面から深部まで折り重なった形で複数あり、また筋肉は厚みもありどの深さに炎症が発生しているかというのがポイントになってきます。上記のように皮膚近くの表層の筋肉などに炎症が生じていると、服を脱いでもらい専門家より説明しながら観察すると一般の人でも分かりやすい場合も多々あります。

これが深部の筋肉などに生じ判断が難しい状態の場合は、発赤・浮腫み(局所のぷよぷよ感)というのは見た目に分かり難くなり、局所の発熱はかろうじて区別がつくかな?という微妙な違い、痛みなどは少し圧力を上げて奥の筋肉を押せないと痛みを誘発しにくい状態となってくるので、一般の方ではまず分からないですし、筋肉をきちんと見ている専門家でも判断が難しい状態になってきます。

筋肉の痛みというと肩こりなどの慢性痛である筋肉がこわばるというイメージが強いと思います。しかし、事故後すぐ・事故当時近くの早期より痛みを出している場合は上記のように組織損傷による炎症が主体で、筋肉のこわばりというのは逆に少ない状態が多いです。炎症部位による痛み刺激により、炎症部位の筋肉やその周囲の筋肉には痛み刺激に対する防御性の収縮が発生しますが、慢性的な肩コリなどの筋肉のカチコチという状態ではなく、輪ゴムを軽く引きのばしたらゴムが適度に突っ張って、一時的に張りが出るという感じで適度に硬くなりますよね?あの様に一時的に突っ張っているという筋肉の硬さであり、水分の少なくなった様な硬くなった粘土の様な状態の硬い筋肉ではありません。

1の状態は頸部から肩甲骨の内側辺りの筋肉の一部に炎症を生じていて、頸部を屈伸したり捻じる様な動きでは、動かすと一定の場所で急性の鋭い痛みを生じそれ以上動かせない、例えば寝ている姿勢から起き上がる時などは、頭・首などを手で支えたりするか?頭の後ろに雑誌を引いて支えたりしながらでないと?痛くて起き上がれない痛みが出るという状態になることもあります。安静状態でもズキズキとかビリビリとか個人差はあるのですが安静時痛の疼く痛み、吐き気や揺れる様なめまいの様な感じの気分不良などを感じることも多いと思います。

2、事故直後から数日間(個人差あり)の経過を経て痛みが増す。
2の場合は1で説明してきた炎症という状態は症状悪化までに時間を要していることもあり1よりも多少は小さいと考えられます。私の経験上では数日後より痛みが増加してきて1〜2週間後にいよいよ我慢できなくなり入院となるケースも時々あります。

1に比べれば炎症の要因は小さい可能性が高いのですが、事故後から1〜2週間後の痛みが強くなるまでの期間は頸部を動かす時の鋭い痛みなどは弱いのですが、1〜2週後の痛みがピーク近くになって来る時点では、1に近い強さの急性痛を訴える人もいます。このため、単純に時間経過が必要だったから炎症の要因は少ないと決めつける考えはできないのですが、私の感想としては2では事故後より1〜2週後のピーク近くの時点では1よりも急性痛の度合いは低いと判断出来る身体状態の人が多いです。

2の状態では、表層筋肉に炎症の目立つ例も少ない感じを受けます。どちらかというと深部の筋肉に炎症があることが多く、意外に炎症の生じている痛覚過敏部位を探すことが難しい場合もあります。1では限局性で「ここが痛い」と患者様も部位をしっかりわかっていることが多いのですが、2では頸部や肩辺りなど広範囲に疼く鈍い慢性の痛みを訴えられ、指でここが痛いとハッキリ部位を断定されることは少ないです。

筋肉は1の事故直後からの痛みの状態と比べると、筋肉の緊張状態も増していることもあり、一次的な突っ張り感の増加した筋肉の硬さに、少し弾力性の低下した様な硬さの増加が感じられる様な硬さへの変化も感じられることがあります。

時間経過もあるので、事故当日などと比べると炎症部位からの痛み刺激により防御性の筋肉の緊張増加も続いているため、炎症の生じている筋肉の硬さが増しているというよりもその周囲筋の緊張増加に加わっている筋の数というか、筋肉のこわばりのある範囲が増加しているというイメージです。

急性痛の鋭い局所の痛みが頸部を動かす場合などに増してはいるのですが、頸部を動かすと痛くて生活できないというよりも、頸部・後頭部・肩あたりが辛いという感じで続くので苦痛で耐えられないという感じの訴え傾向がみられます。

大雑把に分けると1が強い痛みで首が動かせないし日常生活の動作が行えない、2の痛みは鈍い傾向で持続的に辛い、動かすのは1よりはまだ可能という感じのイメージで簡単にですが捉えてください。

徐々に痛みだけでなく疼く痛みや、気分不良などが先行することもあるので、動かすと鋭い急性痛の痛みよりも鈍い重い様な感じの慢性的な痛みを強く訴えられるので、慢性痛に近い感じの痛みと気分不良などが共存しており、眠れない・徐々に痛みが増す不安感などが強い人も多いです。

痛み経過の段階分けページの先頭▲

事故直後や事故当日から痛みが発生する人、事故発生から数日かけて徐々に痛みが増してくる人などの違いがあることを大まかに分けて説明しました。
むち打ちの痛みは個々により症状のバラツキが多い痛みですが、痛みの発生から痛みが収束するまでを、一般的に共通することが多いと感じる症状の経過をイメージしやすいように書いていきます。

一般的な症状の広がりと収束まで
第一段階:痛みを一部位に感じる(痛み発生)
第二段階:痛みの部位が他の部位に広がる
第三段階:痛みの収束
第四段階:痛みの改善と慢性痛の持続

第一段階:痛みを一部位に感じる(痛み発生)

交通事故により頸部・肩甲骨内側辺り(首と胴体の付け根の辺りから少し下の方まで)に痛みが発生した状態から痛みがピークの強さになる前までの痛みですが、痛みの発症した時点では頸部筋や肩甲骨内側あたりの背骨に近い筋肉に限局性の痛みを感じる部位が出来ます。

交通事故による頸椎への圧力により頸部や肩甲骨内側の筋肉・靭帯(軟部組織)などに損傷を起こし炎症を起こします。炎症を起点とする痛みですから急性痛であり、鋭い痛みが特徴で、頸部を屈伸させたり捻じったり、頭部を動かすと基本的に鋭い強い痛みが生じます。

痛みが鋭く強いので痛みの出る角度以上には頸部は動かせないと思います。痛みの部位を聞くと急性痛は患者自身も「ここが痛い」と場所をハッキリ自覚できるので、首のこの辺りが痛いとか、炎症が生じている場所(痛みの部位)をある程度は正確に示されると思います。

首を動かすと出る急性痛は一番目立ちますが、生活内では多くの寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩行などの様々な動きを行いますが、どんな姿勢であっても頭部の位置を動作に適した位置に保持することが求められるため、頸部の筋肉は頭部を支える仕事を常に行っています。

座位や立位などでももちろん痛みは生じますが、ベッドなどからの起き上がりなどでは頭部を支える頸部の仕事量も大きいので、頸部の痛みが強く出ることは多いです。
頸部の痛みが強い場合はベッドよりの起き上がりで、頭や頸部を手で支えたり、雑誌などを頭の下に入れて頭頸部を固定した位置で起き上がらないと痛みが強く、なかなか起き上がれないということもあります。

炎症による急性痛が主体であり頸部を動かすと瞬間的に鋭い強い痛みが発生し、この動作時の痛みが一番困る場合が多いので病院などでは頸椎カラーを装着し首の動きを抑制します。頭部の重みなどを支え頸部の筋肉の使用を減らすため、生活内での動作による痛みが減らすことができます。お見舞へ行くと意外に頚椎カラーをつけた患者さんは元気に動いていますよね。

しかし、首の屈伸などの動作時痛による痛みとは違い、疼くような鈍い痛みが座位や立位などで過ごしている時、ベッドに横になり安静にしている時などにも感じている人は多いと思います。笑顔も見えて元気そうな感じを受ける患者様でも疼くような鈍い慢性痛や気分不良などが昼も夜も持続的に生じている人もいます。

これらの安静時などに感じられる慢性痛や気分不良というものは、頸部の筋肉を使うことで炎症部位の痛み神経の活動を上げ瞬間的に発生する急性痛ではないので、首の負担を減らしても頸椎カラーでは慢性痛は抑制できないことが多いと思います。

首を屈伸したり、後方を見るような捻る動きなどをすると、人により訴える表現の仕方は違いますが、「ピリッ」「ズキッ」とか瞬間的に電流が流れるような、脛をコツンとバットで叩かれ「痛ッ」と叫んでしまう様な痛みなど、表現が難しいのですが強烈な強い痛みがあるようです。また痛みが出る瞬間は痛みにより首の辺りの力が一瞬抜ける様な感じがすると訴える人もいます。

頚椎カラーをしても、例えば髪の毛を触る様な動作で上肢を上方向に挙げる場合などは、その動きに連動して頸の痛みを感じることはあります。他の動作でも動く場合に首の動きを完全に抑制していることは無いので首に負担のかからない動きと思っている動きでも、やってみると首の力を使っているため首の痛みを感じる経験をすることも多いと思います。

交通事故の当日や事故の2〜3日後くらいまでに痛みが増す人、交通事故後は全く痛みが無いか、あっても少し首の違和感がある程度だった人で事故より1〜2週間ほど経過していくうちに痛みが徐々に増して、いよいよ仕事などの日常生活にも支障を来たす様になった人・・・

どちらにしても基本的には首や肩あたりに、首を動かすと感じる急性痛が発生し、安静時の疼く様な慢性痛と気分不良、痛みによる睡眠障害・気分の落ち込み(痛みで辛い)が出てきます。

第一段階では後頭部・首・胴体と首の付け根より下辺り(肩甲骨内側の背骨に近い筋肉)の一部に発生している炎症性の痛みを感じる強さがピークに達するまでを説明しました。この時期は炎症を生じている筋肉やその近辺にある筋肉などに防御性の収縮が発生していますが、肩こりなどの慢性痛でよく見られる肩の筋肉がガチガチですね?と言われる様な水分の少ない粘土を触った感触の弾力性が無い状態の筋肉の硬化ではなく、輪ゴムなどを軽く引っ張った状態の様な適度な張りのある、一時的な筋肉の緊張亢進というものです。

炎症による痛み発生と筋肉の突っ張りの増加(防御性の収縮)による炎症の痛みにプラスされる筋肉の痛みが一部あると予想できます。
しかし、この痛みピーク時期の痛みは炎症が主体であり防御性の収縮はある程度必用であり、筋肉を無闇にほぐせば良いという単純な考えは間違いである(痛みを増す)ということもあります。

第一段階の心理的な側面に目を向けてみましょう。
首を屈伸したり捻じるなど目線をあちこち動かす時には頸部の動きが発生し、また起き上がりや座位・立位など姿勢を維持するためには頭を適切な位置に維持するために首の筋肉の使用が必要なため、動作時痛が出るのですが、この動作時の痛みが瞬間的に強く出るので痛くて動かせないというのが困っている第一のポイントです。

動作時の痛みとベッドに横になり安静にしている状態でもちょっとした動きで急性痛を感じるので、頻繁に痛みを感じることに対して痛みが嫌だなと思うと思います。しかし、痛みについては痛みが強く困ってはいますが、痛みへの不安や焦りというものはあまり無い時期です。

仕事をされている人では職業復帰を急がなくてはいけない人では「早く復帰しなければ」という焦りは大きいのですが、職場の了解も出て治療に専念できる環境(入院や通院を行うために休みが確定すれば)が整えば、職場復帰への焦りは無くなります。

痛みが強いため、痛みが出た瞬間のみイラッとしたりイテテテ・・・と萎えたり、一時的に気分の変調はみられますが、痛みがまだ強い時期だからしょうがない、もう少しの辛抱だという感じで考えている人が多いです。1〜2週間程度あれば痛みはかなり改善(あまり気にならない様になる痛さ)するだろうという予測もあるので、急性痛の痛みで動作の制限や睡眠不足気味が生じているけど我慢できているし、心理的な焦りも少ない様子です。

急性痛は事故直後から1〜2週間後の痛みピーク時期が最も痛みが強いのですが、痛みが最も強いのに焦りや不安・恐怖などの心理的な問題(第二段階に比べて)が意外に小さいというのは第一段階に特徴的と考えられます。

第二段階:痛みの部位が他の部位に広がる

交通事故後に発生した後頭部・首・肩甲骨内側辺りの限局した痛みが増してきますが、第二段階は痛みを強く感じるピーク時期の前後、痛みピーク時期の手前からピーク時期が多少軽減してくる期間までとイメージしてください。

炎症を発生させていると考えられる局所部位の痛みピークは?損傷の仕方の違いなどにもより確実に何日で到達すると断定的に言えませんが、多くの患者様(事故直後はどうもなかったという状態の人も含め)では遅くとも事故後より2〜3週間程度あればピークに達することが多い(患者様が数ヶ月経過し首のみの限局した部位の一番痛かった時期はいつかと振り返り話される内容からは)と思います。

第一段階ではこの首を屈伸したりする動きで発生する鋭い強い痛みが先行するのですが、この痛みがピークに達してくると、治癒過程の早い人はこのまま動作時痛などが軽減して自然と収束方向に向かいます。
改善が早い人は痛みピークが1〜2週間程度で終わり、徐々に痛みが安定的に軽減していくので約1ヵ月程度で大幅な痛み改善に向かいます。

しかし、多くの人で自覚症状の無い状態の完治までは3ヵ月程度はかかる人が多いので、基本的には1〜2ヵ月程度は首などの限局した部位(炎症部位)の急性痛が維持されながら、上肢の痛み・痺れ・背中の痛み・腰の痛み・足の痛み・痺れ、など痛みや痺れる部位が今まで痛みを感じていなかった全身に拡大していくという経過に入ることもあります。

上肢に広がる症状としては?

二の腕(上腕)や前腕あたりがこわばった感じの鈍い痛み、重だるさなどが出る、二の腕や前腕を自分でマッサージする様につまんでみると痛い・痛気持ちいい感じの筋肉のこわばりがある。また、これらの部位の筋肉が時々ピクピクする様な軽い痙攣のような反応をすることもある。上腕・前腕の皮膚にピリピリとした感じも時々出る。手の平や指先に力が入り難い・指先などにジンジンと痺れる様な感覚が出てくることもあります。手の平や指先などの痺れは出ても一時的なものでしばらくすると軽減してきます。

上肢を動かす場合は肩の固定性が必要とされるため、肩や首の筋肉には力が入ります。このため手を動かすことに連動し首の痛みを感じることも多いと思います。
頸部の動作時による鋭い強い痛みに比べれば、上肢に出てくる症状は軽いものですが鈍痛であり不快な感覚は意外に大きいと思います。

背中や腰に感じる症状としては?

