Powered by Google

腰椎ヘルニアの痛み

疾患別の説明

腰椎ヘルニアの痛み

腰椎椎間板ヘルニアの症例の文章が長くなってしまいました。このため別途本ページ(腰椎ヘルニアの痛み)を作成しております。
意図して同じ文章などを繰り返しているので文章が非常に長いです!
皆さんがよっぽど暇な時にでも目を通していただければ幸いです。^−^

  1. 症例Aさんの考え
  2. 痛み経過予測と捉え方
  3. 復習
  4. 原因(1)(2)(3)(4)
  5. 原因(5)(6)
  6. 最後に

症例Aさんの考え

【症例Aさん】40歳代の男性

1年前に腰痛が出て病院受診し腰椎椎間板ヘルニアの診断あり、保存療法で牽引やホットパックのリハビリ(物理療法)と理学療法士による運動療法で経過。その後も痛みが持続しており、整体・鍼・カイロなどの民間療法に通った後に疼元庠舎へ来店される。

症例Aさんと同じように。腰椎椎間板ヘルニアで手術をした人や手術をしなかった人でも1年後に痛みを感じており慢性腰痛の経過をたどる人は非常に多い現実があります。腰椎椎間板ヘルニアの診断があり数年の経過を経た慢性腰痛の人には、意外に問題点の共通性があり、疾患や痛みへの医学的な理解や対処法を誤解されている認識が目立ちます。今回は、この点も含めてAさんの目線と私が見てきた腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けた多くの患者様の視点も合わせて書いてみます。

岸川:

「腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けられたということですが、疼元庠舎へご来店されるまでの経過をお聞きしたいのですが?」

Aさん:

「1年前に仕事をしていて腰の痛みが気になるようになってきました。中腰姿勢などが続くと腰痛が増し、立っている時間が長いと痛みが強かったです。それまではあまり腰痛は感じたことが無かったので病院へ行くと腰椎椎間板ヘルニアで腰が痛みを出していると言われました。手術をしてもいい状態だということでしたが、手術はあまりしたくないのでしばらく様子を見るということになりました。病院で牽引やマッサージをしてもらったりしたのですが痛みが治らないので、病院には行かなくなり整体や鍼などにも行きましたが痛みは今も治っていません」

岸川:

「痛みは腰だけに感じていますか?痛みの強さは1年前と今を比べると同じくらい痛いですか?」

 

Aさん:

「腰の痛みもありますが、右のお尻から太ももの後ろ辺りにも痺れのような違和感が時々あります。右足が重だるい感じもありますね。最初は足もよくつっていましたね。1年前は痛みが今よりもっと強かったので、歩くのも辛くて長い時間立っていられないので仕事を休まなくてはいけない日もありましたが、今も腰は痛いですが仕事は出来ています。」

 

岸川:

「1年前の病院受診をされた時がやはり痛みのピークだったようですね?その後どの時期から痛みが軽減してきましたか?」

 

Aさん:

「そうですね?最初の1ヵ月くらいはすごく痛みがありました。病院からもらった薬を飲んで、温めたり(ホットパック)引っ張ったり(牽引)リハビリでマッサージをしていたので2ヶ月くらいすると痛みがだんだん弱くはなっていた気がします。2ヶ月目には最初に比べるとけっこう歩くのは楽になっていたと思います。でも痛みが治らないので整体や鍼に行っていました。」

 

岸川:

「痛みの強かった最初の1ヶ月間は動くのも大変そうだったと感じますが、仕事の方は休まれていたのですか?職場の理解はどうでしたか?」

 

Aさん:

「最初の1ヶ月間は有給などを使いかなり休みを取りました。仕事の内容も負担の少ない仕事を中心に出来る範囲でいいように協力してくれたので助かりました。2ヶ月目には少しずつ痛みが減ってきたので通常の仕事量に少しずつ戻していきましたが、有給は無くなっていたので痛みの強い日は欠勤を何日かしました。」

 

岸川:

「最初の1ヶ月間の仕事が出来ない期間などはどういう気持ちでしたか?また、周囲の反応は?」

 

Aさん:

「職場の同僚の協力もあって仕事は可能な範囲で出勤して行っていましたが、やはり私の分の仕事を同僚がカバーしてくれていたので、負担を皆に掛けて申し訳なかったですね。早くヘルニアを治して仕事に復帰したいと焦っていました。」

 

岸川:

「受診した頃から2ヵ月ほど経過した時には痛みはピーク時に比べると軽減してきていたようですが、この経過は治ってきている?と考えてもいいと思いますが、Aさんは今も治っていないと考えていらっしゃいますが、なぜそう思われますか?」

 

Aさん:

「ヘルニアになる前は腰痛がなかったので、前の様に腰痛が無い状態になるのが治るということだと思います。今も仕事中に腰痛はあるのでヘルニア(神経の圧迫)が治っていないから痛みも治っていないと思います。」

 

岸川:

「疼元庠舎に期待されるのは、腰の痛みが完全に無くなることですか?」

 

Aさん:

「ヘルニアもありますし、痛みが完全に無くなるとは今は思っていません。友人がこちらに来て腰痛がだいぶ楽になったと言っていたので、私も仕事に影響しないようにもう少しでも楽になったら・・と考えて来てみました。」

 

岸川:

「そうですか。出来るだけ腰痛を押さえ込めるように努力したいと思います。」

 

Aさんとの最初の簡単な会話にも多くのヒントがあり、またAさんがヘルニアについてどの様に認識されているか、経過をどの様に考えられているかが、上記の会話からも少しは伺えます。

腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けた多くの人は、痛みが誘発された初期の頃はAさんの様に痛みの無かった状態を強く意識されます。痛みが0の状態を治った状態として0を求めますし、0を求め続けると慢性痛の深みにはまっていき痛みの悪循環に陥る危険もあります。

 

単純に疾患として深刻に考えられていない肩こりですら、一度肩こりを感じるようになると日により凝りを感じる日・感じない日が存在します。簡単に考えられている肩こりですら一度感じ始めると、完全に完治させることが困難であるという事実が存在しています。

軽い肩こりを感じ始めた人で、その後完全に肩こりを一生全く感じないという人はまず皆無に等しいと思います。皆さんの周りで完全に肩こりが0になったという人がいますか?

まずいないと思いますよ!

腰椎ヘルニアの診断を受けた人が手術やリハビリをした結果、その後全く腰痛を感じない人は皆無に等しいと思います。肩こりと同じなのですね!患者様はこの事実をまずは冷静に認識する必用があります。

Aさんは病院での治療や民間療法をいくつか体験され、今までの経過から痛みが完全に0になることは無いと学習されています。これは慢性痛への軽減を図るために本人がもっていなければいけない最も大切な認識であり、この冷静な視点が出来ているかで慢性痛軽減への取り組みが「成功するか」「成功しないか」が決まると言ってもいいほどです。本来は腰痛発症後の早い時期から、医師・理学療法士などが患者様への適切な説明を通して患者様の冷静な視点の確立を促す必要があるのですが、臨床では慢性痛への認識は無くこれを上手く行えないので慢性痛によるドクターショッピングを医療者が作り出している現状があるとも言えますね。

患者様がどの時点で痛み0を意識し過ぎずに痛みとの折り合いをつけられるかということだと思います。これは痛み軽減を諦めるという意味では無く、痛みを患者自身が冷静に評価し痛み軽減の可能性を見出して、可能と考えられる安定的な痛み軽減に必要な取り組みを患者が主役となり積極的に行うための最も大切なものです。

積極的な考えを基礎とした痛みとの折り合いと考えていただければと思います。特に腰椎ヘルニアや頚椎ヘルニアという診断を受けて慢性痛に苦しむ方に必要な本質が、能動性を持った状態での痛みとの折り合いだとも言えます。

Aさんは1年間の経過を通して、自分の腰の痛みに対して何かの技術を行うことでパッと瞬間的に痛みが消えるのでは?という間違った期待は無くなっています。これは時間がAさんへ正しい認識を与えてくれているとも言えます。しかし、まだ疼元庠舎の取り組み(技術)が効果を示す(誰かが治してくれるという受身の発想)かもしれないという認識が友人からの情報だけでは存在しているので、これをAさん自身の継続される取り組みと痛みの正しい知識を持つ事が、さらなる慢性痛軽減を可能にするには最重要課題であることを伝えなくてはいけません。

慢性痛軽減の可能性がある人でも、疼元庠舎に全てお任せします(依存)では変化(慢性痛の安定的な軽減)するものもしなくなってしまいます。

 

岸川:

「腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けた時から1ヵ月間は痛みが強かったと思いますが、Aさんはどのくらいの期間で痛みが治ると思っていたのですか?」

 

Aさん:

「最初は病院に行って痛み止めの薬を飲むと1〜2週間ほどで痛みは無くなり仕事も普通に出来ると思っていましたが、1ヶ月はかなり痛みが強かったのでだんだん手術をしないと痛みが取れないのかな?と考えていましたね。2ヶ月目からは少し痛みが減ってきたのでじわじわ良くなるかもと思いましたね。」

 

岸川:

「痛みの強い時期は眠れない、仕事の心配などで不安もあったと思いますが、痛みの強い時期は何を考えていることが多かったのですか?」

 

Aさん:

「まず痛みで眠れないということは無いのですが、仕事が出来ないので不安は強かったですね。仕事の心配などであまり眠れないことは時々あったと思います。「このまま痛みが続いて仕事に戻れないのではないか?」とか「痛みが強くなって歩けなくなるのでは?」など不安や怖いという感覚がありましたね。痛みが強くて休んでいる時も家で何かをしようと動いて痛みが強くなるとすごく痛みが気になって、「動いて痛みが強くなる」「動き過ぎると悪くなっていくのでは?」と不安で・・・痛いと腰に負担を掛けないようにと考えてすぐに横になっていました。最初の1〜2ヵ月は休みの日は寝て過ごす時間が増えてあまり動かない生活をしていたと思います。」

 

 

Aさんは腰痛の増強により受診し、1〜2ヵ月間は思うように動けずに仕事を休むことも多い時期を過ごされています。この痛みの強い時期では多くの人は治療の最終目標を痛み0に設定し、早期に痛み0を求めて病院を受診し、薬を飲んだりリハビリを行ったりします。

多くの人がAさんの様に1〜2週間でも薬を飲んでいれば痛みはある程度は治まり仕事に支障が無いくらいには治るというイメージを持たれている人が多い印象はあります。

リハビリが開始になっても最初はあまり患者様の焦りは感じられないことが意外に多いのです。これが約2週間を過ぎてくると患者様の痛み改善時期の予測に矛盾が生じてくるので、身体的な問題や仕事復帰などへの焦りが前面に出てきて不安や恐怖が見られ始めます。

 

Aさんが言われたように仕事に戻れないのでは?痛みがこのまま続いて歩けない・動けなくなるのでは?などの不安や恐怖がどんどん日が経つにつれて増してきます。職場の理解があるか?(長期の休暇を許可してくれるか・してくれないか)職場では責任のある立場か?(中心的役割を担っている)欠勤によるリストラや収入減少などの経済的な問題など、この時期の患者様を取り巻く環境には様々な問題が生じます。これも早く痛みを0にしたいという思いを強くさせますし、不安や恐怖により痛みを敏感に捉えてしまい過ぎる問題(痛みに執着する)も生じさせるでしょう。

痛み経過予測と捉え方

腰椎椎間板ヘルニアの診断を受ける人では、特に外傷などが無く急激に痛みが増してきて動けなくなるという経過の人と、クシャミ・咳などから急激に腰に負担のかかる動作(尻餅をつく・重いものを持った時など)が生じて明らかな脱髄性のヘルニアを生じて痛みが増強する経過に大きく分けられると思います。

どちらにしても痛みのピークは病院受診時(初診)ですから、初診から半年ほどの期間を痛みの変化をグラフに表すとほとんどの人は痛みの強弱の差はありますが右下がりのグラフが出来るはずです。

例)単純なグラフですが痛み軽減の経過イメージとして捉えてください。縦軸を痛みの強さとすると1ヵ月を経過するごとに徐々に感じる痛みが軽減してきます。

 (10が一番痛いと感じる痛みの強さ・0は痛みが無い状態。本人が月ごとに数値を決定)

この痛み軽減の経過は、感じる痛みの強弱の差はあるでしょうが多くの人で共通するはずです。腰痛が強くなって病院受診をした人と動作中に激痛が生じて病院受診をした人の両方とも、上記グラフの経過のように月単位で考えると痛みは軽減してくるはずです。

しかし、多くの人が発症からグラフのイメージで言えば6ヵ月以上先の状態(痛みがかなり軽減した状態)を発症した月内での痛み改善変化として求めていることが多いと感じます。本人の予測よりも強い痛みが持続するのですから誰もが焦るのは当然ですよね。

 

椎間板ヘルニアは手術をしてもしなくても1年後の予後があまり変わらないというデータが出ているので、現在は手術をほとんどしないようになってきました。仕事復帰を急ぐ方で早く手術をすれば仕事復帰が早まるのでは?と考えている人も大きな誤解です。逆に手術後の創傷部位の治癒を待つ間の長期臥床で体力低下が間違いなく起きますから、復帰は意外に時間を要してしまうでしょう。

ましてや手術後に腰痛を全く感じないようになるかは・・・・?皆さん手術をすると腰痛発症前の状態と同じ様に痛みが0の状態へ治るというイメージをされていることが多いですが。それは大きな誤解であり不可能に近いとも言えます。

手術後に痛みが治ったと言われている人でも、何と比較して痛みが治ったと言っているかというと、グラフでいう発症月や2ヵ月目くらいの痛みが強い時期との比較なのです。手術をしても痛みが完全に0になっている状態ではなく、グラフの7〜8ヵ月目の様に小さい痛みなどは必ず存在しています。

 

どういう急性腰痛(腰椎椎間板ヘルニア)の発症であろうと、グラフ通り右下がりに痛みは軽減してくるはずです。まずある一定期間(発症した月)が痛みのピークでその後痛みが軽減してきますので、ピーク時は薬剤によりしっかり痛みをコントロールしながら動ける範囲や出来ることを継続し、安定的な痛み軽減を待つという姿勢を取れるかがポイントですね。

 

発症から2ヵ月程度で痛み軽減変化は必ず見えてくるので、焦らずに出来ることを行いながら安定的な痛み軽減を待つという姿勢を作りどっしり構えることです。不安や恐怖により気持ちがぶれないように理学療法士や医師からの説明にあわせ、患者自身もヘルニアについての勉強をしなくてはいけません。

決してゴロゴロ寝て安静に過ごせということではありませんから・・・間違いなく!

 

痛みは脳が感じるもので、例えば私と皆さんとで指先に同じような1cmの切り傷を作ったとします。すると私と皆さんが痛みを10段階で表現すると(10が最大の痛み・0は痛みが無い状態)私が6で皆さんは4かもしれませんし、その逆かもしれません。体に同じような大きさの傷が生じても痛みの感じ方は人により千差万別なのですね。

では、私は指先を仕事で使うので1cmの傷でも仕事が出来なくなるので、仕事を休む不安・収入の減少する不安などが生じて、イライラして痛みを敏感に感じてしまうかもしれません。傷が仕事などに影響ない人では痛みの感じ方も違いそうでしょう?他の人では血液の流れるのを見て恐怖や不安が増し気分が悪くなり(献血で見かける風景)、気分不良や痛みを過剰に訴えるかもしれません。その傷に似た過去の経験や記憶や知識も痛みの感じ方の強弱に影響しそうですね。

腰椎椎間板ヘルニアの診断が出た時に、説明を受ける人が「ヘルニアが出ているので神経を圧迫して痛みが出ていますよ」という内容を元に、その人なりのどういうイメージを作り上げているかで痛みの訴え方や感じ方は変わる可能性があると想像できてきませんか?