背中の全体的な慢性的なこわばりなどが感じられ、背中を真直ぐする姿勢が辛くついつい意識しないと猫背になってしまう。背中の1箇所〜何箇所かに首の痛みまでは強くないが、胴体を曲げたり反ったりすると瞬間的に鈍い痛み(弱い似た感じの痛み)を感じる場所が出てくる。また、この数箇所の痛みは横に休んでいる様な安静時でも痛みの場所が鈍く疼くような感じもして気になることも増えている。

背部痛はピンポイントで1箇所から数箇所ハッキリそこが痛いと分かる局所の痛みを訴えられる急性痛と慢性痛が合併した人、何となく背中のこわばりを中心とした広範囲の慢性痛を主体とした人の2つに分かれてくると思います。

腰では腰痛を感じるようになり、腰の辺りがこわばった様な、なんとなく動かしづらい様な?感じもあり、立ち上がりや歩行などで腰の痛みが気になる、顔を洗う時など中腰などの姿勢で動作を行うと辛くなる。
椅子に座る場合は背もたれの角度によって首や背中の痛みの感じ方が違う傾向があり、意外にも?車の座席などに座る方がソファーや椅子(自宅や仕事場にある椅子)より楽に感じるという人もいます。

テレビを見るなど長時間の座位を続けたり、横になってテレビを見ているなど、何かしら同じ姿勢を長時間続けた後の動き出しすぐは「イタタタタ・・・」という感じでゆっくり動かないと鈍痛と腰の筋肉が硬く動き難い状態を感じる。動き出すとしだいに腰の筋肉が楽になって動かし易くなってくるので、しばらく動いていることが続くと腰の違和感は忘れている。

交通事故によるむち打ち損傷だけに関係なく、以前に肩コリ・腰痛などの慢性痛を感じていた人(事故前は痛みは感じていなかった)は同じ部位に同じ痛みが再発した様に感じる。
第一段階の局所の痛みが出ますが、事故後2〜3週間より痛みの軽減傾向に入らない場合は、第二段階に入るため、その中でも背部痛の出現頻度は最も多くの人に見られやすいと思います。

下肢に感じる症状としては?

お尻から太ももの後ろ側にだるい感じで少し疼くような鈍い痛みを感じることが多く、この部位の痛みはこわばる感じの鈍痛が多く歩行が困難になるほどの鋭い急性痛では無い。比率としては少ないですが鼠頸部の痛みと太ももの外側に痛み(弱いチクチク感の様な)を感じる人もいますが、鼠頸部などの痛みの場合は少し鋭く感じることが多いようです。

お尻から太もも裏側の鈍痛がある人は腰痛も合併している人が多いのですが、腰痛をあまり感じていない人はお尻と太もも裏の鈍痛はあっても弱い傾向です。
足の指やふくらはぎの辺りにピリピリとする感じの弱い痺れなどが稀に出ることもあると思いますが、痺れ感が出る期間はむち打ちの痛みピーク時期の前後が多く、長期間に渡り痺れが残ることは無いと思います。

上肢や背部痛に比べると下肢の痛みは出ても比率としては小さく下肢の痛みを感じる期間は比較的に短いと思います。

第一段階では頸部の局所の痛みが目立ち、首の屈伸などの動作時痛が目立つ時期でした、第二段階は上記の様に上肢・背部(肩・腰部も含め)・下肢などに症状が広がることが特徴ですが、首の痛みの変化はもちろんあります。

 

第二段階の首の痛み

第一段階と比べると首の痛みはやや強い状態へ変化しています。首を屈伸したり・捻る動作では瞬間的に鋭い強い痛みが出ますが、これに合わせて安静時の「ジンジン」「ズンーン」という様な疼く痛みとこわばりの様な重苦しい感じの症状が首全体に広がったような形で感じられる人は多いと思います。

頚部の局所に感じる痛みとしては、安静時でもちょっと動かすと瞬間的に強い鋭い痛みを感じる場所はハッキリ指し示すことが出来るのですが、それに合わせて慢性痛が見られる様になります。慢性痛は広い範囲に漠然と「もわ〜」とした感じとでも言うのでしょうか?ココが!と断定できる痛みでなく、だいたいこの範囲かな?というハッキリと指し示せない広範囲の鈍い痛みが特徴です。

この「もわ〜」とした様な広範囲の漠然とした辛い鈍い痛みは持続的に続くので、この持続的な痛い!というよりもどちらかと言うとキツイ(座位・立位などで首が頭を支えているのがキツイと感じる感覚で、すぐに横になりたくなる)という苦痛の感覚が、常に頸部症状に意識を向かせやすく痛みにより眠れない・痛みにより気が休む暇がないという身体的・精神的疲労の増加に繋がっていきます。

首を動かすと局所に感じる鋭い強い痛みの急性痛、首全体の広い範囲(広さは個人差あります)などに「もわ〜」と感じる持続的なキツイ(鈍く痛いなど)と感じる苦痛などの慢性痛がプラスされて苦しんでいると、もう一つセットで徐々に頭痛が出てくることもあります。

頭痛はガンガンするとかズキズキするとか頭の中が痛いという感じの風邪を引いた様な痛みではなく、後頭部の辺りから頭全体にかけて「ぎゅー」と押されている様な、頭を両手で絞めつけられている様な、個人差があり表現が難しいのですがジワ―と広がる様な鈍くキツイ、響く痛み・頭重感などが多いと思います。頭痛の強い人は無意識に歯を食い縛っていることが多く顎の痛みなどが出る人もいます。

第二段階は痛みが前面に出る時期ではありますが、頭痛が出る人などは特に(頭痛がない人でも見られるのですが頭痛が出る人に多くみられます)それに合わせて気分不良としての吐き気・全身の倦怠感・内臓痛(胃腸の不調)・めまいや起立時や歩行時などの揺れる感じなど、症状は痛み以外にも多数見られます。

第二段階で見られる痛みを分類すると?
(基本としてある痛み)
首・肩(肩甲骨内側)あたりの局所の動作時痛
(基本としてある痛みにプラスされる痛み)
1:背部痛
2:頭痛
3:上肢の痛み・痺れ(特に前腕部から手に多い)
4:腰痛
5:下肢の痛み・痺れ(特に臀部から太もも裏に多い)
6:気分不良(吐き気・めまい・倦怠感・胃腸不調・その他など)
痛み症状の広がり方は個人差があり、広がりも1つの人もあれば1〜5まで全て見られる場合もあると思います。
基本的には1・2・3が痛みの広がりとしては最も多いと感じます。4・5まで痛みが出てくるというのは比率的には少ない方だと思います。

第二段階ではもう一つ特徴的なのが心理的な部分です。

第一段階では首を動かす時に感じる痛みに困るという気持ち、痛みを感じた瞬間にイラッと(怒り)したり、イタタタタ・・・と気分が落ち込む(気分が萎える)ことは一時的に何度も生じますが、患者の治癒までの予測としては基本的に1週間もあれば大幅に痛みも減ってきて、痛みで辛いと感じることも減ると予想されています。痛みに対しての焦りというものは少なく、どちらかというと痛みよりも職場復帰などへの目途が立たないことへの焦りが大きい状態でした。

第二段階では、この第一段階の局所の急性痛が持続していますし若干増加したり、慢性痛が追加されて来ることもあり、事故後より数週間も経過しているのに痛みが改善しないことへの不安が増し、痛みへの意識が向きやすくなります。

首を動かすと痛みがいつまでも出ているため「なぜこんなに痛い状態が治ってこないのか?」、今までは仕事復帰が遅れると迷惑をかける、解雇にならないか、入院費など支出と収入減少などへの不安と心配が先行していたものが軽減し、仕事復帰などの不安よりも痛みそのものが治るのか?という不安の材料による恐怖が増して来る時期です。

痛みが上肢や背部など他の部位に広がり始めると、「首の状態がさらに悪くなっているのでは?」という不安や恐怖が増します。痛みが広がり今まで痛みの無かった場所も新たに痛むので、新しく痛みが出た場所を新たに傷めたのでは?という不安も出てきます。

痛みが長期化してきているので、この痛みはずっと続いて取れないのでは?今の治療は効いていないのでは?逆に行っている治療によって悪くなっているのでは?治療にも不信感が増します。

首を動かした時の急性痛が主なものであった第一段階より頸部全体に広がる鈍い慢性痛は、起きている時でも寝ている時でも常に感じやすく、ジワジワ感じる鈍い痛みで我慢できる範囲ではありますが痛みが毎日続くため、ボクシングのボディーブローの様にジワジワと効いてきて、精神的な不安・恐怖、痛みが改善されないことへの気分の落ち込み(萎える)を増加させるでしょう。

痛みや不安により睡眠不足傾向に入るので、弱気になり気分の落ち込みが激しい時期であり、痛みの広がりなどによる恐怖・治療方針や治療効果への不信などから瞬間的に強い怒り(イライラ)が生じやすく、家族や医療従事者にも怒りをぶつけやすい時期です。

背部痛や上下肢への痛みの広がりは強烈な恐怖感を与えます。この強烈に苦しい痛みの状態が続くと、もう痛みが治らないで仕事にも戻れないのではないか、この先どう生きていけばいいのか、最悪の事を考え過ぎてうつ傾向に入っていくこともあります。

うつ傾向に入ることでさらに不安や恐怖が増すので、生活内での動作などで生じる首の痛みが出た時は「今の動きで痛みが出たから、交通事故で壊れた所がまた壊れたのではないか?」「痛いと感じたらぜったい良くないから動かない様にして痛みが出ない様にしなくては」などとイメージされ安静傾向を強くし過ぎてしまうこともあります。

入院している人・仕事を休み外来通院で治療をしている人にとっては、身体的・精神的な負担は少ないメリットはあるのですが、デメリットとしては生活内で仕事や家庭内の役割など生活における多くの作業が軽減されるため、多くの時間が沢山あるばかりに痛みについて悩む時間も余るほどあります。

日常生活内では感じる痛みが一つ一つ気になって痛みに意識が向きやすくなります。また、交通事故の事や保険の交渉経過の事をもんもんと考えたりなど、心配事などを考えたりすること、長時間座っている・寝ているなどお尻や背中などに加わる圧迫刺激(痛み刺激でない刺激でも)でも首や背部・上下肢痛など運動時痛以外の慢性痛などを増加させて感じさせる(実際に発生している痛みの強さは同じレベルだが精神的な疲労困憊により苦痛として痛みを大きく感じる)ことに繋がることも多いです。

第二段階の心理的特徴を纏めると、急性痛と慢性痛の持続、痛みの広がりから気分不良などの自律神経症状など、長引く痛み気分不良の持続による不安・恐怖が大幅に増加し、精神的に追い詰められてくるため、痛みに敏感になり痛みを過剰に感じやすくなってくる時期と言えます。

うつ傾向など精神的に大幅に気分の落ち込みなどが進むと

@ 痛み⇒安静にする⇒痛みに敏感となり不安・恐怖の増加⇒安静傾向が強くなる⇒ちょっと動いた時に感じる痛みが怖く動けない⇒@へ

第二段階の痛みの広がる時期は悪循環に入り痛みにより安静を取り過ぎる傾向に入ってしまうので、この悪循環を最小限に止めることが慢性痛の長期化を予防するポイントの一つになります。

痛み経過の段階分けページの先頭▲

第三段階:痛みの収束

第二段階で見られる痛みを分類しましたが、この基本としてある痛みと痛みの広がりが徐々に軽減していくのが断三段階の痛みの収束です。
以下に復習として第二段階の分類を見てみましょう。

第二段階で見られる痛みを分類すると?
(基本としてある痛み)
首・肩(肩甲骨内側)あたりの局所の動作時痛
(基本としてある痛みにプラスされる痛み)
1:背部痛
2:頭痛
3:上肢の痛み・痺れ(特に前腕部から手に多い)
4:腰痛
5:下肢の痛み・痺れ(特に臀部から太もも裏に多い)
6:気分不良(吐き気・めまい・倦怠感・胃腸不調・その他など)

第三段階の痛みの収束していく経過としては?

首・肩(肩甲骨内側)あたりの局所の動作時痛は徐々に軽減していき、首の屈伸や捻じりなどが徐々に動く範囲が広がっていきますが、頸部から肩辺りの「もわ〜」と感じる広範囲の慢性痛は徐々に軽減されながらも、一定の時期からは頸部の屈伸や捻じるなどの動作時痛よりも気になる様になります。

首・肩(肩甲骨内側)あたりの局所の炎症は徐々に改善が進んでいると考えられ、動作時痛がほぼ気にならなくなってくる段階でも局所を押したりし圧迫してみると痛みが誘発される状態が消えてくるまでは、広範囲の慢性痛は弱い痛みの強さですが遅くまで維持されることが多いです。

首・肩(肩甲骨内側)あたりの動作時痛の軽減と広範囲の慢性痛の軽減が進んでいくと、手指や足指などに「ピリピリ」とした痺れなどは早めに軽減し気にならなくなる日(日により感じる・感じないという様に日による差が出てくる)が出てくることが多いと思います。

お尻から太もも裏の慢性痛・鼠頸部の辺りのチクチク感・違和感、これらも基本的には改善は早いほうで頸部の動作時痛などが楽になっているのが実感できる状態になってくるとそれに合わせて順調に軽減していきます。

お尻から太もも裏のこわばりなどが単体の症状として最後まで残ることはほぼ無いと思います。しかし、腰痛を感じている人ではお尻から太もも裏のこわばりは軽減に時間を要することも多く、腰痛が安定的に改善するまでは継続することはあります。

上肢は上腕(二の腕部分)・前腕・手と大きく分けられますが、手や肩辺りなどの「ピリピリ」とした軽度の痺れ・違和感(力が入り難い)などは首の動作時痛や「もわ〜」とした広範囲のこわばり様の慢性痛が軽減し始めるとそれに合わせてあまり感じなくなるようになります。

上腕部や前腕部(肘の近く)のこわばりなどは遅くまで残る傾向がみられます。特に前腕部の方が残りやすいのですが、首の動作時痛が大幅に改善されても「もわ〜」としたこわばり様の慢性痛が軽減してくるまでは残ることが多いため、首の慢性痛の安定が前腕部の安定の目安になる時期と考えてください。

交通事故など関係なく以前より元々腰痛のあった人などで、事故後より背部痛の延長線上で一時的に腰痛を強く感じているという人が多いのですが、基本的にはぎっくり腰の様な鋭く強い急性の痛みで歩けない・立てないなどの症状としては出ていないので、慢性的なこわばり様の痛みであった、何となく腰の違和感を感じる、という症状が基本です。

腰痛は背部痛と同じくらい長い期間に渡り残りながら軽減していくという経過で行くことが多いです。しかし、頸部症状が楽になってきたと本人が自覚出来る状態に入ってくるころには、腰痛は大幅に軽減した状態まで安定(一定のレベルまで痛みが軽減するのは速い)することが多いです。

背部痛は肩や背中の真ん中の下で腰より上くらいまでに感じる痛みとして考えます。この辺りの痛みは第二段階の痛みピーク時期では?
@ ピンポイントで1箇所から数箇所ハッキリそこが痛いと分かる局所の痛みを訴えられる人。
A 局所の痛みが断定しにくい広範囲の背中のこわばりを中心とした慢性痛を主体とする人。

2つに分かれるのですが、@がAよりも症状は強いので、@⇒Aへ移行し痛みが安定してくるという経過を取ります。局所のピンポイントで表現できる痛い場所がしだいにぼやけて来て、すると慢性的なこわばり様の広範囲の慢性痛を自覚してくるため、せっかく局所の痛みが減ってきたのに違う痛みがまた発生したと感じることもあると思います。

しかし、基本的には@⇒A⇒安定への経過であり、慢性痛が増すと新しい痛みが増えているイメージはありますが、これは治癒に向かっている状態であり一定の時期に感じるはずの慢性痛は怖がり過ぎる必要はありません。

むち打ち損傷の痛みは首・肩甲骨内側辺りの局所の急性痛が基本ですが、頸部の慢性痛以外の部位に感じやすい慢性痛を考えると、第二段階の痛みの広がりとして最も痛みを感じる比率が高いのは背部痛であり、第三段階の痛みの収束に入っても最後まで残りやすいのも背部痛が多いと思います。