「神経を圧迫しているからもう治らないし、どんどん年を取るごとに痛みも強くなり将来歩けなくなるかも知れない・・・どうしよう?」

「神経を圧迫しているから手術で取らないと痛みは治らないだろうな?手術はしたくないので痛みが治るのは諦めるしかないか・・・」

「今の腰の痛み(発症月のピークの強い痛み)が一生続くのか・・・」

「へえ〜圧迫しているのか?今は痛いけど、まあ〜そのうち治るだろう(楽観的思考)」

「画像的には脱髄はあるが神経支配領域の麻痺は感じないし、痺れも持続的ではないな〜純粋にヘルニアだけの問題ではなさそうなので、腰部筋や靭帯の炎症が影響した腰痛かもしれない、しばらく様子を見てみるか?(医療関係者)」

 

説明を元に患者様それぞれの知識レベルや経験・性格・思想などからいろんな捉え方に変わってしまいます。皆さんが感じている痛みは、痛みが生じた時の過去の経験や知識、周囲から聴くヘルニア体験談(間違った認識を含む友人・知人や患者からの情報)なども合わせて構成されます。

悲観的に捉えてしまい仕事復帰も急がなくてはいけない状態なら?誰だって焦りますし痛みの変化が気になってしょうがないので、何かをするとちょっと痛みが強くなると敏感になり痛みに執着しやすくもなります。

 

腰椎椎間板ヘルニアの診断が出る方は、腰痛の発症月は特にいろんな情報や誤解などもあり、患者自身は冷静なつもりでも混乱しており冷静な視点が確立されていません。痛みを過剰に恐れたり、痛みに敏感になり恐怖で痛みを強く感じたり眠れないなども生じます。

ヘルニアだけではなくぎっくり腰(入院を必用とする状態のぎっくり腰)でもそうですが、痛みの強い発症月の痛みはしばらくの期間は確かにありますが、その強弱にはいろんな誤解からくる無用な恐怖・不安がかなり影響してくることがわかります。そこに仕事への復帰に関する様々な社会環境の問題が合わさるので焦りが出ますし、また発症月の後半は焦りから特に冷静な判断が出来ないし混乱して来ています。患者様は正しい情報を学習できない状態になってもいます(一般的に言われる、聴く耳をもたない人)。

 

痛みが発生して受診し腰椎椎間板ヘルニアという診断が出た人、ぎっくり腰で入院してくる人のどちらも、痛みは強いが焦りの少ない時期である発症から1〜2週間の間に痛みについての学習が上手く出来るかがポイントになってきます。

この時期の患者様への上手い情報提供を如何に行えるかを試行錯誤しているPT・OTは痛みに対して理解があり優秀ですが、徒手技術で体を触るリハビリ(仙腸関節を動かす・マッサージ・運動指導のみ)しかしないPT・OTは勉強不足ですから、その辺の下手な脱サラでやっている整体・カイロと同じです。私は担当を変えられるのをお勧めします。

 

クシャミや咳、何かの動作中(重いものを持つなど)に急激に腰痛を生じて、脱髄性のヘルニアの診断を受ける人や、ぎっくり腰で激痛が出て入院までする人では、痛みが強いのでベッド上で寝返りも出来ないという時期が生じることは多いですよね。もちろん起き上がれない、立てない、歩けない・・・・

この様に激痛により動けないという訴えが強い人は、動くことで痛みが誘発されることへの恐怖感が強くみられます。その恐怖は痛みだけが影響しているのでしょうか?

発症直後の患者様と話していてよく聞かれた言葉や考え方です。皆さんはどう思われますか?

 

「寝返りすら痛くて出来ません。腰を捻るとズキッと痛みが出て力が入りません。今の痛みが治まらなければとてもじゃないけど動けませんね。何もできません。」

 

発症直後(急性発症の激痛)は痛みが強いと、痛みに集中しているし痛みの強さからすぐに仕事復帰も困難であることは容易に察しがつくので(激痛ですぐに諦めがつく)、仕事や経済的な負担などを中心に悩まれている人はあまりいません。ともかく今感じる激痛に意識が向いていることが多いです。

痛みが激痛なだけに、痛みに伴う恐怖や不安が強くその元になっている考えが上記のよく聞かれる発言からも見られます。

動こうとすると腰に激痛を感じますが、痛みを恐れる原因には不快な痛み刺激だけでなく知識や記憶が影響していると述べました。この早期の段階でも痛くて動けない理由は単純に痛みだけが問題で動けないのではなく、痛みを元に感じる不安・恐怖が影響して動けないと考えられます。

まず、動く時に腰を捻ると痛みが出るという人は非常に多いです。寝返りや起き上がりなど全ての動作で腰は動かす(腰への負担がかかる)ので痛みが生じます。動かすと痛みが誘発されますが、鋭い激痛を訴える人が多いです。(慢性痛日記の函館の魔女を参照)

寝ている間(安静時)はどうかと考えると、痛みは寝返りなどで感じる瞬間的な鋭い痛みは無いけど、腰全体が漠然と鈍く痛むとか重だるく感じるなどの訴えが多く聞かれます。

痛みの質が動く時と動いていない時では違うのが第3者からも想像できます。

多くの人は動けるか動けないかの判断ポイントを、寝返りや立ち上がりの時に感じる瞬間的に感じる強い痛みを元に判断しているのが分かります。患者の視点では動こうとした時に感じる腰の痛みが弱くなってきているかがポイントなのです。

少しでも痛みを感じている間は安静が大切という誤解と痛みがあるうちは動いてはいけないという間違った強い信念が邪魔をして、上記の様な訴えがいつまでも続き離床やリハビリが遅れることがあります。離床やリハビリが遅れる違いは単純に痛みの強さだけではなく、神経質や怖がりなどの性格的な違いも影響していると思いますし、体の問題は医療者が治してくれるという依存的な発想の強い方などでは特に遅れが目立つ感じは受けます。

もう一つよく聞かれる訴えとして・・・

「無理して動こうとすると痛みが出るので、腰がこれ以上悪くならないようにできるだけ動かない様に(リハ以外は1日中ベッドに横になり安静にしている)しています。」

 

腰がこれ以上悪くならない様に動かない様にしている・・・

これがポイントだと思います。

この根拠は何が影響しているのでしょう?

患者様と会話しているとこういう考えが多く聞かれますね。

「寝返りなどで動くだけでも激痛があるから、腰を動かすと痛みを出している腰の神経を圧迫していて・・・神経が切れているのでは?」

「寝返りなどで痛みが出るたびに損傷したヘルニアを何度も圧迫して飛び出した椎間板が今よりもっと壊れているのでは?」

「腰を動かして痛みが何度も出ると繰り返し腰の悪い部分を壊しているから、壊れたままの状態が続くのでは・・・痛みも続くのでは?」

「動いて痛みを感じると、痛みのある部分は壊れ続けていて治らない。安静にして動かずに痛みを感じる回数が少ないと早く治る(痛みを感じなくなる)のでは?」

この様な訴えを聞いていると、やはり患者様のヘルニアに対する誤解(間違った一般常識の知識)と医療者側の正しい説明努力の無さが見えてきますね。

復習

上記の訴えをもう一度見直す前にヘルニアについて簡単に復習してみましょう!

腰椎であろうが頚椎であろうがヘルニアの説明としては、単純に「椎間板が飛び出してきていて神経を圧迫しているから痛いんですよ〜」という画像を見ながらの説明が多いと思います。

患者はMRIで飛び出ている所を見て、「あ〜この出っ張りが脊髄を圧迫して痛いんだ!」と理解されていると思います。

MRIは目で確認できるので患者様には非常に説得力があると思います。

ヘルニアは椎骨と椎骨の間にあるクッション的な役割をする椎間板といわれるものがあり、その椎間板が脊髄側に広がり神経根(脊骨の穴から神経が出る部位)を圧迫するという病態ですね。

これは腰椎椎間板ヘルニア・頚椎椎間板ヘルニアの診断を受けている人は説明を受けておりご承知のことと思います。

神経を圧迫して痛みが出現する!ここがまず疑問が生じ論点になってきます。

神経は基本的に圧迫しても、圧迫している部位には神経自体の痛みは生じません。神経が圧迫されると、基本的にはその神経が伸びている先の領域にある皮膚・筋肉・靭帯・骨などに違和感やしびれ・痛みなどを感じることはあります。

腰のヘルニアだとお尻・太もも・ふくらはぎといった下肢の部位・頚椎だと肩や上肢などの部位です。腰椎椎間板ヘルニアの人が「太ももの裏が痛い」とか「足が痺れる」とか「時々足がつる」とか言われていますよね。頚椎だと肩や腕あたりが痛いとか前腕(肘と手首の間)辺りが重だるいとかは良く聞かれます。

圧迫部位である胸椎や腰椎ではなく、神経の伸びている先(上肢・下肢)に神経症状が出現してくるのですね。神経の圧迫による痛みは「痛みが走る」という様な表現が多く、放散するような痛みとして感じることが多いと思います。

腰痛で受診して画像で後方突出があっても・・・腰だけの痛み症状で下肢には何もなければ本当にヘルニアが痛みの原因かは?あやしいということになります。

ヘルニアの診断を受けていても、長年に渡り腰のみにしか痛みを感じないのであれば・・・本人はヘルニアが原因と思い込んでいるのですが、もっと怪しくなってきますね。

実際に画像で明らかな圧迫があっても痛み症状が無い人も多数いますし、画像では圧迫がわずかですが痛みを強く訴える人もいます。

20〜30歳代の人でMRIを取ると脊柱の数箇所には多少の椎間板の変性や椎間孔の狭小化はあるはずです。まったく問題の無い人の方がまず少ないでしょうね。

これが現実です。

この辺りの矛盾は医療者では以前から承知しており、「画像結果(後方突出による圧迫)=痛み原因」では無いと考えているDrは意外に多いはずです。しかし、説明になると単純に分かり易い「圧迫されているから痛みが出ていますね〜」になってしまっています。

ん〜なんでだろう?忙しいからかな?

 

急性発症(仕事中に重いものを持った・クシャミや咳をした後の急激な痛み増加)の場合でも、痛みが出て病院受診しMRIなどの検査を行いますが・・・

痛みの原因と考えられる動作で本当に脱髄を起こしたのか、以前から脱髄していたのかは検討がつかないはずです。MRIからは小さい脱髄画像が新しいか古いかはわからないので・・・

急激な痛みで病院へ担ぎ込まれた人でも、よくよく考えると腰椎椎間板ヘルニアで痛いのか?急性腰痛(ぎっくり腰)で痛いのか?・・・の区別がつかないのでは?となってしまいますね。

神経が圧迫して激痛が生じているのであれば、手術をしない人は神経根圧迫が軽減されないので激痛は軽減されないはずですが・・・保存療法で痛みは軽減してくるのですよね?

明らかな脱髄性のヘルニアでも、脱髄を起こすほどの負荷が腰に瞬間的に加わり、腰深部の靭帯・筋の損傷による炎症で激痛が生じているというのが理に適っていると思いますが。

どうなのでしょうね?

 

痛みは骨格構造だけでは考えられないというのが常識です。脳が痛みの有無や強弱を判断しているのですからね。

構造だけで考えると高齢者の背中の曲がった方などでは皆さん毎日の様に激痛がでていないとおかしくないですか?画像では椎間板の後方突出や椎間孔の狭小化も多数存在しているはずです。これらの人は痛くて動けないなどの強い腰痛などを訴えている人を見かけることは非常に少ないと思います。高齢者などはけっこう痛いと口癖の様に言いながらも元気に動き回っています。

 

仕事中やスポーツなどの動作中に急激な激痛による発症の場合で、画像上で明らかに後方突出の目立つものもあります。この場合は手術が適応になることはあると私は思います。痛みの問題が本当に椎間板ヘルニアによる神経根の圧迫が原因かどうかはDrによっても論争のポイントではありますが、神経根の圧迫が強く画像上で見られるのであれば神経への長期的な圧迫は基本的には望ましくないので手術は必要とも考えられますね。

腰痛を治すというよりも明らかな神経根の圧迫は結果的にその神経の伸びている先の皮膚・骨・筋肉・靭帯などを変性(腰椎ヘルニアだと下肢の筋肉の突っ張りやすさや重だるさや軽い痺れ・つりやすいなど)させていく一つの原因になるので、悪いことではないと思います。

しかし、手術で急激に発症した腰痛が治るとは考えられませんが・・・

手術に関しては私ではわからない範囲であり、やはり皆さんの担当のDrに見解を聞いて皆さん自身が最終的に自分の意思で手術をするか?しないか?を判断されるといいでしょう。手術後に明らかに痛み軽減がみられ好転する人も少数ですがいらっしゃいます。しかし、その数は圧倒的に少ないことが現実であることは誤解無く理解していただきたいと思います。

手術後も痛みは変わらないという人も多いですし、手術後のすぐ後は痛みが無くても、時間経過(数ヶ月)とともに腰痛がまた出てきたという人が意外に多いのです。

だから統計的にも1年後の予後として手術をした人としていない人の腰痛の存在する比率に違いがみられないのですね。

 

急激な腰痛発症で画像上の椎間板の後方突出が小さいもの、じわじわと腰痛の原因となった動作がはっきりしないけど腰痛が増してきて受診し画像で椎間板の後方突出が見つかって椎間板ヘルニアの診断名がついた人では?

腰のみに痛みを訴えたり、下肢の症状は全く無い人などの矛盾も多く・・・・

手術は本当に必要なのか?かなりあやしく感じてきませんか?

この様な状態では、正直な感想として手術はしない方が懸命であり、また手術を積極的に勧めるDrも年々減ってきていると思います。

基本的にゆっくり強く感じるようになってきた腰痛で受診する人は、MRIやレントゲンを取ると腰部に何らかの画像上の問題は多少生じていると思います。そのため、腰椎椎間板ヘルニアや椎孔の狭小化などの診断がつきやすいですよね。

 

腰痛で受診して腰椎椎間板ヘルニアと診断がついたから、椎間板の後方突出がある以上は痛みを常に感じるかというと・・・?痛みを振り返っていただくとそうでも無いと思いますよ。

上記の様な状態で受診した人の腰痛が神経根を圧迫していて痛いのなら、構造上は常に圧迫されているのですから、1日中に渡り何時であろうが常に同じ強さの痛みが続いていないとおかしいですよね?

でも、その様に訴えている人は少ないと思います。腰痛が気になりやすい時間帯があったり、痛みが強い日や弱い日の違いがあったり、ある動作のみで痛みが出たり・・・腰痛を感じる状況などがそれぞれ違うはずです。

画像上では後方突出が見られても、単純にヘルニアだけで腰に限局した痛みが出ていると思い込むことが危険なのですね。全くの大きな誤解であり、予後の悲観的な考え方の一つの原因ともなってしまいます。

頭の思考を柔らかくして椎間板ヘルニアだから痛みが続くのではなく、慢性腰痛としての痛みが続いていると考える必要があります。慢性腰痛を持続させている問題が何かということを考え、正しい対処をしないと、なかなか好転しないのも当然と考えられませんか?

 

「腰椎椎間板ヘルニアになったから腰が痛いんだよね・・・・」

よく病院のリハ室でも聴く言葉です。原因をヘルニアと断定している考えですね。

「椎間板ヘルニアは腰の動かし難さや腰痛を感じやすい原因の一つだろうね。」

この様な発想が持てるかが慢性腰痛の軽減できるか?ポイントになるとも考えられますね。

原因(1)(2)(3)(4)

急激な腰部の激痛で受診する以外の人で、腰痛で受診し椎間板ヘルニアの診断を受ける人は難しく考えないで慢性腰痛と纏めて考えて行きましょう。椎間板ヘルニアの無い腰痛と基本的に分ける必要はありません。

 

ゆっくり痛みが増して来た慢性腰痛で受診した人は、構造上の問題は明らかに出ないか構造異常が小さいことの方が多いと思います。

腰痛の問題としてどの様な問題が存在し、自分が痛みを感じているのか?考え理解することは重要です。

 

大まかに分けて以下の6つの項目について腰痛を感じさせる原因として捉えましょう。

 

(1) 腰椎椎間板の後方突出や椎間孔の狭小化などの構造異常

(2) 腰部周囲の筋肉・靭帯などの硬化(筋・靭帯の柔軟性や伸張性の低下)

(3) 腰部筋の筋硬結(トリガーポイント)の存在

(4) 腰部周囲筋の筋力・持久力の低下(年齢に伴う体力面の減少や生活習慣)

(5) 身体的・精神的ストレス
  (仕事・家庭での役割や責任の増加・友人・家族との人間関係)

(6) 性格(完璧主義・神経質・努力家・几帳面など)

 

まず、(1)に関係する脊柱(腰椎)や骨盤の構造上の問題があれば全て痛いのか?と考える必要があります。椎間板ヘルニアで問題となる椎間板は基本的に年齢が進むにつれて誰もが変性していくものです。なので・・・例えば30〜40歳代よりも50〜60歳代は確実に椎間板の変性は進んでいますし、痛みを感じないから年を取っても若いときのままかというとそんなことは100%ありません。痛みに関係なく変性は確実におきています。

 

痛みを訴えている人といない人のどちらでも50歳代でMRIをとると間違いなく椎間板の後方突出や椎間孔の狭小化は多少みつかるはずです。だから構造上の問題が必ず痛みの原因とは限らないということは再度認識していただきたいと思います。

 

背骨が歪んでいるから、骨盤が歪んでいるから・・・痛いと思いこんでいる人は?