(一般的な収束の経過の例)

第二段階の痛みピーク状態

頸部の動作時痛がわずかに軽減開始、広範囲の慢性痛は維持もしくは増大。

上肢(手指)・下肢(足指)など末梢の痺れ・異常感覚が和らいでくる

お尻や太もも裏などのこわばりや太もも外側や鼠頸部の違和感が軽減してくる

腰痛は急激に一定域まで軽減し、そこからは徐々に軽減し始める

肩(三角筋辺り)・上腕・前腕のこわばりや痛みが軽減し始める

背部痛は数箇所の局所にある急性痛が徐々に軽減し広範囲のこわばりが目立ってくる。頭痛なども軽減してきているが、一定の強さで維持。

首の動作時痛は大幅に改善するが若干は痛い、広範囲のこわばり様の慢性痛は軽減してきているが、どちらかと言うと慢性痛の方の影響が大きくなっている。

気分不良などが大幅に軽減してくる。

上肢・下肢など他にも痺れ様のものは大幅に軽減、出てもたまに軽く感じる程度。

腰痛が元々強い人でなければ、腰痛やお尻から太ももの裏に感じるこわばりや痛みはほぼ改善。

上肢のこわばりは改善、残っていても前腕部にわずか。

背部痛は局所の急性痛はほぼ感じない(押されると痛みはあるが以前より弱い)、しかし弱いレベルに安定してきているが背部の慢性痛は残っている。頭痛は改善し後頭部から頸部辺りの軽いこわばりは残っている。

頸部の動作時痛・広範囲の慢性痛改善・その他の痛みの広がりも改善

※ 症状には個人差もあり改善される時期や症状の軽減する順番も差があります。上記で早く消えるとしている症状が後半まで残る人もいると思います。

 

第四段階:痛みの改善と慢性痛の持続

むち打ち損傷による痛みは改善するのかを考えると?
@完治する人
A慢性痛として一部の痛みが残る人

2つに分かれると思いますが、ここではAについて考えてみましょう。

交通事故後より痛みピーク時期(急性痛)を向かえた後に痛みが軽減してきた人で慢性痛が持続している人ですが、普通は痛みが長引いている人でも保険の問題もあり、多くの場合は事故後より長くとも6ヵ月程度を目安に医療機関の治療は終了となると思います。

事故後より痛みピーク期間には首を屈伸したり捻じったりすると、頸部〜肩甲骨内側辺りにある炎症部位が瞬間的に鋭い強い痛みを生じていましたが、6ヶ月ほど経過しているので首の動作時痛は大幅に軽減し、首を屈伸したり捻じる動作は大幅に可能となっています。
しかし、首の動作時痛は一定の角度で以前よりも鈍く弱い痛み刺激として瞬間的に感じることはあり、動かせない事はないが依然として首は気になるという人は多いと思います。

第一段階(痛みの発生)→第二段階(痛みの拡散)と症状が進む中で、一番の問題であった首の動作時の痛みである急性痛は第三段階(痛みの収束)を経て第四段階に入ると大幅に軽減しているため、交通事故から6カ月経過した時期の痛みで問題なのは首・肩・背中辺りに感じる広範囲なこわばりを主症状とした慢性痛であると思います。

後頭部の締め付ける様な鈍い痛みがある人では、頭痛に似た症状で後頭部から首あたりの「ズーン」とする広範囲の重苦しい感じが持続することは多いと思います。頭痛を伴う人は、めまいや吐き気などの自律神経が関係している様な症状が目立ち、特に体調がすぐれない日などに気分不良などの症状が痛みよりも前面に出て目立つ傾向もあります。

6か月を経過した頃の慢性痛は、基本的な部分では一般的な肩コリのひどい人(週に1度はマッサージや鍼などをしているという人)に近い症状と考えていただいて結構です。痛みの強さは日による変動が基本的にあり、朝目が覚めると肩や首の辺りなどがこわばった感じで固まっている感じがする、全身の倦怠感が強い、気分が悪く痛みもいつもより強いと感じる日などは第二段階の痛みの拡散した頃に感じた痺れなどを弱いレベルで短い時間に感じる(一時的に症状が悪化し再発した様な感じ)こともあると思います。比率としては少ないのですが一部の人では気候の変化で気分不良・慢性痛が増すという人もいます。

一般的には事故後に痛みが強く出て入院していた人でも5〜6カ月経過した時期は退院して外来通院に変更となっている人が多いと思います。仕事は調整(仕事量を少なく半日勤務)し徐々に馴らしながら仕事量を上げている段階か、事故前と同じ量の仕事量(職場の環境で休みを取り難い・仕事量の調整が無理な職場などは)に戻っているという状態で仕事をされている人も多いのではないでしょうか。

仕事開始時より仕事の中盤から終わりにかけて慢性痛・倦怠感の増加が多く、仕事中に慢性痛が出たり消えたりというのではなく、疲労の増加に合わせて首・肩などのこわばりや慢性痛が増し、痛みが時間経過とともに徐々に積み重なっていくということが多いです。

交通事故後より痛みが長期化し6ヵ月経過した時期も慢性痛を主体とする症状がある人では、徐々に痛みが気にならなくなるという経過で改善しますので、個人差はありますが1年ほどを目途に経過を見ると、徐々に日常生活内で感じる痛みも無くなりスッキリと気にならない状態に落ち着いてくるというイメージを持っていただいて良いと思います。
むち打ち損傷による痛みが長期化すると、完治に近い状態(交通事故前とほぼ同じ状態)までは意外に時間がかかるものだと思います。

日常生活では仕事など慢性痛の辛さで最初は1日も持たないという状況から、半年ほど経過して1ヶ月ごとの経過を振り返ってみると?徐々に痛みが楽になり仕事なども行いやすい状態になってきたなと将来的には感じることが出来ると思います。
6ヵ月経過で慢性痛が残っている場合は、痛みが先行して消えていくというよりも、日常生活内での痛みはあるけど動ける量が増えてきて動作の改善に対して後追いの形で痛みが徐々に減って来るというイメージを持たれると良いと思います。

完治までの期間で分けた3症例ページの先頭▲

完治までの期間を基に大きく3つの例に分けて説明します。
症例A:交通事故後より1ヵ月ほどで完治となる症例。
症例B:交通事故後より3ヵ月〜6ヵ月ほどで完治となる症例。
症例C:痛みが残る症例。

症例A:交通事故後より1ヵ月ほどで完治となる症例。

首から肩甲骨内側に局所的な炎症が生じていると考えられる痛覚過敏部位(トリガーポイント)が発生します。首を動かすと「ズキッ」と言う様な電気が走る様な瞬間的に鋭く強い痛みを感じ、首を自由に動かすことができません。痛みの強い時期は起き上がる時などは手で頭部を固定しないと仰向けから座位へ腹筋運動をする様な形での起き上がりなどは激痛が出て無理な場合もあります。
頸椎カラーを使用し頭部の重さを減らすと、起き上がり・歩行など動作時の首の痛みは軽減されます。首の強い痛みは1〜2週間程度の持続に止まり、痛みピークが終われば徐々に痛みが軽減し始める1週間ごとに痛み軽減速度が加速していきます。

交通事故の直後より首の痛みが発生する場合が多いのですが、交通事故の日は首の一部に痛みが発生しなくても、首の動かし難い若干の異変を感じることが多いと思いますが数日後に首の痛みが増して来るという人もいます。

痛みの発生日、痛みの増加する期間は個人差がありますが、1ヵ月で完治する人の場合は痛み発生から概ね1週間前後で痛みピーク時期に到達し、痛みピーク前後までは首の動作時痛に合わせて疼くような安静時痛もあります。痛みピークを越えると順調に首の動作時痛は軽減していきます。

首の動作時痛が中心で後頭部・首・肩辺りの広範囲な慢性痛は強く出ない人が多いと思います。首の広範囲の慢性痛は出ても軽度であり持続期間も短い傾向です。上肢・下肢への痛み・こわばり・痺れなども出ない事が多く、合併する場合は背部痛(肩:三角筋あたりも含む)が多いと思います。

事故後の痛み発生から1週間前後で痛みのピークに達しますが、痛みピークまでは首の動作時痛などは増していくため、不安は多少ありますが「首の痛みが治らないのでは?」という心配は少なく、日常生活内で歩く・立つ・寝返りする・起き上がるなど動作を行うごとに首の急性痛を常に感じるので「痛みが辛い」「また痛みを感じた嫌だな」という感じで痛み刺激そのものを繰り返すことを苦痛に感じている状態です。しかし、その痛みについて思い悩むことが無いのが特徴です。

痛みが強い人では事故後の1週間前後の痛みピーク時期では、首の痛み・疼く痛み・違和感などで夜間に眠れない状態が出てくると、睡眠不足や倦怠感も増してくるので精神的に気分の落ち込み(精神的な一時的な疲労)が多少見られる場合もあります。痛みを感じることが頻発することより、気分が落ち込むことに合わせてイライラ感が非常に増す場合もあります。

1ヵ月で完治まで行く人は首・肩甲骨の内側に生じた炎症は小さいものであることが多く、痛覚過敏部位は小さな範囲であり表層よりも深部筋に存在していると予想されることが多いです。捻挫や突き指の様に炎症が大きく発生している状態では無いので、衝突の衝撃による筋・靭帯(軟部組織)などの組織損傷は小さいので修正は順調に進むことが多いです。

炎症による純粋な首の動作時痛などによる急性痛、小さな炎症の持続による痛み刺激の脳への伝達の持続による炎症部位近くの筋肉の防御性の筋収縮(こわばりが出てくる)が動作時の急性痛を増幅させていることがあります。

症例Aは痛みの強い期間も短く、痛みの軽減も本人が毎日少しずつ順調に減っていると実感できるので、痛みの強い時期はイライラしたり気分が落ち込んだりしますが、あくまでも一時的な精神的な疲労という感じです。
痛みピーク時期さえ過ぎれば急速に痛み軽減が進むので、1ヵ月ほどで完治となります。

B:交通事故後より3〜6ヵ月ほどで完治となる症例。

交通事故で痛みが発生してから3ヵ月ほどで日常生活内の痛みは大幅に軽減し完治となる人は多いと思います。
事故後に痛みが発生し痛みピークまでは1〜2週間ほどで達し、首の屈伸や捻じりでの動作時痛は電気の走る様な瞬間的な「ズキッ」とする強い痛みが出るのですが、この急性痛は3週間ほどピーク状態が維持されることが多いと思います。

1ヵ月程度で完治する人は事故後1週間ほどで痛みピークになり、2週目くらいから徐々に痛みが減っていくという経過が多いのですが、3ヵ月ほどで完治する人は痛みピークまでは1週間程度で同じなのですが、その後も3週間前後(6ヶ月完治の人では1ヵ月前後)は首を屈伸したり捻じっても同じレベル(痛みの強さ)に近い感じの強い急性痛が持続するか、痛みが軽減してくる場合でもかなりわずかな痛み軽減の変化が徐々に進む(本人は痛みがあまり減っていないと感じている)という変化が多いと思います。

事故後より3週間前後が痛みのピークに近い様な状態が続くのですが、強い鋭い首の動作時痛が続きながら、徐々に首・肩・後頭部あたりのどこかに広範囲なこわばり様の慢性痛が出てきます。
こわばりも単純な肩コリとは違い、安静時でも動作時でも疼く鈍い痛みを感じることが多く、痛みを毎日感じることが苦痛でたまらないので、痛みを感じる度に痛みの部位へ注意が向きやすくなります。痛みに敏感になってくることで慢性痛もさらに増幅されて強く感じることが増してくる。悪循環に入っていきます。

日中の起きている時は首を動かしたり、歩行・座位・起き上がりなど動作時なども頻繁に急性痛を感じながら、安静時や動作時のどちらでも急性痛とは違う鈍く重苦しい疼く慢性痛を持続的に合併し感じることから、精神的な疲労も強くなり夜間の睡眠不良などが目立ってくる人も多いです。
睡眠不足により全身の倦怠感も増し、さらに気分が落ち込む、キレル感じの怒りが出ることも増えてきます。
慢性痛の辛い痛みに思い悩む状態が見られることが多いです。

一般的にむち打ち損傷を経験したことの無い人では、事故後に痛みが出たら1週間くらい痛く、その後は順調に痛みが減りながら急速に治って行くというイメージを持っている人が多いと思います。むち打ちの痛みは長引くと噂では聞いている人でも、痛みが強い時期は数日程度(1週間程度)というイメージの人が多いようですね。

実際に交通事故でむち打ち損傷の痛みが1ヶ月以上に渡り長引いている人の感想としては、「こんなに痛くて苦痛な状態が続くとは思わなかった」と予想以上だと感想を述べられる人が多いと思います。

痛みの完治まで3〜6ヵ月かかる場合は、事故後より3週間程度は強い急性痛の持続とこわばり様の疼く慢性痛が基本的に合併している(完治まで6ヶ月かかる人では1ヵ月前後の期間は痛みピークが続く場合があります)のですが、強い痛みが持続しながら新たに背部や上肢の全体的なこわばり、背部の1〜数か所(最初は痛みの無かった部位)に頸部・肩甲骨内側にある急性痛に似た弱い限局性の痛みが感じられることが出てくることも多くあります。
上肢では指や肩などに「ピリピリ」とする様な弱い痺れを感じたり、背部と上肢に痛み症状が拡散することが見られる場合があります。

事故に関係なく腰痛が元々ある人は高い確立で3週間前後の痛みピーク期間に強弱の差はありますが腰痛を感じるようになり始め、腰痛が一定期間に渡り持続していると次第にお尻や太ももあたりのこわばり、股関節や太もも辺りのチカチカするような痺れ、足指の痺れやふくらはぎがつるなどの症状へ広がることもあります。

痛みが楽になってくるだろうと予測している期間(当初の予想は1週間程度)よりも長く痛みが持続してくる(実際は3週間〜1ヵ月前後の期間に渡り)ので、しだいに焦りや不安が増加してきます。
さらに痛みの部位の広がりや痺れの発生は、むち打ち損傷の患者の心へ大きな精神的打撃を加えてくるでしょう。屈強な男の人、冷静沈着な人であっても、一向に痛みが減らない期間の持続は必ず大きな恐怖感と不安感を増幅させます。

・首を動かした時に感じる痛みはずっと治らないのではないか?
・痛みが出る度に痛みのある部位が壊れているからいつまでも痛みが治らないのでは?
・治療が効いていない、誤診ではないのか?
・首の痛い場所が首以外にも広がり背中などにも痛みが増えているし痛みがどんどん強くなっていくのでは?
・手足などしびれを感じるから神経が切れているのでは?
・こんなに痛いともう仕事に復帰できないのでは、家事など一生出来ないのでは?

個人差はありますが上記の様な考えがもんもんと浮かんできて、大小の差はありますが誰であっても不安や恐怖感が確実に増してきます。誰もが痛みが辛いと思い悩み始めます。

1ヵ月程度で完治まで行く人、3〜6ヵ月ほどで完治まで行く人の問題点の大きな違いは?