その根拠がどこにあるのか?正しいのか?・・・もう一度皆さん自身が振り返ることが大切です。

痛みはそんなに単純なものではありません。

 

でも、「私は激痛が出て病院に運ばれたらヘルニアが大きく飛び出していたので痛かった」と言われる人もいますよね。

急性発症した激痛を伴う腰痛で病院へ運ばれても・・・画像では異常は出ても?

(1)腰椎椎間板ヘルニアがあり神経根を圧迫して激痛が生じているのか?

(2)脱髄を起こす様な強い刺激が腰にかかり深部の靭帯や筋に炎症が生じてぎっくり腰(入院を必用とするレベルの激痛による急性腰痛症)の痛みを感じているのか?

 

(1)が急性の激痛の原因なら・・・保存療法(手術をしないで薬剤やリハビリなどの治療)では激痛は治まらないと思うのですよね〜圧迫が純粋に原因なら同じレベルでいつまでも痛いはずですよね・・・

ほとんどの人は(2)の炎症による急性腰痛で、ヘルニアが激痛の原因では無いと思うのですよね〜原因は(2)じゃないのかな?

 

構造と痛みとの関係やヘルニアと痛みとの関係は矛盾だらけですが、全く構造の問題やヘルニアが痛みを出さないとも言い切れないですよね。ヘルニアだけが原因で痛いとかヘルニアがあっても痛みは全く感じないという様な、どちらかのみに二極化する原因追求は無理があるというのが現実です。

 

しかし、構造の問題は痛みを感じる原因の一つではあります。あくまでも一つ

 

(2)理由として腰部の筋肉は年齢とともに柔軟性や伸張性を意識した調整を続けていないと、基本的に誰もが筋肉は硬化してきます。これは筋肉が縮むという仕事しかできない性質のためです。私たちが体を動かそうと考えると意識して行えるのは筋肉を縮ませることです。肘を曲げる時などは力こぶ(上腕二頭筋)の筋肉を縮ませていますよね(力が入り少しでも筋肉が硬くなると縮んでいる状態です)。

痛み学でも簡単に伸張反射の話しを書いていますが、体にはいろんな刺激が普段の生活内で加わっています。これらのいろんな刺激に対しても筋肉は縮む仕事を行い反応しています。

 

よくお客様などから聴く言葉ですが

「なぜか分からないけど・・・体が年々硬くなってきてるんですよね〜何で?」

その答えは上記のように筋肉は縮む仕事しかできない、脳は筋肉を伸ばす命令を出して伸ばすことが出来ないので、生活をしていても常に力を入れようが入れまいが筋肉を縮ませる刺激が全身に送られているため、年数が経過するごとに体は硬い方向へ進行(筋肉の柔軟性・慎重性低下)していくのが基本であり、体はそういう仕組みになっているからです。

 

腰椎椎間板ヘルニアの診断がある人、腰椎椎間板ヘルニアは無いが慢性的な腰痛がある人、この両者とも腰部周囲の筋が硬化を起こしており、伸張性や柔軟性が低下してきていると思います。単純に考えてみてください。腰部周囲の硬化した筋肉が存在していると体を前に倒して床に手をつく動作や体を後ろに反らす動作などでは腰の突っ張りや痛みが出現すると思います。体ごと後ろを振り返るような体を捻る動作などでも腰の突っ張りや痛みが出る場合もありますよね?

そうですね!腰の深部などで硬化している筋肉や靭帯などが引っ張られるために瞬間的な痛み(表現は個人差ありピリッとかズキッとか)を出現させています。硬くなったゴムが急に伸ばされるとプチンッと切れますよね?あんなイメージが近いですね。

腰椎椎間板ヘルニアも慢性腰痛の人も、床の物を取る動作・椅子からの立ち上がりの時など生活内での動作時に瞬間的に感じる腰痛は腰部筋の柔軟性・伸張性の低下で伸び難いために問題の筋・靭帯などに瞬間的にストレスが加わり痛みを出している状態です。

腰を大きく動かして一定の角度のみ下肢などに痛みが放散する場合は神経根へのストレスが原因とも考えられ痛みの一要因と考えられますが?皆さんの生活内での動作や姿勢で感じる痛みは、同じくらいの腰を曲げたり反る角度を必要としていますか?そうじゃなければ腰を大きく動かして腰に限局した痛みも神経圧迫で出ているとは言えなくなりますね。

腰部筋の伸張性の改善がポイントであり、腰部筋の柔軟性・伸張性の問題は痛みの原因の一つというのが理解いただけると思います。

 

(3)の筋硬結(トリガーポイント)は筋肉の中に硬く触れて圧迫すると痛みが出現するものを言います。索状硬結など呼び名はいくつかあるのですが、ここでは筋硬結で統一しますね。

皆さんの周りの知人などでも慢性的な肩こりなどの人で、「筋肉の中にコリコリとしたしこりがある!」とか言っている人を時々お見かけすると思います。

 

表層の筋肉に存在している人は自分で硬い部分を見つけている人は意外に多いようです。

筋硬結は筋線維の一部が損傷し修復されていないため筋肉内の一部が局所的に縮んだまま(細胞が壊れたまま)修復されていない状態と考えられています。だからこのコリコリは筋肉を切っても中から何か硬い物質が出てくることもありません。しかし、筋肉を触ると硬い硬結として触れます。不思議ですよね?

筋硬結の発生は子どもの頃の転倒や運動などによる筋線維の損傷などが基点となり発生してきているだろうと考えられています。まだ小さい筋硬結の発生から年数を経過していくと筋硬結を含む筋には縮め縮めという反射の命令が続くことで、しだいに筋肉が硬化してくると考えられています。

(2)の筋肉の柔軟性・伸張性を低下させる原因の一つですね。硬結は小学生くらいでも数箇所にすでに出来ている人が多く、すでに身体硬化の進行は始っていきます。もちろん肩こりや腰痛を訴えている小学生は少ないのですが、普段の生活で痛みや凝りを本人が感じていなくても体の筋肉の柔軟性・伸張性は低下を続け確実に硬化の方向へ向かっています。

 

中学生・高校生になると、体力測定などで体が硬い人・柔らかい人の差がどんどん出てきますよね?自分では硬結などが出来ているのに気づいていないのですから・・・痛みもないし普段は何の対処も行っていない、運動も行わない・・・それじゃあ〜体が硬くなってくるのは当然ですよね!

 

逆に部活に入り運動をよくしている子でも、体が硬くなってくる子がいますよね?筋硬結が筋肉内に存在し、運動は終動負荷形態で力むことを強調したトレーニングを続けていると硬化が促進されていることは多いようです。筋肉を太くするイメージのトレーニングを早くからやり過ぎると、筋肉の硬化が進み故障を誘発していきます。体全身の柔軟性・伸張性を意識したトレーニングを行っていないと、体を鍛えるため!健康のため!と思って取り組んでいるトレーニング自体が体を硬化させ故障するために無駄な努力を行っていることになりますね。

 

腰椎椎間板ヘルニアや慢性腰痛の人の多くには腰部筋に筋硬結が含まれていますし、この筋硬結からは痛み刺激が脳へ送られており、その反射として筋硬結を含む筋肉には縮めという命令が持続していますから、筋硬結への刺激を入れて形状を小さくコントロールし筋肉の安定的な弛緩状態を作っていくことが大切ですね。

筋硬結を含む腰部の筋肉は基本的に問題の少ない筋肉に比べると筋肉が突っ張った状態(縮め〜の反射が続いており)ですから酸素不足の状態です。筋肉は酸素不足が促進されると痛みや凝りを強めます。生活の中での動作や姿勢の持続などで生じる痛みや凝りの増加は筋肉が影響しているのです。

 

腰椎椎間板ヘルニアや慢性痛の人で言えば、例えば以下の姿勢・動作で感じませんか?

・朝の洗顔で顔を水で洗う時の中腰姿勢や中腰から体を起こす時

・家で掃除機を掛ける時の中腰姿勢

・仕事で長時間に渡り椅子に座った後の立ち上がる時

・長時間の立ち仕事中に床の物を拾うような腰を大きく動かす動作

 

この様な姿勢や動作では、持続的な姿勢を維持するために腰周囲筋の連続使用(筋肉に力の入った状態が持続する)により、筋肉内の持続的な血液の流れが悪くなります。腰部周囲筋は、ただでさえ筋硬結が出来ていて反射で縮め〜が続いているのですから、普段から酸素不足ぎみですよね?

中腰などのポジションを持続させると皆さんが感じる腰痛を起こしている筋肉は、その時に姿勢や動作を続けるために持続的な力を発揮(筋肉が縮んでいる状態)しています。ある程度の時間が経過し酸素不足が促進されてくると、中腰での腰の痛みが増してきたり、凝りの様な重だるさなどがどんどん強く感じてくると思います。

中腰の持続などでは、こりゃたまらん!と洗顔中に腰を伸ばそうと体を起こす時はジワ〜とじゃないと痛みで起こせないと思います。この時の筋肉は縮む仕事を連続で行っており痛み刺激も増加するので、なお縮む方向に力が入っています。

 

腰部周囲筋を自分では急に力が抜き難くなります。ジワ〜とゆっくりじゃないと腰の筋肉の力を抜きながら体を起こすという動作が出来ないのですね。腰周囲筋は連続使用で酸素不足が促進され痛みも出て突っ張った状態であり疲労困憊といった感じで捉えてください。そこから重い上半身を起こすために腰を反りながら動かしていくのですから・・・腰の筋肉にとってはたまったものではありません。例えば皆さんでも400mを全力疾走した後すぐに、また400mを同じタイムで走れと言われても・・・体は最初と同じ様に動いてくれませんよね?疲労で動きがぎこちなくなりタイムが遅くなると思います。それと同じですね。

 

洗面台に手を置いて上半身を起こすと楽に起こせると思いますが、これは腰への負荷(上半身の重さ)を手に逃がせるので腰の負担が楽になるからです。

4つの例はどれも一緒ですよね?持続的な姿勢による持続的な腰部の筋活動が持続した結果、酸素不足が促進され痛みや重だるさが増強する。腰の筋肉は力が入った状態で痛み刺激がさらに力を入れさせ、腰部筋の力を抜く解除にはゆっくりじゃないと痛みや筋肉の緊張増加で行えない。

 

腰椎椎間板ヘルニア・慢性腰痛の方でも腰部筋に筋硬結が存在しています。この筋硬結自体が痛み刺激の誘引でもありますが、筋硬結を含む筋肉は反射によるスパズム(攣縮:持続的に縮めという反射で筋肉が突っ張った状態)があるため正常な筋肉に比べると酸素不足の状態です。生活内での中腰に代表される腰部の負担を必用とする持続的な動作などで痛みや凝りが増しやすい原因です。筋硬結の形状を小さくすることで筋肉への反射の抑制による酸素不足の改善と、スパズムを生じている筋肉(筋硬結を含む痛みを出す筋肉)への伸張刺激や持久力強化のトレーニングが重要ということが理解できます。

中腰姿勢での痛み軽減に向けては揉むだけ・関節を動かすだけ・鍼を行うだけ・痛み止めを飲むだけ・・・・決して「何かで治るかも?」という依存的な考えや対応では変化しないことがわかりますね。自身の努力による運動が無いと安定的な変化はありえません。

 

(4)に関しては(2)(3)の説明でも触れていますが、結局は10代の学生時代に運動をする機会は部活動や体育の時間や遊びなど、何かにつけて社会人に比べると多いと思います。

また身体的な硬化も軽い状態の人が多いので、痛みや凝りを訴える人は少ないと思います。

腰部筋肉のスパズムは学生でも生じている子は多いですが、まだ軽い状態の子が多いので部活動の練習中の中腰などが続く時に痛いとか、部活の練習内だけで痛みを感じていることが多いです。普段の生活ではほとんど気になっていないと思います。

20代になり仕事をするようになると、どんな職種であろうが同じ姿勢を取ることが多かったり、同じ動作を繰り返すことが多いという現実があります。適度な量のスポーツなどをした後は体が疲れてはいるけどスッキリしている感じがあると思いますが、仕事では体の負担は少ないのですが、終了時はスポーツの後のスッキリした感覚は出ないで疲れたとか重だるい感じが強いと思います。

 

仕事での姿勢や動作が持続的なものなので、全身の代謝はやはり良く無いと考えられます。尚且つ運動なども趣味で行わない人は適度な運動で汗をかくという習慣が完全になくなっている人は多いと思います。皆さん最近を振り返り軽くでも走ったことありますか?

生活をしていて運動で心拍数が上がる、汗を出す、呼吸が軽くみだれる・・・・まったくなくなっていませんか?

どんな動物でも1日に強い早い動き(餌を取る・遊ぶ)を行ったりゆっくりゴロゴロしたりと、いろんな動きをしていると思います。人間のみが特に汗をかく運動も行わずに生活していて、健康食品のみを食べることで体の代謝を良い状態に維持できるわけがありません。TVの健康食品CMを見て飛びついていませんか?

 

この様な生活環境や生活スタイル自体が腰痛を持続的に感じさせる原因の一つにもなります。運動が完全に生活内でなくなっている人は、適度な運動による適度な疲労(代謝への作用)と全身の筋肉のリラックスが消失しているとも言えますし、痛みが強い人では生活内での総運動量(動く量)が低下しているため腰部周囲の筋肉は細くなり持久力・筋力は確実に低下しています。

一旦弱くなった腰部周囲筋を鍛えようと考えて軽い運動などを開始しても、必ず最初は筋肉痛が出やすいと思います。普段から腰部の筋肉を使う量が減っているので、軽い運動量の増加でも筋肉痛(軽い炎症)が生じれば、普段感じている腰痛は一時的に増すのは当然です。

 

運動後の2〜3日(2〜3日で消失する痛み増加は全部筋肉痛です)の痛み増加にびびっていませんか?

 

間違った根拠の無い知識から運動で腰痛が増すと腰がどんどん悪くなると思っていませんか?

 

逆に筋肉痛も全く生じない程度の運動で、リハビリとして十分な運動をしているつもりになっていませんか?

 

腰椎椎間板ヘルニア・慢性腰痛があろうと仕事をする以上は持続的な姿勢や動作が必要です。腰部周囲筋の強化(同じ姿勢や動作への耐久性の向上)は仕事復帰を考えると自己努力を避けて通ることは出来ません。

腰部周囲筋の持久力・筋力を強化し仕事内での痛みや凝りを感じにくいように耐久性を上げる目標と、生活における運動を通して代謝を良くし、疲労物質の排出を促進させるためにも適度な運動は時々必要です。

肩こりなどでは、適度な量の運動を週に2〜3回導入し継続するだけでも、普段感じる肩こりの強さはかなり軽い方向へ安定してきます。腰椎椎間板ヘルニアも全く同じで、運動の継続(最低でも半年〜1年単位です)を出来るだけでも普段感じる腰痛は楽な方へ安定してきます。

 

体力の低下は身体的な衰えだけでなく生活内での運動の減少が大きな影響を与えており、それは個人の考えや取り組みの問題が存在しています。運動を継続したからといって腰痛の原因(筋肉内の硬結や筋肉の硬化が明らかに消失する)が無くなり治るのではありません。しかし、運動を取り組み継続すると結果的に痛みを感じる強さを軽く出来る可能性があります。

 

運動を通して患者様に望まれる結果としては運動による体への変化のみではないのです。運動は患者自身の自主的な継続的な取り組みが必要なため、継続できるということは患者様自身の能動性の確立へとつながっている結果であり、継続こそが大切なのですね。

慢性腰痛が長い期間続き諦めていた人でも、整体やマッサージに通い依存するのを卒業できた人では「運動を継続することで自然と良い方向に向かったし、運動を始めてから痛みも楽になり始めた」と振り返り話される人をたくさん見てきました。

 

なぜ慢性腰痛が軽減した多くの人でその様な発言が聞かれるのか?