1ヵ月程度で完治まで行く人
・事故後より1週間程度で強い痛みピークが来る。
・その後は順調に痛みの軽減を感じられ、完治に向かう。
・順調な痛み軽減が実感できるため不安・恐怖は増加しない。悲観的に思い悩まない。

3〜6ヵ月ほどで完治に向かう人
・事故後より1週間程度で強い痛みピークが来る。
・痛みピークの持続が3週間〜1ヵ月前後あり、この痛み持続期間が長い。
・痛みの場所が多数出てきて痛み部位が拡散すること、痛みとは別の痺れという感覚が出てくる。
・睡眠不足や気分不良(吐き気・めまい・倦怠感など)・疼く慢性痛が持続する。
・患者が考える痛みの改善速度と矛盾が生じるため、痛みが改善されないことから治療内容などに疑心暗鬼となり、痛みや将来への恐怖・不安の増加、痛みについて毎日の様に思い悩む様になる。

一般的に1ヵ月完治する人は、3〜6ヵ月完治の人に比べれば早く治るので、首や肩甲骨内側などの筋・靭帯(軟部組織)の損傷の度合いも小さく、感じている痛みも小さいとイメージしがちですが・・・・

1ヵ月完治の人が3〜6ヵ月完治の人より、痛みピーク時の首の動かせない状態が酷いと訴えられることもありますし、炎症を起こしていると考えられる組織損傷の範囲が広い(軽く圧迫しても痛みが誘発される部位の広さ)と判断できることもあります。早く治る人の方が事故による組織損傷や痛みの強さは大きい場合もあります。

単純に痛みが長引いているからという部分からだけでは、早く治る人よりも長引いている人の方が事故後の痛みの強さや組織損傷が必ず大きいと判断することは出来ないことも事実ですから、皆さんもこの点は理解しておいてください。

事故後より3〜6ヵ月完治の人を精神的に追い込んでいく原因としては、痛みの強さが問題というよりも、痛みピーク状態での持続期間が長い(炎症が持続してしまう)・痛みの拡散がみられるなど、痛みを感じている期間が長いというのが一番の大きな問題です。

首を動かすと感じる強い痛みの持続、頭部・首・背部などに広がる疼く慢性痛の持続、それ以外にも駄目押しで止めを刺す様に痺れ・気分不良などの新しい痛みが合併してくる。これら複数の痛みを長期間に渡り感じることで、誰もが精神的に大きく追い込まれます。

一向に治まる気配の無い持続する痛み!もう完治しないのでは?という絶望感、誰しもが気分の落ち込みは激しく精神的にもうつ傾向が強くなってきますが、痛みへの恐怖感が強い人ではパニック障害の様な状態もみられます。

生活内では寝返りしたり・ベッドから起き上がったり・椅子から立ち上がったり・歩いたり、入院中でも通院中でもむち打ち損傷の患者様は誰でも日常生活を送るなら必ず動いていると思いますが、痛みピーク状態の続く3週間前後はいろんな動作中に首の痛みが瞬間的に強く感じることは多々あります。

動作時の繰り返される痛みにより「また痛みが出た」と繰り返し痛みという感覚へ意識が何度も向いてしまいます。痛みに敏感になり過ぎると?痛みはあるけどこういう動作は出来るという事実は無視されはじめます。

「痛いから何も出来ない」「ベッドに横になり過ごすと痛みが楽だから安静にしていることが正しい」「痛みを感じないよう安静にし、なるべく動かない方が早く治る」この様な守りの姿勢や考えが強く増強されていきます。

痛みが怖い→痛みが発生しない様に動かない→たまに動くと痛みが出やすい→痛みが怖い
個人差はありますが、痛みによる不動傾向に向かう痛みの悪循環がどんどん患者自身の間違った認識により作られていく可能性があります。

動作と痛みの関係を見ると、事故直後から1週間程度の頃は首の痛みが強く、寝返りや起き上がりなどでも痛みが強く動くのにも時間がかかったり、首や頭を支えながらじゃないと起き上がれなかったという状態に比べると3週間程度の痛みピーク状態が持続している人でも、動作時の痛み自体は若干楽になってきていたり、自覚するほどの痛み軽減は感じられなくとも事故後から1週間程度の期間に比べると起き上がりや寝返りなども動作が早くなってきていると思います。

痛みの強さや痛みの軽減は改善しているという変化を実感でき難いということがあるのですが、動作の面で注目すると徐々にですが必ず好転しているはずです。

多くの人では子供の頃からの怪我や風邪を引いた時など、その他にも今までに体験してきた痛みの経験を元にむち打ち損傷の痛みを捉えています。
通常の怪我や風邪などは痛みが発生したすぐの頃の痛みが最も強く、安静にしている間にしだいに痛みが軽減されていき、痛みが無くなると元の様に自由に動けるようになるという認識だと思います。

治るということは?安静にすることで日々痛みが軽減(日々改善しているという実感がある)していき、痛みが改善して(風邪などでは発熱・痛み・倦怠感などが改善すると)しまうと自然に元通りの元気な状態に戻ったという感じですよね。

怪我や病気で痛みが問題となる場合には、痛み軽減が先行しながら痛みが減って楽になって動ける範囲が広がるという認識が強いと思います。
誰しも日々感じる痛みの軽減がまず進まないと、改善が進んでいるという実感が沸かないと思います。

通常のイメージでは、治るということは?痛みの軽減が先行する!

むち打ち損傷の場合も同様で、基本的には痛み軽減が先行しながら動作の改善に繋がるのですが、3〜6ヵ月完治の人では痛み軽減がもちろん先行はするのですが、その痛み軽減範囲が小さく痛み軽減を実感できない期間が長いというのが問題です。痛み軽減を実感し難い状況のままに「痛みはあるけど前よりも出来るようになってきた」という動作改善の方が実感されないまま先行することがあります。

痛みはあるけど動作は徐々に早くなり出来ることも増えてくるというのも本人の実感としては小さいのですが、他者(事故後から状態の変化を見ている家族や医療関係者)からの評価としては「痛みの酷い時に比べたらだいぶよさそうだね」ということを言われることが多いと思います。他者から言われることで本人も「そうかな?」という感じで多少は良いのかな?と感じますが、本質的には痛みはまだあるから良くなっていないと判断されていると思います。

痛みが減っているな!という実感は少なく改善している感じがしない、動作改善に比べて痛み軽減が遅れて改善してくるという経過をたどるので、痛みピークが長期間に渡ると「小さな痛みにも常に執着してしまう」「大幅な痛み軽減が実感できないと改善していると実感できない」など、無駄に安静を取り続ける悪循環に入るための準備が整っていってしまいます。

むち打ち損傷の3〜6ヵ月完治の人は痛みが長期間に渡り持続するため、基本的に痛み軽減の変化を感じるのは楽に行える動作が増えてくることに対して遅れて感じるものであるという認識を持っていただいていると、痛みの発生から痛みの拡散する状態でも不安や恐怖の増加を抑えるための一つの武器になるかも知れませんね。

むち打ち損傷の3〜6ヵ月完治の人は「痛みが急激に減ってしまい動けるようになる」ではなく、「動けることが増えてくるけど痛みはある、動けることを続けていると徐々に痛みも軽くなってくる」、これが基本です。

痛みの持続、痛みの拡散、不安の増加、3〜6ヵ月完治の人は様々な痛みや精神的な問題も重なり合うため、完治までは苦しい思いをされる人が多いのも現状です。他者から見ると事故後より1ヵ月前後の痛みピーク期間を過ぎてからも数ヵ月間に渡り本人からは痛みの訴えを度々聴くのですから、見た目的には痛みもだいぶ良くなっている様子で動作も普通に行えているのに、「それだけ動けているのに、まだ治っていないの?」「大げさに痛いと言っているのでは?神経質なのでは?」などと疑いの目を向けられて苦悩することもあると思います。

事故後より1ヵ月前後の痛みピーク期間が終わり、痛みの拡散と疼く慢性痛の持続、様々な問題も合わさりながらも、徐々に動作が改善しながら痛みが後追いで軽減してくるというのが3〜6ヵ月完治の人に多い経過だと思います。

C:痛みが残る症例。

※3〜6ヵ月完治の経過を取り、その後も慢性痛を主体とする症状が残る例。

事故後より6ヵ月経過時点でも痛みのある場合は、完治までの時間が他者より時間を要している状態ではありますが、基本的に事故後より1年ほどあれば大幅に痛みは改善している人が多いと思います。

通常はむち打ち損傷の痛みが強い場合など、入院での治療・外来通院での治療のどちらでも仕事をお休みしている人は多いと思います。
仕事を休んで治療を行うのですが痛みが完治していなくとも、ある程度軽減し仕事が出来そうな状態になってくると仕事復帰となると思います。

仕事を休んでいる時の1日の活動量(運動量ですね)は、事故前の元気に仕事をしていた1日の活動量と比較してみると大幅に身体的・精神的な負担は少なく、身体的・精神的な疲労も少ない状態です。

仕事を休んで治療している日々で順調に痛みが軽減してきた状態をイメージしてください。例えば事故後に痛みピーク時期の痛みが10(10が一番痛い、0は痛みが無いとすると)だったとします。治療と日数の経過により痛みの強さが3くらいまで軽減してきたので、後は仕事に復帰し治療を続けるとなると・・・

例えば、多くの人は仕事復帰してから週単位・月単位で3→2→1→0と痛みが順調に軽減していくと予測されがちですが、この様に順調には痛みは軽減しません。仕事復帰して3→6→4→5→3→1など痛みが一時的に増加したり減ったりなどすることが多いです。

患者様からは仕事復帰してから「徐々に痛みが強くなった」「痛みが酷くなった」などと仕事復帰前は治まっていた痛みが元に戻ったなどと訴えを聴くことは多いです。
仕事を休んでいる状態は頸部・肩などに生じた炎症などによる急性痛が強く、動作も行い難い状態(1日の活動量も減る)へと変化しています。単純に考えても安静を主体とした生活は痛みの無い健康な状態の人が同じ様な生活をすると当然の様に体力面などは落ちてしまいます。一般的に「体がなまる」という感じですね。

仕事復帰による一時的な痛み増強は、仕事復帰による身体的・精神的な疲労により首・肩などの炎症部位(事故により小さな組織損傷を起こした部位)が再度壊れたから炎症が増強し痛みが増強したという状態ではありません。

一時的な痛み増強としては?
@ 事故前に比べると体力的にも落ちており、同じ様な仕事量に対する耐久力が不足しているため倦怠感が強い疲労が早く出て、疲労(疲れやすい)により痛みのある筋肉もこわばりやすい。痛みの状態に対し仕事量が多すぎる。
A 痛みは完全に治っている状況じゃないため痛みのある筋肉を使用すると、痛みのある筋肉の筋力は低下していなくても、痛みのある筋肉(痛みの有る一部の筋)というものは弱い筋疲労で痛みが強くなりやすい。
B 職場復帰して痛みに対する自分の評価と周囲の評価のズレがあり同僚などの理解が少なく、痛みを訴えると「普通に歩く・動くなど出来ているのだから痛みが少ないのに大げさに言っている」という様な疑いの目を向けられる。

@は「体がなまった」状態であり仕事量に体力的に追いついていない状態、Aは痛みのある筋肉はちょっと使い過ぎた状態で簡単に痛みが出やすい状態、Bは痛みの苦悩を他者が理解できていないため精神的な負担がかかってくる状態。

事故後より6ヵ月経過時点というのは職場の環境などにより個人差はあるでしょうが、仕事復帰をされている人が多いと思います。
早期に仕事復帰をしなくてはいけなかった人、ゆっくり休めてから仕事復帰できた人、違いはあれども仕事を休んで治療していた日々に比べると仕事復帰をした後は確実に身体的・精神的な疲労が増します。
痛みの強さは上下の波(痛みが強い日もあれば痛みの弱い日もある)がありながらも痛みの増悪をたまに繰り返しながら月単位で徐々に安定した痛み軽減に向かいます。

事故後より6ヵ月経過した状態の痛みの特徴としては、事故後の様に首を動かすと感じた強い鋭い急性痛は改善している状態の人が多いのですが、残っている人でも大幅に改善し首を動かした時に若干は気になるかな?程度だと思います。

事故後より痛みピーク期間にみられる慢性痛は疼く感じでベッドに横に(寝ていても)なっても起きていても、頭の置き所が無いと感じるような不快な疼く痛でしたが、6ヵ月経過での主な痛みはこれとは違う慢性痛であり、後頭部・首・肩辺りの広い範囲に感じる漠然とした筋肉の突っ張り感やこわばり感だと思います。

この様に急性痛は順調に軽減し、事故後6ヵ月時点で慢性痛が主体となっているむち打ち損傷の痛みは、基本的に事故後より1年前後で完治に向かうこともあるので、過剰に心配する必要はないと考えられます。

 

※発症後より症状は軽かったが痛みが残る例。

事故後より1週間ほどの痛みピーク期でも急性痛は少なかったにも関わらず、6ヶ月を過ぎても首を動かすと違和感がある・首の辺りや肩辺りのこわばりの様な、痛みというか具合が悪いと言うか?何とも表現し難い鈍い痛みが残るという症状の人がいると思います。

上記の様な人では、事故後より1週間の間で首・肩辺りの局所に急性痛が発生した場合でも、首を動かした時の強い鋭い性質の痛みは一時的なものであり、数日あれば痛みは半減するほど早く改善がみられた人も多いと思います。

事故による急性痛は基本的には出ない、急性痛が出たとしても痛みは弱いレベルであり、痛みが半分以下のレベルに改善する期間も非常に早い。交通事故による組織損傷も弱いと判断される症状ですが、なぜか弱いレベルの慢性痛が長期間に渡り続いてしまう。

痛みは早急に軽減し回復は順調だったのに、若干の痛みが長期間残っている人の特徴は?
・ 事故前は肩こりなど全く感じたことが無かった、肩こりはあってもたま〜に少し凝る(ちょっとの凝りなので1〜2日で改善)かな?という程度。
・体を動かすことが好きでスポーツなどを楽しまれていた。

元々は肩こりや腰痛なども無く元気に運動などをされていた人で、元気でどうも無かったという人にむち打ち損傷による弱い慢性痛が長期間に渡り残ることが時々みられます。

長期間に渡り痛みが続いていると言うと?一般的なイメージとしては、事故の衝撃が酷かったため首や肩を強く傷害したから、または事故前より肩こりや腰痛があった人(以前より体の状態が悪い人)で、事故によりさらに肩・腰などを酷く傷めたりして痛みが強くなり続いているのかな?
・・・という考えに繋がるのは一般的なイメージとして分かる気がします。

元々は元気で肩こり・腰痛も無かった、運動もしていて元気だった人(趣味で運動をしていない人でも痛み・コリが元々無い人も含みます)が、早急に大幅に痛みは軽減したのに、なぜか弱い痛みが残っている状態が6ヵ月以上も続いているのか?