きっと運動形態や方法が大切なのではなく、ヨガでも草野球でもジョギングでも・・・なんでもいいので楽しんで実施できる運動を生活内に取り入れ継続できることで、患者自身の慢性的な痛みが存在することへの被害者意識(なぜ私が痛みに苦しまなくてはいけないのか?誰も治してくれない!痛みがあるから何も出来ない)が軽減されるのではないかと感じています。

 

運動の取り組みを継続していく中で、マイナス思考の改善やうつ状態の軽減などが患者自身による「気づき」から見られることが多く、精神的な安定による痛みの感受性(敏感に痛みに執着しない)にも大きな変化をもたらすためではないかと考えられます。

 

生活内での運動の消失は痛みを普段より強く感じさせる原因の一つで、運動を導入し継続することは、普段より適度な運動による血液循環の促進(代謝が良くなる)や全身の筋肉のリラックスが生じますし、運動による疲労は夜間に睡気をもたらして、睡眠を規則的に取ることで筋肉を夜間にしっかり休めてリラックスさせてくれます。運動を継続するということは痛みを軽減させる一つの重要な対処法とも言えますね。

原因(5)(6)

(5)の身体的・精神的ストレスも大きなポイントです。腰椎椎間板ヘルニアであれば腰痛の原因が神経根の圧迫と説明されていますから、「ヘルニアがあるから痛いのですよ」ということで、手術をした人やしない人でも痛みが長期化すると結果的にリハビリを行われていると思います。

原因が画像でハッキリしない人では最初はリハビリをされていても、強い腰痛が長期化すると心療内科や精神科を紹介される方向に進むことが多いと思います。腰椎椎間板ヘルニアの方でも長期化してくると心療内科や精神科の受診を進められることは多いですね。

 

まず、一般の人では神経根の圧迫や脊柱・骨盤の歪み(画像異常所見が乏しい慢性腰痛など)と痛みの原因を説明されていたのですから、構造的な問題が原因と言っていたDrや理学療法士が、痛みが思うように軽減できなかった結果・・・患者様への最後の説明として診療内科や精神科へ行ってくださいと言われると?

 

「ハア〜?」という感じですよね。自分を見放したな!分からないから治せないからストレスが原因と言い訳しているのじゃないか!と感じませんか?

 

痛みについては身体的な問題だけでなく精神的なストレスなども影響するということは痛み学でも少し書いていますが、これは世界の医療界の常識です。

しかし、椎間板ヘルニアで受診されるの診療科は皆さん整形外科ですよね?整形外科へ腰痛で受診し、痛みの原因を構造以外の精神的なストレスまでを含めてきちんと理解出来るように説明している病院が果たして日本にどのくらいあるのでしょう?

たぶんほとんど無いと思います。

 

医師の仕事上から多くの患者様を診察しなくてはいけないので、1人1人に説明する時間は確かに無いと思います。構造だけの説明を最初からしているために痛みが長期化すると矛盾が生じておかしくなってきます。患者様もDrを信用できなくなりますし、最後に整形外科での受診やリハビリを中止させられ、心療内科や精神科の受診をいきなり勧められるのですから・・・・

結果的には藪医者と言われてもしょうがない気もしますね。

 

医師が慢性痛についての詳しい説明をする時間がなければ、理学療法士は最低でも20分は一対一でリハビリを毎日担当するのですから、理学療法士に慢性痛についての情報提供を行うように指示しておかなければいけないと思います。

しかし、理学療法士で慢性痛を考えている人は少なく。臨床的な患者様が納得される説明や取り組みをできる人が少ないのも悲しいですが現状ですね。

 

腰椎椎間板ヘルニアをもう一度考えてみると、椎間板ヘルニアでは椎間板の変性が起きて後方突出し神経根を圧迫し痛みを生じているという話でしたよね?椎間板は基本的に年齢が進むにつれて誰もが変性してくるものです。布団を干さないと段々潰れて薄くなっていきますよね?あんな感じです。

椎間板は誰しも年齢とともに変性していくのですから、高齢になればなるほど椎間板の後方突出などはMRIを取ると見つかる箇所も増えるはずです。でも、痛みのある人もいれば無い人もいるのですよね。誰もがヘルニアで痛いわけではないのです!

 

病院へ腰痛で通う人の多くが腰椎椎間板ヘルニアか慢性腰痛(画像的な異常所見が乏しいかわずか)の人だと思います。10代で通っている学生はスポーツを行っている子が多いのですべり症とか分離症もみられますね。

社会人だと腰痛を強く訴え、腰痛による問題が深刻なことは多々あります。腰痛の持続による問題の深刻さを訴える人は30〜40歳代の人に圧倒的に多い印象はあります。

 

人は30〜40歳代になると多くの責任がかかってきます。家庭を持てば父親や母親としての責任も生じますし家族を守っていく努力(経済的・家族関係)も生じます。仕事でも30〜40歳代は中堅として責任ある仕事が増えたり後輩の指導なども加わり、上に下にと気を使う(ストレス)ことが非常に多いとも思います。

大きな責任や生活内での様々な出来事(家族や友人の死・転勤など)などもあり、精神的・身体的にも非常にストレスが生じている年代といえますね。この年代の人に深刻な問題としての腰痛を訴える人は非常に多いというのが現状で、実は年を取ると深刻な(うつ症状を伴う)腰痛を訴える人が増えるかというと統計的には減少するのですね。

 

痛みは身体的な問題だけでなく精神的なストレスでも生じるということをもう一度思い出してください。高齢者は家庭内や仕事場での役割などが軽減していますが、30〜40歳代は一番の働き盛りですよね?家庭でも夫婦の関係や親子の関係(子どもの反抗期など)などに問題が生じやすい時期と重なります。

すごくストレスが大きい時期であり、病院のリハビリ室でも本当に真剣に困って腰痛軽減を焦っている腰痛患者様は30〜40歳代を中心とした働き盛りの人達です。

 

整形外科で診療内科や精神科への受診を勧められる人では?

腰椎椎間板ヘルニアの人の椎間板は後方突出による神経根圧迫などの(1)や腰部周囲筋の(2)・(3)のような柔軟性・伸張性・硬結が存在していることなどは確実です。(4)の生活環境・生活スタイルによる運動量の低下も存在しているでしょう。

椎間板ヘルニアと慢性腰痛では(1)の構造上の画像が出るか出ないかの違いだけで、身体的問題としては基本的に後はみな一緒という説明をしました。

 

「ストレスが影響して痛みを感じているのでしょう」と説明されると・・・・

精神的なストレスのみが痛みの原因を作りだし、構造問題は全く関係なくストレスのみで痛みを感じさせているのか?と考えてしまいがちですが・・・それも違います。

身体(構造や筋肉などの変性)による原因か?精神的ストレスによる原因か?という白か黒かの様な考え方、どちらかのみの原因により痛みを感じているという考がそもそも大きな誤解であり間違いなのですね。

 

最近よくCMなどもあり一般的にうつの問題が話題になっていますが、精神的なストレスと痛みとの関係ではこのうつ病が注目されてきています。

 

うつ病は、その原因はまだ完全には分かっていないものです。一般の人にはうつ病は心療内科や精神科に通う一部の人だけの病気だという認識の様ですが、例えば整形外科疾患のむち打ち・椎間板ヘルニア・骨折などから脳外科の脳出血や脳梗塞や内科や外科領域の癌などでも多くの人に間違いなく関係してきます。

ようするに!病気や障害を伴うと、うつ病の診断がつく様な境界線の域に近いうつ症状は誰にでも見られるということです。病院へ受診している人では誰もが身近で密接に関わることなのですね。

 

椎間板ヘルニアや画像異常の無いか軽度の腰痛でも、腰痛が持続するようになると慢性腰痛と一纏めに考えていい状態です。外国では慢性痛症と診断がつくらしいです。

慢性痛にはかなりの高い確率でうつ症状が見られるということは医療人の常識ですが、例えば大うつ病と診断のつく方とその手前の状態でうつ症状が見られる人は、慢性痛の期間が長い人では多いでようですね。

 

実際に疼元庠舎にご来店いただいているお客様で普段は仕事も行われているし、一見すごく元気に見える人でも大うつ病の診断が出ている人も多いですし、また軽い睡眠不良などが持続していて軽いうつ症状がみられるかな?と感じた人へ心療内科を勧めると・・・大うつ病の診断がつくことも時々あります。

まだ病院に掛かっていない人でも、肩こりや腰痛や背部痛が持続している人などではかなりの高い頻度でうつ症状に伴う身体症状などが関係しているという実感です。

うつ病は誰でも生涯に一度はかかるもの、風邪にかかるようなものという認識が欧米などであり、ありふれた病気という感じのようですが、日本ではまだまだ偏見や個人の精神論(根性が無いとか怠け者との認識)の問題と・・・間違って理解されている人が非常に多いようです。

 

うつ病の症状としては

「気分がめいる」「気分が晴れない」「やる気が出ない」などの気分の障害が基本です。一般的にも多くの人がうつ病のイメージとして認識されているものですね。

うつ病には気分障害のみが単独であるのではなく、必ず気分障害と合わせて身体症状が出現します。以下の身体症状は特にみられやすいものです。

⇒睡眠障害・疲労倦怠感・背部痛(肩・腰の痛みや凝り)・四肢痛・腹痛・呼吸困難感・食欲低下・めまい・耳鳴り・頻尿・口渇・便秘や下痢・体重減少・性欲減退・頭痛

 