6ヵ月以上に渡り残る痛みの特長としては?
@ 事故後より1週間以内の痛みピーク時に首や手を動かした時に感じる局所の急性痛と同じ場所に、弱い痛みやこわばりなどの違和感が残る。
A 事故後に感じていた痛みの場所と違う部位に痛みやこわばりなどの違和感がある。
B 事故後には「ここが痛い」と多少は分かりやすかったが、今は漠然と広い範囲に痛みやこわばりなどの違和感が残る。

@ABとも痛みやこりの感じ方としては個人差があるのですが、慢性痛としての性質や強さには基本的な大きな違いは無いです。
痛み原因部位の違いとしては@とAの違いはありますが、Bについては@とAのどちらかの痛み部位が原因であり、@Aが慢性化しBの広範囲に感じる痛みになっている状況と考えられます。

元々は元気で筋肉のコリや痛みを感じることはほとんどなかった人が6ヵ月以上に渡り弱い慢性痛を感じていることが多いのですが、基本的に肩こりを感じていない人でも、肩の筋肉には筋硬結(一般的なシコリなどと表現される硬い塊)が出来ている人は多いです。

交通事故前は自覚症状としての筋肉のこり・痛みなどは無いのですが、あくまでも本人がこりや痛みを感じていない(脳が気付いていない)だけであって、肩こりの原因となる筋硬結は存在していることが多いです。痛みやコリとして気付いていないのですが、コリや痛みに気付いていてもいなくても弱いレベルの痛み刺激は脳へは送られていると考えられます。

交通事故を起点にし、安静期間による軽度の廃用症候群と考えられる首・肩辺りの筋力低下や、炎症の持続による一定期間のスパズムの持続による筋緊張の増加(筋肉が硬くなる)や、事故による痛みによりまだ意識されていなかったコリ・痛みに気付いた状態など、長期間に渡り残る慢性痛の原因はいろいろ推測されますし、原因も重複していることも予想されます。

事故前は肩こり・痛みなど基本的に無縁の世界で生活されていたこともあり、普段から慢性痛としての肩こりなどを感じて生活している人に比べると、弱いレベルでの肩こりなどの慢性痛も非常に気になりやすい(弱いレベルのコリ・痛みに敏感になりやすい)という原因もあるかもしれません。

これらの要因が原因でないかと考えられる理由としては、本人が首・肩辺りの筋肉を圧迫されると痛みが出る場所が存在しており、圧迫されることで痛みがハッキリわかり「そこが痛みの原因だったのか」と気付かれることが多いからです。

本人が自覚出来ていなかった筋肉の痛み部位を調整すると慢性痛を安定的に軽減出来る事が多いため、事故による筋損傷が発生した部位に炎症が持続し、6ヵ月以上も痛みが持続しているという可能性は低い。

事故に関係なく元々あった筋硬結からの痛み情報を、事故を起点(引き金になった)として意識されていなかったレベルの痛みやコリを感じるようになったという原因。事故による一部の筋の硬さが増したままで筋緊張が高い状態で維持されたままとなり、筋の硬さが安定して低下していないことから長期間に渡り弱いレベルの慢性痛が持続しているという原因。この2つが慢性痛への影響は強いと考えられます。

スポーツが趣味であったり、慢性痛が元々無い人では筋肉の状態が基本的に良いため、肩こり腰痛の目立つ人に比べると筋肉内の痛み部位を探すのは難しく、筋肉内の痛みを出している部位を上手く探せていない(問題筋に適切に対処出来ていない)ということが痛み軽減を安定させられていない原因に繋がっていることも多いと思います。

事故直後の痛みは軽度で早急に改善していったにも関わらず、6ヵ月以上に渡り慢性痛が持続している人は、スポーツが趣味、運動はあまり苦にならないのでウォーキングやダンスなど体を動かす趣味や健康維持のための自主的な取り組みをされていた人が多い印象があります。

運動好きなために、この軽度の慢性痛への対策として運動で体を鍛えて治すという発想でリハビリを取り組んでいる人が多く、体力さえ上がれば(筋肉が太くなる・持久力が増せばという単純な発想)痛みは軽減するというイメージが強い様です。

首・肩辺りに痛み部位を含む筋肉の硬さ(筋緊張の軽減)を下げる取り組みをしながら運動を続けないと、運動量や内容によっては筋肉をこわばらせる結果に繋がっていることもあります。運動はやり方によっては痛みを増す原因になってしまうのですね。

リハビリとしての取り組み方の間違いによる慢性痛の持続ということが多いようで、基本的には対策を適切な方向へ修正できれば大幅な痛み軽減が可能であり安定傾向へ向かうことが多いです。首・肩辺りの筋肉の状態としては、さほど深刻なものと考える必要は無いと思います。

急性痛を慢性痛へ移行させない!
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むち打ち損傷の基本的な発生を再確認してみましょう。
交通事故により車の衝突により首が前後や左右(衝突方向により違う)などに大きく揺さぶられることにより、頸部から肩辺りの筋肉・靭帯などに引き伸ばされる負荷がかかることで筋肉に損傷を発生させます。

筋損傷の発生する大きさ(局所の炎症発生範囲:炎症が目立たない場合は痛みの敏感な部位の大きさ)と痛みの強さは一部比例する傾向にありますが、痛みが長引く期間や慢性痛に移行することに対しては単純に組織損傷の大きさだけの理由ではないです。

筋損傷が発生した部位は炎症が生じるので、赤く・熱を持ち・腫れ・痛みが発生していると思います。むち打ち損傷の酷いものでは首・肩の局所に明らかな炎症症状が見られます。しかし、炎症症状は表面筋などで発生していると視覚的に判断しやすく目立つのですが、深部の筋や靭帯(軟部組織)などで発生していると表面からは視覚的に見分けが付かないと思います。むち打ち損傷の多くでは、皮膚などの表面まで炎症(局所の発赤・発熱)が目立つことは少ないことが多いです。

表面・深部かの違いはありますが、基本的に損傷した局所には炎症が発生し痛覚の過敏部位が出来ています。事故後から1週間ほどの期間で痛みピークに達していくのですが首の動作時や起き上がりなど首の筋肉に負担のかかる動作では、動作時に瞬間的に鋭い強い痛みが発生します。

これは皆さんが一度は経験されたことのあるであろうと考えられる痛みで、例としては捻挫した足首を動かす・体重をかけるなどの動作で出る痛み、虫歯で腫れた歯茎をツンツンと指で押すと感じる痛み、これら急性痛となんら違いはないのがむち打ち損傷の局所の状態で、炎症のある局所への刺激で原因部位がハッキリと自覚しやすい痛みが発生します。

むち打ち損傷では、炎症の発生している局所の痛み(首を動かすと感じる鋭い痛み)は炎症が軽減していかないと痛みは小さくなって行かないので、事故後より動作時痛が楽になっていく変化を感じられれば、それは局所の炎症が徐々に改善している指標となります。

むち打ち損傷により事故後から痛みピーク期間の炎症の強い時期は、炎症が痛みの主体ですから痛みを軽く感じさせるためには炎症を押さえ込む必用があります。痛み止めの薬剤(消炎鎮痛剤)が処方されるのは炎症の痛みを押さえ込むためですが、炎症が痛みの主体の時期に痛み止めを飲みすぎるのは体に良くないと思い込んでいる人などがなるべく飲まないで痛みを我慢し続けているということを・・・たまに見かけます。

むち打ち損傷により頸部や肩あたりの筋肉を損傷し炎症が生じます。炎症は壊れた組織を修復する仕事を行うのですが、損傷組織周囲の細胞や血液などから損傷した組織を治すためにいろんな物質が出されたり運ばれたりするので、炎症により局所症状として浮腫み・発赤・発熱などが生じています。

痛みは壊れた部分に体重などの負担が掛かったり、壊れた状態の筋肉などを使うことで炎症のある筋肉に力を入れたりするとさらに炎症部位が壊れる原因にもなります。痛みという信号を発生させることで損傷部位を治すために自分に対し安静を促している大切な信号となっています。

消炎鎮痛剤(痛み止めの薬)を飲むことで炎症により生じる痛みを発生させる物質の働きを一部抑制することで痛みを感じ難くさせるのですが、長期的な服用などを続けると副作用として胃があれるなどの反応が出てくる人もいます。

このため、副作用などによる影響が見られる場合は痛み止めを服用することを検討する必要はあるのですが、間違った思い込みで服用が必要な時期に痛み止めの薬を飲まないというのもおかしな話です。むちうち損傷による急性痛の時期は痛みを強く感じ続ける状態が毎日続くというのが問題であり、痛み止めの薬で痛みが一時的にも軽減するなら迷わず飲むべきでしょう。

毎日、長期間に渡り強い痛み・耐えがたい痛みにさらされていると、痛みにより睡眠不足・気分不良・イライラと怒りが続き感情のコントロールが難しくなる・痛みにより動けないため体力低下なども進む、様々な身体的な問題が発生してきて、脳が疲労しきってくるとうつ傾向やパニック発作の様な精神的な症状が出て来ることに繋がりやすくなっていきます。

精神的に追い込まれてくると、確実に今まで感じていた痛みの強さが基本的には同レベルであっても、精神的な落ち込みなどにより痛みを強く感じてしまう傾向や痛みを絶望的な観点で捕らえてしまうマイナス思考の強い状態などに繋がりやすくもなるでしょう。

痛みを長い期間に渡り感じ続けることが望ましくないので、医師の指導を受けて痛み止めの薬は正確に服用し脳へのストレスを減らす努力をしてください。

実際のむち打ち損傷の痛みで、飲み薬のみの治療で痛みが数日で安定するというのはある意味かなり軽い症状の人だと思います。極端に言えば病院に行かなくても良いレベルという感じであり、痛み止めの薬を飲まなくとも同じ程度の日数で痛みは安定した可能性は高いということです。

入院を必用とするレベルの強い痛みの人には内服薬のみでは厳しいのが現実です。

あくまでも服用する消炎鎮痛剤は血液により全身に送られるため、損傷局所に集中して投与されているのでは無いので、筋損傷部の痛みを抑制するには威力は小さなものとなります。

これに対して局所の筋損傷を起こしている炎症部位(痛覚過敏部位)へ限局して攻める沈痛としては、ペインクリニックなどで行なわれるトリガーポイント注射や損傷局所ではなく痛覚伝導路などを対象に攻める神経ブロックなどが効果を示します。

人間の体は表面から見ると皮膚→脂肪→筋肉と表面にあるものから深部にあるものまで組織が位置する深さの違いがあります。筋肉も表面にある筋肉や奥にある筋肉などの違いがあるので、むち打ち損傷での筋肉の損傷部位も表面の筋であったり深部の筋であったりします。

むち打ち損傷の人の体表面に発赤・発熱(炎症)などが目立っていて分かりやすいということは、実際には少ないことの方が多いです。
体表面を観察しても炎症が目立たない理由として考えられるのは2つ。
@ むち打ち損傷での軟部組織の破壊された範囲はかなり小さな範囲(炎症が小さな範囲)に過ぎないという可能性。
A @よりも深部の軟部組織に炎症があり表面には炎症が見られないという可能性。

むち打ち損傷による炎症範囲は捻挫・突き指に比べると狭いので、表面に近い筋肉に炎症があっても小さいと目立たないし、炎症が大きくても深部だと表面的には視覚的に目立たないのが普通です。

例として、首や肩辺りの痛みのある場所を指で押されると、押された部位は痛みが増強しますが、痛みの一番強いポイントの左右・上下など押される場所が多少変わると痛みが軽い・痛みが無いなど同じ圧力でも痛みの感じ方に大きな違いがあると思います。

患者様の首や肩辺りを観察し視覚的に評価する、指で押し圧迫刺激を加えてみて評価するなど、身体状況を検査しても痛みの出る範囲は10円玉の範囲とか500円玉の範囲(イメージしやすい様に例としてコインで表現)とか、痛みの出る範囲としての痛覚過敏部位の広さも個人により違いますが、局所的に限局された範囲のみに強い痛覚過敏部位が発生している場合が多いです。

また炎症と言っても皆さんが突き指や捻挫などをした時などは、赤く腫れて熱を持つという様に体表面からも目立つ広範囲の炎症が生じますが、むち打ち損傷ではその様な大きな目立つ炎症は首・肩辺りの痛みのある部位にもほぼ見られないため、捻挫や突き指に比べると炎症の起きている範囲はかなり小さな範囲というのが分かります。

事故後から痛みピーク期間は筋肉に炎症を起こしていると考えられる局所の痛みと、それを含む筋全体にも痛覚過敏部位が広がっているので、局所ほどの強い痛みではないですが筋肉全体にも鈍い痛みが感じられやすい状態になっています。

この様にむち打ち損傷では軟部組織の損傷を伴う小さな炎症が深部の筋・靭帯(軟部組織)に発生しているため、この炎症の生じている深さの筋肉(痛覚過敏を起こしている筋肉)に的確にトリガーポイント注射を打てれば痛みが軽減しやすいと考えられます。しかし、正確な場所・正確な深さにトリガーポイント注射で薬剤を入れるのは意外に難しい様です。

事故後より1〜2週間の痛みピーク期間、痛みピークから痛み部位が広がっている期間、この2つの期間は痛みが苦痛なため痛みを早く改善させたい、仕事が忙しく早く復帰しないといけないなど、早く痛みを減らすための焦りが付きまといます。

・トリガーポイント注射や神経ブロックなどを打つと治りが早まる?
・痛み止めの薬を飲んでいる治りが早まる?
・病院のリハビリや整骨院などの物理療法機器(温めなど)を毎日受けると治りが早まる?
・リハビリ・マッサージ・カイロなど徒手技術を受けると治りが早まる?

身体症状の差にはよりますが、上記の治療が対応できる状況であれば・・・
あくまでも痛みを一時的に押さえ込むということは可能ですが、むち打ち損傷による炎症部位の組織修復を早めるということは出来ません。

上記の様にむち打ち損傷は基本的に炎症が主体の痛みですから、炎症の沈静化は体が刻々と自動的に行っている修復作業の結果のため、この組織修復を早めるための方法は基本的に無いのが現実です。組織修復の速度を上げるというのは、あくまでも個人がコントロール出来ない領域のことであり、炎症の治まるまでの期間は修復力などの個人差としての違いですから改善までの個人差があるのも当然だと思います。

事故後より1〜2週間のピーク期間は炎症が主体のために、くどいくらい繰り返し言っていますが、痛みを感じ過ぎている時間を減らすことが重要なので、痛み止めの薬を間違った知識でぜったい飲まないという判断をしない、医師の処方内容に対し自己判断で多く飲みすぎたり少なく飲んだりなど勝手な変更をしない。

患者の勝手な素人判断による薬の服用量の調整は禁忌です。

事故後より1〜2週間の痛みピーク期間は炎症が主体ですが、筋肉の小さな損傷を伴っているということは痛み刺激により防御性の収縮が生じてきます。
炎症のある局所の痛み神経から信号が脊髄や脳へ送られることで、炎症のある筋肉やその周辺の筋肉などが徐々に突っ張って硬さが増す(筋緊張の増加:スパズムの増加などと言います)という反応が出ます。

痛みピーク期のむち打ち損傷の痛みの原因としては局所の炎症が主体ですが、炎症のある局所のみの痛みだけではなく、炎症を含む筋肉の緊張増加(スパズム)、その周囲の筋肉も緊張を増加させてくることが原因の一つに加わっています。多くのむち打ち損傷では筋肉の緊張増加に伴う痛みが、炎症を主体とする急性痛に合併していることが多いということを基本として理解してください。

首などに負担が掛かる姿勢や頸部の屈伸・回旋など、動作を行った時の急性痛は局所の炎症ですが、頭痛・首から肩辺りの重だるいなどの疼く鈍い痛みの慢性痛は筋肉の緊張増加が影響していることが多いです。一般的に肩こりの人が言う筋肉のこわばりがあるという状態に近いとイメージしてください。

ただ、この筋肉のこわばりを考えると、むち打ち損傷の痛みピーク期から1〜2ヵ月程度の期間(痛みが広がっている時期まで含む)の状態と、慢性的な肩こりが何年も続いている人の筋肉の状態とは基本的には違うので単純に「揉み解せばいい」「ストレッチで伸ばしてほぐせばいい」という簡単なものではありません。

むち打ち損傷による事故後から1〜2週間程度の痛みピーク期間の筋肉のこわばりは一時的な筋緊張増加であり、例としては運動しない人が運動会や会社のレクレーションなどでスポーツをした翌日に筋肉痛が出ると思いますが、この時に筋肉の炎症と筋肉の突っ張り感(筋肉の緊張増加:スパズム)があると思います。

この筋肉痛による一時的な筋肉のこわばりがむち打ち損傷の事故後から痛みピーク時期の筋肉の緊張増加に近いという感じです。これに対して、慢性的な肩こりが何年も持続している人の筋肉を触るとカチコチに硬くなっている人が多いと思います。農業をされていた高齢者の肩などを揉むと・・・こちらの指が折れそうなくらい硬い人もいます。

筋肉は基本的に弾力性と伸張性のある柔らかい軟式のテニスボールの様な性質が良い状態なのですが、慢性的な肩こりの筋肉は水分の無くなったカチカチの粘土の様に伸びもしない、押しても凹みもしないという硬い性質に変化してきています。

例えば、通常の状態の筋肉を軟式テニスボールとしましょう。むち打ち損傷により一時的に緊張が増加した筋肉は軟式テニスボールに最大の空気を入れてパンパンにした感じです。パンパンになっているので摘んでも伸ばしても適度な空気の入っているボールに比べると凹みもし難いし両手で摘んで引っ張っても伸び難いという感じです。

しかし、ボールの表面から触った感じは基本的なゴムの柔らかさがあり、通常の状態だとこんな感じの柔らかさがありそうだなと予測できる感触だと思います。あくまでも基本的な柔らかさがある状態から、これ空気入れすぎじゃない?(空気入れ過ぎて突っ張っているよ)という変化とイメージされると理解しやすいかと思います。

これに対し慢性的な肩こりの人などでは、一時的な突っ張り増加というよりも基本的に筋肉の硬さが増しているので、筋肉の性質事態が変化しているということです。軟式テニスボールではなく硬式テニスボールが基本になっているというイメージです。もちろんむち打ちによる炎症が原因で硬式テニスボールも空気を入れてさらに突っ張った状態に向かいますが突っ張った感じの影響は軟式テニスボールの状態とは大きく違ってきます。

筋肉のこわばりと言っても、むち打ち損傷の首・肩あたりの筋肉の緊張増加は局所炎症による防御性の収縮が持続している状態のため、基本的には肩こりの様なカチカチの筋肉ではないです。防御性の反応として起きている一時的なこわばりのある筋肉であり、この筋肉を下手にマッサージやストレッチで伸ばすと、筋肉への負荷が大き過ぎると炎症を増強させる結果となり、痛みがさらに大きく増強する可能性もあります。

急性痛の要因が大きいのに、病院で薬の処方を受けて1週間ほどしても痛みが減らないから近くの整骨院や整体・マッサージ・カイロなどに行き、徒手技術で触っては行けない状態のものに施術をしてしまい・・・結果的に痛みが増強し病院に再度駆け込むということになることはありますが、こういう理由で痛みが増加しているのですね。

急性痛に対して上記の様に民間療法の施術を受けて痛みが増強し病院に翌日駆け込む人って、どこの整形外科の外来などでも時々あることです。むち打ち損傷よりもぎっくり腰などではこういう事はもっと多くて、酷い人になると民間療法による徒手技術を受けて痛みが増し歩けなくなり救急車で運ばれて来ることもあるのですから。

ここは一つ常識として記憶していただきたいのですが、本当に難しい痛みの強い症例は病院で治療を受けています。民間療法の施術をゴットハンドなどと表現する本などが小さな出版社などから出されているものが書店の健康関連コーナーに多数ありますが、民間療法技術は簡単な症例に対してのみ効果が出せるのであり難しい症例には歯が立ちません。痛みを専門に高度な治療を展開されている病院での治療効果とは比べ物になりませんので、整骨院・カイロ・整体・その他・これらの技術には間違ってもゴットハンドが存在するという誤解が無い様にお願いします。

話を戻し、局所炎症を含む筋肉は痛覚過敏状態となっています。これは、炎症により今までより痛みを敏感に感じ取れる状態になっているので、炎症を含む筋肉全体がむち打ち損傷前まではどうも無かった負荷が加わっても痛みを感じやすくなっているということです。

例えばベッドから起き上がったり、歩いたり、炊事・洗濯などの家事を行う動作、仕事でPCを使うなど、あらゆる動作では首の筋肉を使用していますが、この時に首の筋肉は引っ張られていたり、力を入れて短くなっていたり、力を入れてその位置を保っていたりと、頭部の位置を制御(頭部を首の力で支えている)することに必ず使われています。

動作における首への負担というのは痛みが発生(炎症がない)していない状態のため何とも無く当たり前の様に出来ていたのですが、むち打ち損傷による痛みによりそれらの多くの動作の負担に対して痛みを誘発させないで行える状態ではなくなってきます。いろんな動作で痛みが出ますが、炎症が原因であり筋力が落ちたから痛いのではありません。

痛覚過敏になっている筋肉へ揉んだり伸ばしたりなど、リハビリとしてマッサージ・ストレッチ・運動(ヨガ・ピラティスなどその他)などを行うと、痛覚過敏になっている筋肉ですから伸ばす刺激、圧迫される刺激、運動により力を入れて筋肉を縮ませたり、筋肉に体重などの負荷が加わるなど、通常は痛みの発生しないレベルの刺激でも簡単に痛みが発生しやすいですし痛みも増強させられます。

事故後から1〜2週間の痛みピーク期間で炎症の要因が大きい場合は、特にマッサージ・ストレッチ・運動などの筋肉への直接的なアプローチでは痛みを増強させることが多く、痛み軽減効果は弱いです。

筋肉の反応を的確に評価しながらアプローチできる人であれば、この時期でもマッサージ・ストレッチで痛み軽減をある程度は出せるのですが、上手く効果を出せても1日も鎮痛効果は持たないので、翌日に痛みが増強するリスクを負ってまで局所炎症を起こしている筋肉を中心にアプローチしマッサージやストレッチなどを行う必要はないと思います。

あくまでもリハビリとしてのマッサージ・ストレッチ・運動などは、リラクゼーション程度の目的で軽度の摩擦・圧迫・伸張刺激で対応し、痛みを一時的に軽く感じるために表面筋を軽くゆるめるという対応が一番効果的となります。

東洋医学的な鍼治療は鍼刺激により筋肉をゆるめることが可能です。注射器の針より細い鍼を使用するので刺す時の痛みは小さく、直接筋肉に刺すので直接的に筋肉へアプローチするのですがマッサージやストレッチなどに比べると筋肉の面に対応(筋肉の広い範囲を押したり伸ばしたりする刺激を入れる)するというよりも点(鍼を刺している部分の範囲)で攻めるため筋への直接的な刺激を入れる範囲は極端に小さく、痛覚過敏のある筋肉への負担は少ない範囲に止まります。

事故後より1〜2週間の痛みピーク期間から痛みの広がりのある時期(事故後から1ヶ月前後)までは、マッサージ・ストレッチなどより鍼治療は痛み軽減効果が期待できると思います。しかし、鍼治療はあくまでも炎症局所へ薬剤を入れることが出来ないので、炎症要因の強い痛み(筋肉のこわばりの影響が弱い痛み)実施後に少し楽な感じが出る、一時的に楽な感じが1日持続するか?しないか?という効果で数日間も持続することは無いのですが、翌日の痛み増加などは発生し難いのはメリットだと思います。

急性痛では鍼治療を繰り返し実施しながら1日の生活内で脳が痛みを感じない時間を増やすという方向に努力することに意味があります。痛みをある程度押さえ込める場合でも鍼で局所の炎症が早く改善して痛みが減っているということは無いので、この点は誤解が無い様にお願いします。

あくまでも鍼治療の効果としては、実施した日は1日の痛みを軽く感じられる時間帯が作れるという結果が出るのであれば、急性痛の間は数日に1回でも打ち続けて痛みの軽減(炎症の改善)を待ち、痛み軽減(事故後より痛みピーク時期の終了まで)に合わせて鍼治療を減らすのは悪いことでは無いと思います。

トリガーポイント注射や神経ブロックなど、問題部位(痛覚過敏の筋肉)へ正確に打てる麻酔医の先生(内科・整形外科医でも上手な先生はいます)が行う注射による痛み軽減効果と比べると、これらの注射を実施している人には鍼治療の効果は弱いので必要性は無いです。

しかし、下手な医師による的の外れている注射による治療では痛み軽減効果が少ないため、これらの注射が上手な医師(全国的に極めて少ない)が近くにいない場合は鍼治療の上手い人がよほど的確に問題筋をゆるませることが出来ると思いますので、鍼治療がお勧めとなります。

鍼を何度も打つことで炎症の組織修復が早くなるなどの改善は基本的にありません、このため2〜3回実施して痛み軽減効果が自覚出来なければ、的が外れているから効果が無いのか、鍼で痛み軽減効果を出せる身体状態(局所の炎症状態が強い)ではないのか、という判断が必要です。

鍼をした後に痛み軽減効果を実感できないのに、鍼を何回も毎週打ち続けていくことで痛み軽減効果が増強していくということはありません。何週間も何度も打ち続けて痛みが少しずつ減ってくるという場合に効果があると考えるためには、あくまでも鍼を行ったその日は痛み軽減効果を自覚できるということが最低条件です。

鍼治療をした日に自覚できる痛み軽減効果もなく打ち続けて数週間〜数ヵ月後に痛みが治まるという結果は?
!それは間違いなく自然治癒ですから鍼治療の意味は無かったと判断されるべきでしょう。

むち打ち損傷の急性痛の時期に鍼治療はお勧めしますが、2〜3回実施してみて効果なければそこで終了するのが冷静な判断ということです。

鍼治療のメリットorデメリットとしては、むち打ち損傷の急性期(事故後から1ヶ月程度)の間は痛み軽減の効果が期待できますが、それ以上の期間が経過(数か月)して慢性痛が主体になると痛み軽減効果が弱くなり効果が薄くなります。

むち打ち損傷の事故後の痛みピーク時期・痛みが広がる時期も終わってくると、慢性痛が主体の段階に入っているので筋肉の痛覚過敏状態が安定してきて、一定領域の筋肉のこわばりが残ったままになっている場合や筋肉の硬さなどは通常の肩こりの硬い筋肉に近い状態へ変化してくる場合などがあります。
急性痛から慢性痛へ移行し始めると、リハビリ(マッサージ・ストレッチ・運動など総合的な取り組み)が鍼治療よりも明らかに効果を示します。

元々の状態として、事故前より頑固な肩こり・腰痛・背部痛などのある人は基本的に筋肉がガチガチに硬い人が多いので、こういう人は特に筋肉は直接的な刺激による筋線維への圧力を入れないとほぐれてきません。例えば肩の筋肉がすごく硬い人では、片方の肩のみでも本格的に深部の筋肉までほぐしていこうと対応すると1時間は必要な場合が多いです。

このため、通常のマッサージなどでは深部の筋肉までほぐれることなどありません。むち打ち損傷で数ヶ月経ても鈍く重い感じの慢性痛が主体として持続している人は深部筋のトリガーポイントが残ったままとなっていることが多く、自分でもどの筋のどの辺りが痛みの原因になっているという正確な場所を自覚すら出来ていない人も多いです。

また、深部の筋肉までマッサージでほぐせるのか?と考えると、どんなに強く圧迫してもマッサージで触れる筋肉の深さには限界があります。マッサージでは効果を示せない部位などに対して、ストレッチで伸ばしてほぐす、運動で適度に疲労させてほぐすなど、マッサージ以外の技術がより効果を示すこともあります。

徒手技術や鍼だけを何度繰り返し受けても効果には限界があるので、慢性痛は炎症が沈静化してきている状態であり徒手技術以外のアプローチが重要となって来ます。慢性痛のリハビリを的確に行える理学・作業療法士による対応や自己努力による生活内での取り組み(エクササイズ)などが大きな効果を示してくるのです。

事故後から1〜2週間の痛みピーク時期は炎症が痛みの主体であると説明してきました。この時期の取り組みとしてはトリガーポイント注射・ブロック注射などでの鎮痛の繰り返しと痛み止めの服用が基本的な治療です。
医療の注射と服薬による治療以外の2番手の補助治療としては鍼治療が有効です。

事故後より1〜2週間の痛みピーク時期は、リハビリは注射や鍼の様に鎮痛としての効果は弱く、この時期では補助的な役割ですが、痛みの出難い動きを工夫したり、痛みについての指導を受けたり、痛みがある中でも適切な効果のある運動内容・運動量の指導を受け、1日の生活の流れを維持するという総合的なサポートとしては非常に重要な役割となります。

痛みに対するリハビリを真面目に勉強している理学・作業療法士は痛みについての生理学を理解し、痛みに対する徒手技術や運動療法の限界と効果の出せる範囲を冷静な視点でわきまえていますので、皆さんの力となれるでしょう。

ちなみに理学・作業療法士であれ民間療法のなんであれ、自信満々にこの技術じゃないと治らないとか、何回で治しますなどといっている技術者は?ここまで読まれている人なら分かりますよね。勉強不足の素人ですから、そんな危険な人に自分の体を預けないでください。

むち打ち損傷で受診しても、ペインクリニックの医師によりトリガーポイント注射を選択する医師、ブロック注射を選択する医師に分かれると思います。症状により使い分けるのはあるのですが、同じ人を診察して注射をするという場合でも2人の医師が違う注射を選択する場合があるということです。

これは医師の考え方による違いであり、どの注射を重視しているかという違いでもあります。この2つの注射は効果を示す場所と理論が違うので全くの別物です。むち打ち損傷にはどちらの注射がより効果があるという論争は医師の間でもあります。私は理学療法士であり専門外ですから、どちらの注射が望ましいと意見する立場ではありません。

基本的には急性痛はなるべく本人が1日に感じる時間を減らし、通常の生活内の活動量(体力が落ちない範囲・昼夜逆転しない範囲)を維持しながら炎症が自然に落ち着くのを待つというのが大原則です。どちらの注射を重視するかというのは医師の治療理論の論争としては重要ですが、患者としては痛み軽減効果があればどちらでもOKですので、鎮痛効果のあるものを利用し痛みを抑えることを最優先にされると良いと思います。

あくまでも、事故後より1〜2週間の痛みピーク時期は注射と服薬での鎮痛が主体で展開されるべきであるので、むち打ち損傷では初診で整形外科を受診する人は多いと思います。事故後より痛みが強いのに服薬と湿布程度で対応され、事故後より1〜2週間も痛みが強いままで経過しているなら、早く整形外科は止めて上記の注射を上手く打ってくれるペインクリニックか他の整形外科を受診されるべきだと思います。

ここまでの説明は、むち打ち損傷で痛みが強く病院への入院が必要、もしくは入院の一歩手前というレベルの痛みの強い人達(難しい症例)を基本的に想定した治療の進め方の話でしたので、間違っても民間療法で対応できる簡単な痛みを対象にした話ではないです。
痛みの強い人は上記の内容を参考にして頂ければ幸いです。

急性痛を慢性痛へ移行させない!
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ここからは事故後に病院で処方された痛み止めを数日飲んだが痛みは減らなかったけど、リハビリ・鍼・その他の民間療法などを受けたら比較的に早く痛みが改善した人について考えてみましょう。

こういう結果をもって徒手技術の技術者をゴットハンドと称する意味不明な本や雑誌を見ますが?
本当なのでしょうか?
私は嘘だと言い切ります。簡単に同じ程度の痛み軽減効果は出せますし、何も難しいことでは無いのですから。

私はリハビリで改善した、カイロ・オステオパシー・整体などで改善した、鍼で改善したなど、事故後に痛みが比較的には強く出ていたけど、これらの技術を数回(早い場合は1〜2回)ほど受けると痛みが軽減し始めたという結果が出た人もいると思います。

むち打ち損傷は首〜肩辺りの軟部組織の炎症を主体とする痛みなので、炎症の要因が強い痛みは上記の様な技術では効果が弱いという説明をしてきました。理由として何が考えられるのでしょう。

むち打ち損傷で発生す痛みの原因としては?
@ 筋肉や靭帯(軟部組織)などの炎症主体の痛み
A 炎症(小さな炎症)に伴う筋肉の緊張増加(こわばりの増加)による筋肉の痛みの合併
単純に大きく分ければこの2つが原因なのですが、Aの要因の場合はリハビリやその他の民間療法などの徒手技術で、筋肉を緩めると痛みが大幅に軽減することが可能な場合があるのです。

むち打ち損傷で感じている痛みの原因が@ではなくAの要因が主体であるものは@に比べると炎症の影響が小さいので一定量の痛み軽減はある意味で簡単ということになります。

ただし、@の炎症が順調に改善すれば事故後から痛みピーク時期の痛みは強くとも、炎症改善に伴い順調に痛みが減ると、慢性化しないので@であっても簡単な場合もあります。逆にAの場合は最初に大幅な痛み軽減が早期より達成できても、ずるずると弱い痛みが残り慢性化してしまうこともあるので、必ずしも@よりAが必ず簡単に早く治る(痛みを感じなくなるまでの期間)ということは無いです。
あくまでも、@よりAは一定領域の痛み軽減効果(痛みを0には出来ませんが、ある程度減らすことが可能)を出すのが簡単という意味ですね。

Aは炎症の痛みに合わさり筋肉のこわばりが主体となっている場合であり、事故後は痛みが無かった、痛みがあっても小さな違和感がある程度だったのに徐々に痛みが増して来た状態に多い。事故当日から痛みが増強してくるまでは病院受診が必要と考えないレベルの痛みだったという場合が多いと思います。

事故の日や事故から数日間はどうも無かったという状態で、ジワジワと痛みが増してきて1〜2週間かけて徐々に痛みが強くなり事故後より1〜2週間して痛みがピークになり初めて病院受診をする人などが時々います。一般的にむち打ちの痛みは後から来ると言われる状態ですね。

痛みが遅れて増強してくる人は、炎症の影響は多少なりとも事故直後より存在しているのですが、首を動かす時などの急性痛の自覚症状が少ないため事故直後の数日は問題ないと判断されていることが多く、徐々に首の違和感などが増して筋肉のこわばりによる痛みが時間経過と共に増強(日が経つにつれてこわばりが増してくる)し強い痛みを自覚されて来ることが多いようです。

むち打ち損傷のこわばりの主体とした慢性痛の症状としては・・・

慢性痛は動作時痛が主体の針で刺すようなチクチクした痛みでなく、鈍く疼く慢性痛として首や肩の深部の方からズーンと地響きの様に響いてくる様な広範囲に感じる鈍い痛み、痛みというか?きつい?と表現する方が適切というか、鈍い痛みにより起きていても寝ていても頭の置き所が無い様な感じです。どんな姿勢をしても長時間に渡り苦しく辛いと感じやすいでしょう。

上記の慢性痛の症状に合わせて首や肩辺りの筋肉の突っ張り感もあるのですが、通常の肩こりの状態とは違うのは、肩が凝っている鈍い痛みで辛いと感じる症状が主体として在りますが、それに合わせて鈍い痛みの頭痛・軽いめまいに近い感じの揺れる様な違和感・ボーとして集中力が不足する・瞼をしっかり開くのが辛い・全身の倦怠感・吐き気など、こういう不定愁訴に近い気分不良の一部が見られることが多いと思います。

小さな炎症に伴う筋肉の緊張増加(こわばりの増加)による慢性痛は、炎症局所への負担による強い鋭い急性痛の比率は少なく、鈍い痛みを広範囲に感じる慢性痛の方が大きな比率であるので、リハビリ・その他の民間療法による徒手技術などで的確に筋肉のこわばりを減らせれば、一定量の痛みを軽減するのは難しい(早期に痛み0まで減らすのは困難)ことではありません。

しかし、あくまでも局所の小さな炎症は持続しているので、痛みを自覚しているか・していないかは関係なく組織修復には一定期間が必要です。炎症が安定してくるまでは徒手技術で筋肉のこわばりを一時的に減らしても、時間経過とともに筋肉のこわばりと一定領域の痛みは必ず戻るはずです。

むち打ち損傷の事故後から1〜2週間の痛みピーク期間にリハビリ・鍼・民間療法を実施しても、その時は楽になるけどすぐに戻るということを言われる人が多いのは炎症が持続しているためです。炎症の影響が大きいほど、一時的に安定させた痛みやこわばりの戻る速度は早くなります。

これらの徒手技術で組織修復が出来るか?炎症を小さく出来るか?
まず不可能です。むち打ち損傷で生じた痛みの原因(炎症部位)を治す(修復)ことは出来ないからです。

筋肉のこわばりに対してマッサージ・ストレッチ・関節を動かす徒手技術を利用し、こわばりを一時的に安定させ、痛みも軽減させ1日の中で痛みを感じる時間帯を少なくし、1日の中で痛みから少しでも解放され楽に過ごせる時間を増やす。痛みが元に戻ってくれば筋肉をほぐす技術を繰り返し実施して痛みを抑制する。

徒手技術の目的としては、痛みをなるべく感じない時間帯を増やし維持しながら、炎症が日々軽減していくのを待ちながら、炎症が沈静化した結果としてこわばりも増加しない状態に安定するまで脳へのストレスを減らす処置を継続しているという対処療法というイメージで理解していただきたいと思います。

徒手技術は対処療法の範囲ですが、筋肉のこわばりが影響している痛みでは、脳へのストレスを減らすためには大切な取り組みであるのも事実です。

あくまでも慢性痛が主体の筋肉のこわばりによる痛みに対し、病院の治療として痛み止めの薬の服用・湿布・物理療法(温めるなど)などのみで対応していた治療が間違っていただけであり、慢性痛への医師による治療とリハビリ(慢性痛治療を得意とするPT・OTによるリハ)を合わせていれば高い鎮痛効果が期待できるはずです。

むち打ち損傷で軽い痛みを訴えている人でも、湿布や痛み止めの服用のみの治療で大した事無いだろうと甘く見ずに、慢性痛への移行を抑制するための早い時期からの的確な取り組み(筋肉に対しての治療)が求められる時代に入ってきたと思います。

徒手技術は対処療法として必要な範囲で使用することは効果的ですが、むち打ち損傷の慢性痛が主体の人では首の筋肉を毎日ほぐせば早く痛みが治るとか、毎日ほぐさないと1日おきにほぐさないといけない、こんな説明で繰り返し来店するよう勧める悪徳な民間療法のお店があると思いますが・・・本当でしょうか?

小さな炎症に合併している筋肉のこわばりによる痛みであっても、炎症が痛みへ影響している割合がどの程度大きいかがポイントです。炎症局所の炎症の沈静化が進まないと痛みが減らないものに対しては、徒手技術を使用しても1日も効果が維持できないことも多く、この場合はすぐに筋肉のこわばりも戻るので、あくまでも痛み軽減を加速させるというイメージなら毎日やるのは意味がありません。

また、炎症を含む筋肉への刺激を入れ過ぎると痛みの出る筋肉を逆に痛覚過敏にしてしまう恐れもあるので、問題のある筋を触り過ぎない方が良いことも多々あります。徒手技術を使うなら、週1回(多くても週2回)くらいの実施で十分だと考えられます。

炎症は小さいと予想され筋肉のこわばりによる影響が大きいと考えられる痛みでも、炎症がやや強い影響をおよぼしている場合は、一時的な鎮痛効果ではありますが楽に感じる時間を増やす、痛みが我慢出来る範囲での可能な運動内容の試行錯誤(適度な疲労による夜間の睡眠を取りやすくするためなど)を行う、普段感じる痛みをどう理解し解釈するのか(痛みを全て恐れない様に痛みについての指導を受ける)など、理学療法士によるリハビリは最低でも1単位20分(マンツーマンの対応)で構成されていますので、事故後から半年(病院での治療を継続している間)くらいは医療機関でのリハビリとして保険治療(安い料金で効果的な対応を継続して受けることが可能)を受けることをお勧めします。

炎症要因が比較的に強い痛み(完治まで3〜6か月かかる人)であれば、どんなに有名な整骨院・カイロ・整体であっても慢性痛を勉強している理学療法士のリハビリ以上の効果は出せません。炎症の影響が大きい時期なのですから、基本的に徒手技術の効果は小さな時期ですから当然ですね。

一般的に多くの人はカイロや整体というと?関節を動かしポキポキと鳴らす様な徒手技術をイメージされる人は多いのではないでしょうか?
リハビリ分野(正確には理学療法・作業療法ですが)でもこの技術に近い形で関節を動かす技術はあります。

これら関節を動かす技術のメリット・デメリットを説明しておきましょう。

皆さんの周りのご友人や知人など見渡して頂くと、「腰をクィッと動かすとポキッとなってその後スッーと楽になる」「首を動かしてクツッと言うとスッキリする」など、腰や首など自分で体を捻ったり、大きく曲げ伸ばしするなど、関節の動きに合わせて音がしその後スッキリして体が動かしやすくなり、こわばりが一時的に減るという表現をされる人がいると思います。

これは関節を動かす徒手技術を行っているのと原理的には変わりはありません。自分で自然と覚えた徒手技術という感じですね。

整体・カイロ・理学・作業療法士など、分野により関節の動かす方法などの違いが多少ありますが、やり方が違うだけで目的とする効果は同じものとなります。

関節を動かす技術では動かされる関節近くの筋肉が緩むという反応(あくまでも触察すると緩んでいる様な軽い筋緊張低下がみられる)が出ます。
マッサージは手のひらや指などで直接筋肉に圧刺激を加え押している局所の筋肉を緩ませます(ほぐれる)。ストレッチは筋肉を左右・上下など引っ張る刺激を入れ、その後に筋肉が全体的に緩みます。関節を動かす技術は直接的に筋肉を触らないで関節の動きにより筋肉が緩むので、どちらかと言うとストレッチの効果に近いです。

関節を動かす技術は、元々あまり肩こりなども無く基本的に筋肉が硬い状態ではない人で、炎症の要因が小さくこわばりが主体で痛みを出しているという場合の事故後1ヵ月前後くらいの時期では効果が出やすい可能性があります。

元々肩こりなど無く筋肉の状態が良い人はマッサージなどによる強い筋肉への直接刺激では、指圧による圧力では押している場所の筋は全体的に細胞の破壊が多少おきるので、痛み神経も細胞破壊に対し敏感に痛みを感知しやすいので、翌日などに揉み返しなどが出やすいことが多いです。

こういう揉み返しが出やすい状態の人には、関節を動かす技術で直接筋肉を触らないで緩めるというのは効果的ですね。急性期治療では一番効果的であるトリガーポイント注射・ブロック注射や鍼治療ほどの高い効果はありませんが、身体状況によってはマッサージ・ストレッチ・運動(体操など含め)よりは効果を示す可能性もあるということです。

急性期は注射や鍼が効果を示しやすい。慢性期はリハビリや自主的なエクササイズなどが効果的。大きく分けてこれら2つの中間くらいの時期に使用すると良い技術の位置付けだと理解してください。

ストレッチは筋肉を引き伸ばす伸張刺激・マッサージによる筋肉局所を圧迫する刺激に比べると関節を動かす技術は筋肉を緩ませる威力は弱いので、事故前より肩こりなどがあり筋肉が基本的に硬い人、または事故後より2〜3ヵ月経過して慢性痛の残る人(筋肉の問題が主になってきている時期)などでは、関節を動かす技術では筋肉をほぐすための刺激が弱いため痛み軽減効果は大幅に小さくなってしまいます。

慢性痛が主体の痛みの場合でも身体状況の違いによって、徒手技術による対処療法も効果的な時期や効果的な方法の違いが出ることを理解しておいてください。

炎症の要因が少なく筋肉のこわばりが痛みの要因として大きい場合は、炎症による急性痛は少ないので消炎鎮痛剤の服用では痛み軽減効果は弱い傾向だと思います。全く効果が無いか短時間のみ多少効果を感じられるという結果だと思います。

慢性痛が主体の筋肉の痛みの要因が大きいものは痛み止めの薬の服用はいらないのでは?と感じますが、短時間でも鎮痛効果のある場合は有効に使うことで痛みを感じる時間帯を減らすのは脳へのストレス軽減に良いと考えられます。

慢性痛が主体の時期ですから安静を取らないと炎症の悪化につながるというわけではないので、痛み止めの薬を飲んで鎮痛効果が出てからも安静にするという発想は控え、痛み止めの薬を飲んで痛みが多少安定している状態が作れたら、痛みが軽い間に体を動かすなどリハビリをしたり普段通りの生活活動を行うなど、1日の活動量を落とし過ぎないという考えが大切です。

病院で行われる治療としては神経ブロックやトリガーポイント注射がありますが、炎症が小さく筋肉の緊張増加(筋肉の一時的なこわばり)による痛みでは、トリガーポイント注射の方が効果的なことが多いです。

強い肩こりなどが以前からあり肩・首の筋肉の硬化が強い人でなければ、2〜3回のトリガーポイント注射(正確な場所に打てれば)で大幅な痛み軽減と安定傾向に入る場合もあります。炎症部位近くの痛み神経からの信号が脊髄に送られ、反射的に炎症部位の筋肉やその周辺の筋肉の突っ張りを増加している信号が送り返されて一時的な筋緊張増加(一時的な筋肉の突っ張り増加)を作っているので、この反射のサイクルをトリガーポイント注射で抑制(一部の効果は鍼でも可能)することで大幅な痛み軽減に繋がることがあります。

@ トリガーポイント注射が大幅に鎮痛効果を示す場合、A一定領域の鎮痛効果(約7割前
後ほどの効果)を期待できますが一定領域の痛み(3割前後)は残ってしまうという場合、トリガーポイント注射の効果としてはこの2つの結果に分かれやすいと思いますが、痛みの残る傾向の人は首・肩の筋肉が硬い傾向の人に多いと思います。

慢性痛主体の筋肉の痛みについては、数か月間に渡り長期化して来るとトリガーポイント注射・鍼・リハビリ・民間療法などの徒手療法、どれを持ってしても一定領域までの痛み軽減は可能ですが0になることは少ないです。

個人差はありますが可能な範囲で痛みを0に近づける、痛みの軽減した状態が維持出来ている期間を延ばす、というイメージが大切です。痛み軽減の安定した状態はエクサイサイズなど個人の自主的な取り組み(リハビリ)が継続されないと、可能な範囲の痛み軽減効果まで達成するのは難しい事が多いです。

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むち打ち損傷と診断される人の痛みの発生は大きく分けて2つ。
@ 事故直後や翌日から強い痛みが発生。
A 事故直後は極わずかの痛みか違和感があるか、全く痛みが無い状態から1〜2週間かけて徐々に痛みが増し1〜2週間かけて痛みのピーク時期に達していく。

@ であれば多くの人は早期に病院受診をするためむち打ち損傷の診断名がつく。
A Aの人は事故直後に痛みは無かったという理由で病院受診が遅れるため、痛みの原因としてむち打ち損傷の診断名がつかない可能性がある。

外傷などで発生する局所の炎症(浮腫・発熱・痛み・発赤などの症状)は数時間でピークに達するものなので、「むち打ち損傷=急性痛」と考えると、遅くとも事故直後から2〜3日以内に強い痛みが出ないと不自然となってしまいます。

これに対して事故後より徐々に痛みが増す人は局所の炎症が主体の急性痛ではなく、局所の小さな炎症の影響により炎症のある筋肉とその周囲の筋肉などの緊張増加(スパズム)が影響している慢性痛と考えられます。

炎症は小さいので浮腫・発熱・痛み(急性痛)・発赤などの炎症症状は目立たないですし、血液検査やCT・MRIなどの検査を行っても検査数値・画像などの異常はみつかりません。事故後から初診までの期間が3〜4週間経過し空き過ぎていると「むち打ち損傷=急性痛」という基本から考えると、診断としてはあなたの首の痛みは?検査結果から首の痛みに関連する骨や神経などの異常はなし、事故との因果関係もなしとなってしまいます。

問題なのは炎症の要因が小さく痛みが徐々に増す慢性痛が主体の人が、事故後から3〜4週ほど経過して痛みがつらくなり受診すると、むち打ち損傷との関連がないと診断が出る可能性が高く、診断が出ないと交通事故の保険の関係上でも問題となることがあると思います。

保険会社からすると事故後より数週間も経過して首が痛いと言われても、事故後より日数の経過が長いため、「むち打ち損傷=急性痛」が一般的には基本ですから事故との因果関係としては時間経過が長いものは首の痛みをむち打ち損傷として認めにくい、首の痛みは事故とは別の要因(例えば首を寝違え・頸椎症など)が新たに発生したものと判断する方が妥当となってしまいます。

医師は患者様の痛みの訴えや頸部の動きなどからの判断と、局所の視診や触診などの炎症の有無などの判断などで、むち打ち損傷という診断名を出すか決められていると思います。

むち打ち損傷の診断には事故後から痛み発生までの時間経過というのは、医療側・保険会社側の両方に重要なポイントであるという認識を持ってください。交通事故後の痛みは少なかった・どうもなかった人が徐々に痛みが増していよいよ我慢できなくなり、数週間(1ヵ月前後)経過し初診となった人が事故による影響で痛くなったと考えても?

・医療側は検査結果で異常が出ないため、事故後からの時間経過もありむち打ち損傷の認定ができない。
・保険会社としては、むち打ち損傷の診断がでないのが基本、診断が出た(他の医師では出ないこともある)としても時間経過の長さから考えて事故との因果関係は認められない方向の考え。
・患者側は事故後より首の痛みが増して来たという体験がある、事故以外の他に首に外傷が発生する様なきっかけと考えられる出来事もないので、事故が原因と思う。

事故後にむち打ち損傷で因果関係を認める・認めないという問題が発生するのはこういう理由があるので、事故後から1週間前後の期間に少しでも首の痛み、痛みはなくとも少しでも違和感がある場合は?必ず早く病院受診をしておかないと診断名がつかないし、後々で保険会社などともめる原因にもなるので、診断だけは早期に受けることをお勧めします。

大切なことなので繰り返します。
必ず、交通事故にあったら、首の痛み・違和感が少しでもあれば事故後より2週間以内に1回は病院受診を行いましょう!

事故直後より急性痛の要因が大きい人に多いのですが、筋肉の局所炎症による原因であるものが多いのですか、稀にですが靭帯の損傷・頸椎ヘルニア・小さな骨折などレントゲンだけでは分かりにくい原因が発生している人もいます。これらの損傷では炎症の持続期間がむち打ち損傷より長期化するので、痛み軽減までは確実に数か月かかるため検査は重要です。

むち打ち損傷よりも長期化する病態であるのに、むち打ち損傷として扱われることでむち打ち損傷なら治癒するはずの期間になっても痛みが残っているとなると?「気のせいとか」「神経質」など痛みを感じているのは精神的な問題だからと誤解を受けてしまう場合もあるからです。

多くの人が近くの小さな整形外科医院などに初診をされて画像検査としてはレントゲンのみで終わっている人が目立ちます。痛みの強い人は最低でもMRIのある病院をセカンドオピニオンとして利用し、最低2か所の病院(別の医師の意見も聞く)は受診しておくことが大切です。セカンドオピニオンは常識だと思いますよ。

筋肉の局所炎症に伴う急性痛・筋肉のこわばりを主体とする慢性痛、治療を受けるにあたってのポイントなどは十分記載してきたので簡単にポイントを復習します。

@ 事故直後より急性痛が強い人は、頸部への負担を少なくし服薬・痛みを止めるための注射などによる痛みコントロールを主体とし、リハビリで首への負担が少ない安全な運動などを継続し夜間に睡眠をしっかり取れる様に適度の疲労を出すよう心掛け、炎症の軽減を待ち痛みの軽減を待つ。痛みが大幅に軽減して来るまでは徒手療法は少なく実施する程度に止める。
A 事故後は痛みが少なく徐々に痛みが増す人は、筋肉の緊張増加(スパズム)による慢性痛が主体ですから、内服の痛み止め薬は効き目が弱いですが効果が多少感じられる人は痛みコントロールに効果的に利用することが大切です。小さな炎症による痛みにプラスされている筋肉のこわばりの痛みはトリガーポイント注射や鍼、リハビリや民間療法などで実施されるマッサージ・ストレッチ・関節を動かすなどの徒手療法は効果を示しやすいので一番効果が実感できる技術を必要最低限で利用されると良いと思います。
B 事故後の急性痛が主体の人、慢性痛が主体の人のどちらでも、一定領域の痛みが軽減した後も一部の慢性痛が残る人がいます。内服薬・注射・徒手療法などの一時的な鎮痛効果(実施した後の数日程度は楽だが痛みが元に戻る)に依存するのではなく、全身を動かす体操やダンス(普段動かさないような胴体部を動かすことの多い運動が望ましい)・ウォーキングなどのエクササイズを中心とした取り組みを主体に1年ほどは継続してみてください。非常にゆっくりで少しずつの変化で実感し難いすが、痛みの楽な日、痛みの感じ方が少ないなどの安定性のある結果に繋がって行くことが多いと思います。

私の臨床経験では、むち打ち損傷の大半は筋肉の局所炎症と筋肉のこわばり、急性痛と慢性痛の2つの痛みが混在している状況と考えています。
筋肉局所の炎症の改善は組織修復の進み方に左右されるものですから、基本的にはコントロール出来ないものであり組織修復を早める治療というのは無いと考えられますが、筋肉への対策を適切に進めれば痛みという感覚は早目に軽減出来る、痛みが長期間に渡り残り難い様な状態を作るなどのサポートが必要です。慢性痛対策を早期より取り組むことで多少は良い結果が出る方向に繋がりやすくなると考えます。

しかし、極一部のむち打ち損傷では靭帯損傷(筋肉に比べると炎症改善が時間かかることが多い)・頸椎ヘルニア・小さな骨折などがあり、急性痛が長引いている場合もあります。こういう場合は治療も違い治癒期間の違いが出ます。

また、筋肉の局所炎症が目立たないし筋肉のこわばりもさほど強くない、筋肉の問題があるけどそれに対する痛みを訴える内容と身体状況の辻褄が合わないという人がいます。痛みというよりも鈍い重い様な頭痛・めまいや揺れているような感じなど・吐き気などや倦怠感など、筋肉の痛みというよりも自律神経も関わっていると考えられる様な痛みよりも気分不良を主体とする患者様が極稀に見受けられます。

むち打ち損傷で事故後より数か月経過し慢性痛が残っている人などにも、ある程度の痛みとともに上記の様な気分不良などが合併している人がいます。この場合は首や肩あたりの筋肉に本人は自覚できていないのですが、トリガーポイントが存在したままで経過している人が多いです。
トリガーポイントがある人は、この部位を適切に対応すると残っている慢性痛や気分不良は確実に軽減していくことが多いです。

しかし、慢性痛があって気分不良(横になり臥床すると症状が緩和するのも特徴)が強い人で筋肉のこわばりも少なく、トリガーポイントも無い(あっても自覚している痛みに対して影響の大きさが見合わない)という人が極稀にいます。こういう場合はむち打ち損傷の痛みの原因は筋肉の問題とは考えにくいというのが感想で、別の要因として脳脊髄液減少症という可能性が考えられます。気分不良(特に頭痛やめまいなど)を主体とした自律神経症状が前面に出ている慢性痛の人は、一度は脳脊髄液減少症を専門にあつかっている病院で診断を受けてみることをお勧めします。

脳脊髄液減少症では漏れ出ている脊髄液を止めるためにブラッドパッチという治療が行われます、もちろんブラッドパッチでも痛みが改善しない人もいます。むち打ち損傷で痛みに苦しむ全員に対する万能な治療法ではなく、あくまでも脊髄液が漏れている状態の人の一部には効果が期待できる治療法というふうに理解されてください。

交通事故にあった場合は以下の流れを参考に。

交通事故が発生

第一選択としては必ず病院受診。(最低2か所)
※事故後1〜3週間の急性痛が強い状態の人で整骨院(医療ではありません)に通っている人がいますが?この選択は論外です。まず鎮痛効果は期待できません。
柔道整復師は国家資格(医療として治療を行う必要性の低い症例を対象とする代替医療です)ですが、日本だけの資格であり世界的な学会もありません。医師・理学/作業療法士などの医療分野(病院)の専門職と整骨院を同じイメージで利用されるのは完全に間違っています。

病院での薬剤・注射による治療とリハビリ
※補助的な鎮痛として鍼治療なども効果があれば併用。
事故後すぐの時期は病院以外であれば鍼治療が一番お勧めです。

2〜3週間経過しても痛みが強く、安定した痛み軽減が見られないのに内服薬やシップ・物理療法(リハ室の機械)のみの治療なら?
※ペインクリックへ変更を検討。トリガーポイント注射・ブロック注射などを実施
※鍼治療なども効果があれば継続的に実施(数日に1回程度)。

保険適応範囲を超え、病院での治療・リハビリが終了になっても痛みが残る場合
※整骨院・カイロ・マッサージ・オステオパシー・その他、徒手技術を実施する施設で必要最低限(最短での利用でも週1回程度)の回数で筋肉をほぐす対応を継続しながら、スポーツジム・ピラティス・ヨガ・その他など、自主的な取り組みのエクササイズを主に半年〜1年ほど継続。

事故後より数か月経過し慢性疼痛に移行している人(事故後より痛みはそれほど強くなかったため薬をほぼ飲まないで経過している人も含む)は、痛みの軽減にうつ病に使う薬なども効果を示すことがあります。慢性痛に詳しい医師(整形外科・麻酔医)による薬剤のコントロールを的確に受ける(薬の効き方に個人差があり自分に合う薬を見つけることが大切)ことは大切です。

整形外科やペインクリニックなどで治療を行っている人で、ご利用の医院に理学・作業療法士によるマンツーマンのリハビリが無い施設などでは、病院での痛みコントロール(薬剤などによる治療)を行いながら、皆さんの近くにある整骨院・鍼灸院(最低でもお住いの地域で評判の一番良い施設を選択してください)を病院で行うリハビリの代わりという補助的な意味合いで利用するのはお勧めします。整骨院・鍼灸院はむち打ち損傷に対して健康保険が適応されるので経済的な負担も小さく済むと思います。

その他にも世の中には意味不明の気功やお祓い、宗教的な水や薬?※個人の感想です!とCMなどで小さく表示されている健康補助食品系のもの、民間療法施設などで売っている変なテープやシール、こんなものではむち打ち損傷の痛みは絶対に治りません。100%お金の無駄です。

むち打ち損傷で痛みが長期化して来ると日々痛みが強く苦しみ辛い、今後も痛みは治らないのではないかという不安の中で生活されている人は多いと思います。友人や知人などから善意を元にした正しい情報・間違った情報(自分に良かった結果であっても他者の良い結果になるかは不明)がいろいろと寄せられるでしょう。

皆さんが冷静な視点と正しい判断が出来ないと、本質を理解せずに藁をもつかむ気持ちで間違った治療・施術・宗教的なものへ飛び込んで、意味のないことに無駄なお金と時間をつぎ込み痛みと経済負担の二重の苦しみに追い込まれる場合もあります。

むち打ち損傷を書くにあたり心掛けたことは、一般の人が痛みを理解しイメージしやすい様に、急性痛・慢性痛をなるべく明確に分けて記載してきました。実際の医療現場では筋肉の痛みを白黒つける様にどちらかのみと完全に痛みを分けるという事は難しい場合が多いです。

筋肉の痛みの原因としては炎症が何%、筋肉のこわばりが何%と比率がどの程度どちらが大きいかという状況であり、その比率を予測(検査では数値化できないので治療の経験値に頼る部分が大きい)して治療を組み立てるはずです。多くの場合は炎症と筋肉のこわばりの痛みが混在していることが多いと理解していただければと思います。

むち打ち損傷では事故の内容によっては、打撲の痛み・創傷(擦り傷や切り傷など)・火傷・骨折なども混在する場合もあるのですが、これらの痛みは通常は順調に改善が進み慢性痛に移行することは少ないので、これらの説明も入れると文章がさらに長くなるため今回は記載を控えています。

むち打ち損傷では首の筋肉を傷めていると理解できるけど、表面から見た感じでは炎症部位も目立たないし、画像などの検査数値も出ないので、日常生活の動作も痛みで苦痛を訴えながらも一通り出来る。患者が訴える痛みと出来る動作のバランスが取れていない。捻挫で足首が痛み足を引きずる様に歩いていると痛そうだな?とイメージしますが、むち打ち損傷では痛みを感じながらも普通の歩き方に近ければ、動作からは痛そうに見えないというイメージとなります。

「痛み=急性痛」「急性痛=一番強い痛みで一番苦痛を伴う時期」この定義が、医療者・患者・周囲の人々にまだまだ強く根付いていると思います。

むち打ち損傷の患者様の一番の苦しみは、痛みが徐々に改善してきていろんな動作が事故前の動きに近い方向へ改善して来る段階でしょう。退院して家庭内での役割を行い始めたころ、仕事復帰できている人でもしばらくは事故直後に比べると弱い痛みであるが辛い痛みを我慢しながら仕事を行っている、1日の仕事が最後まで何とかダウンしない様に我慢して頑張っている。

医療者・患者の家族・職場の同僚など第三者から見ると、首などは見た目も炎症はないし患者も事故前に近い動きや作業が出来ている。痛みを訴えているけどちょっとの痛みを大げさに言っているのではないか?第三者はどうしても患者の精神的な問題などへ痛みの持続原因があるとイメージしがちになりやすいです。

入院→自宅での生活→外来通院期間→仕事復帰(仕事量の軽減)→仕事への完全復帰。患者の生活内の仕事量・役割が増えるとそれに応じて新たな身体的・精神的負担が増加するので、患者は痛みの増減を経験しながら弱い痛みを持続的に感じ苦痛を我慢しながら適応できるよう努力されています。周囲の人達の理解と少し長目に完治を待ってあげるという姿勢が周囲の人達には求められています。

最後に、患者自身がむち打ち損傷に対し勉強しない考えない受け身の状態で過剰なドクターショッピングをしてしまうことは良くありません。しかし、患者自身が能動的に考え自分の症状を冷静に見つめながらドクターショッピングをするなら意味があると思います。

病院であっても皆さんの目の前にいる医師や理学療法士が謙虚(慢性痛は難しいので)に対応している感じがなければ、そういう場所で治療を続ける意味はないでしょう。肩書がいくら立派でも自分の理論に酔いしれて患者の訴えに真摯に耳を傾けない医療人も実際にはいます。ぜひ、攻めのドクターショッピングを通して信頼できる納得いく治療をされている良い病院を見付けてください。


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