気分障害や身体障害が合わさり、マイナス思考がどんどん強められることが予想されますよね。マイナス思考が持続すると本人の思っている内容は強い信念の様に変化していくことがあります。それが強まり過ぎると妄想の域まで進みます。

長期化している慢性痛の人で依存的思考が強い痛みの受容が出来ていない人では、「自分の腰痛は一生治らないし自分はもうダメだ!」という様な心気妄想、「仕事も出来ないしお金も無いこの先の生活はどうしたらいいのか?お金が無いから生きてはいけない」という様な貧困妄想、「仕事中にあの重いものを持たなければ、腰が少し痛みを感じていた早い時期に病院へ行っていればよかった、なんであんな行動(ああしておけばよかった)をしてしまったのだろう過去の行動はやり直せないしもうダメだ!」という罪業妄想など・・・・

 

妄想までは行かなくとも同じ様な考えが強く、何度も上記の様な発言を周囲にしていませんか?この辺りの発言は本人よりも周囲の知人や家族などの方が「何でそんな考えしかできないのか?」という感じで、マイナス思考の強い発言を捉えていることは多いですよね。

 

うつ病の原因の一つに病前性格という考えもあり、以下の様な性格の人はうつ病になりやすいというある程度の共通性がみられます。あくまでも断定的なものではなく軽症うつ病や大うつ病に見られやすい性格の共通性として捕らえてくださいね。

以下の様な特徴がみられる様です。(簡単に記載)

  • 循環性格は社交的・親切でおとなしく気が弱いという面を持つ。
  • 執着性格は真面目・几帳面・責任感があり物事に凝る仕事熱心な正直な人。
  • メランコリー親和型性格は他人との争いを好まず(気が弱い)、几帳面で礼儀正しく仕事熱心。責任感が強く融通がきかない。
  • 抑うつ性性格障害は真面目で暗く考えが悲観的で悩むことが多い。

 

この様に4つのどれか一つの性格傾向が強かったり混ざっていたりと様々ですが、基本的には几帳面で責任感が強い、まじめで仕事熱心な人というかんじでしょうか。

 

うつ病の原因はまだこれ!と断定できるレベルのものはありませんが、大きく4つの原因が考えられています。

性格の問題・遺伝の問題・生活のストレス・脳内の代謝異常などです。

この中でも脳内の代謝異常は神経伝達物質(セロトニンなど)の減少としてみられ、今最も注目されてきているものです。

 

脳内の代謝異常によるうつ病という考えの基であるのがモノアミン説です。

脳内では外部から入る視覚・聴覚・味覚・触覚・痛覚などの情報を基に今までの経験などから得た知識や情動などが統合されていろんな意味づけが行われています。(ここでは単純にそう考えてください話しが長くなるので)

脳内では刺激を基に情報伝達が行われていますが、神経と神経の間で情報を伝達する役目の物質がたくさんあります。うつ病に関係していると言われるものにセロトニンやノルアドレナリンという物質があります。

 

セロトニンやノルアドレナリンを伝達物質とする神経は私たちが他者へ好意を抱いたり嬉しいと感じたりする場合などに関わる神経です。これらの物質が枯渇したり機能が弱まると暗い気持ちが続きやすそうなイメージが浮かびません?

実際にうつ病で使用されるSSRIやSNRIなどの薬剤はセロトニンやノルアドレナリンに作用することで効果を発揮しています。

また、セロトニンやノルアドレナリンを伝達物質とする神経は脳や脊髄内などで痛みを過剰に脳が捉えないように神経伝達において抑制する(ブレーキをかける)仕事を行っています。

 

腰椎椎間板ヘルニアの人はもちろん(1)神経根圧迫や腰椎・骨盤の歪み(2)腰部周囲筋の柔軟性・伸張性の低下(3)腰部周囲筋の筋硬結の存在。これらの身体的な構造などの問題があります。

間違いなく(1)(2)(3)の身体的問題は常に存在しています。腰の筋や靭帯などからの痛み情報は常に脳へ送られているのですが、皆さんは常に同じ強さで同じ様に痛いわけではありませんよね?その時により意識の集中や気分などの違いから痛みの感じ方は大きく変化することを、誰もが生活内で体験されていると思います。

 

腰椎椎間板ヘルニアで仕事を休職されていると、仕事復帰への不安や退職になるのではないかという不安、入院費や収入減少などの経済的な不安なども合わさります。不安や恐怖が増してくるので、気分がめいっている状態が日々続いていればやはり痛みは感じやすい(構造上の問題は変化していないのに)でしょうね。

痛みが強くて仕事を退職し家にいる時間が長い人になると、じっとして体を動かす機会も減ることで何かに取り組む時間も減ります。ますます1日中もんもんと悩むことに費やせる時間が増加しますので、痛みのことしか考えられない様な環境が出来上がっていきます。

すると痛みの事ばかり考え、痛みが常に気になりやすい環境を作り上げる結果を生みそうじゃないですか?

 

慢性腰痛が続いてうつ病的な症状が合わさり痛みを感じやすいのか?うつ病がもともとあり慢性的な痛みとして感じているのか?

玉子が先か鶏が先か?のようですが・・・難しいですね〜

 

どちらが原因なのかを突詰めて考えるのではなく、長期化している人・発症からの月日は関係なく自身の腰痛改善予測と矛盾が生じてきた人、この両者とも焦りや不安は存在しておりうつ病とまでは断定できませんが、うつ症状やうつ的な思考(マイナス思考)による混乱が生じていることを大前提に置いておくことは重要な様ですね。

 

全く身体的異常所見が無くてストレスが原因で痛みを感じている人もいると思いますし、身体問題が隠れていてそこを医療者が見逃しており痛みの原因をストレスとしている場合もありますし、身体的問題はありますがストレスが加わり痛みを敏感に感じている人もいると思います。

 

腰椎椎間板ヘルニアにより長期化した慢性痛にはうつ症状が影響します。腰痛持続に伴う焦りや不安から生じるうつ症状の原因の一つは、患者様自身の全てを悲観的に捉えてしまう考え方(認知:簡単に「ものごとをどう捉え理解し解釈するか」と理解してください)による部分が大きいのです。

うつ症状に伴う様な睡眠不良や規則的な生活サイクルの崩壊などは、薬剤で対応しなくてはいけない部分はDrの指導のもとに的確な薬剤コントロール対応をしていくことが大切ですし、薬剤だけに頼るのではなく、その様な環境を作らない自己努力による行動も必要です。

さらに軽度のうつ病やうつ症状では、脳内のセロトニン不足よりも患者自身の考え方(マイナスの思考パターン)の問題が大きく影響しているので、カウンセリングなどを通して痛みに関する思考パターンの修正を行っていくことが大切になってきます。

整形疾患や脳血管障害の人には医療やリハビリに合わせてカウンセリングが必要ということです。

 

腰椎椎間板ヘルニア・慢性腰痛のどちらでも、持続する腰痛には自分では気づかないうちに思考が被害者的なマイナス思考の強い考え方に固執するようになりやすいものです。誰でも最初はそうなるものですよ。

「私の痛みや苦しみはあなたには分かりませんよね」と医療者や家族に怒鳴っていませんか?この様な発言をしているうちは、依存的な思考が強いとしか言いようがありません。

医療者は「はい、わかりません」というのが正直な返答です。

しかし、周囲の人は何とか痛みを軽減できるようにお手伝いしたい、また患者様自身の取り組みをサポートしたいと考えて仕事をしています。

患者様に日々の生活を絶望と共に過ごしてもらいたいとは誰も考えていません。

そこで、いつまでも「お前の治療のやり方が悪いから治らない」「痛いから何も出来ない」という依存的な発想では・・・これでは痛みが軽減(痛みに執着したまま)するものもしなくなるし、痛みが軽減出来なかったとしてもあなた自身の毎日は良い方向に向くはずがありませんね。

これは患者様自身の「気づき」が無いと間違いなく良い形での受容はできませんし、その受容を上手くサポートするために対人援助の技術が理学療法士にも必要でしょう。患者も医療者も共に努力していくリハビリでないと何も前には進めない気がしますね。

 

精神的ストレスが原因で痛みが出ていますよ?これは誰にでもみられる当たり前のことであり、腰椎椎間板ヘルニアで痛みを感じやすい痛み原因の一つであることが理解できると思います。

 

 

(6)の性格ですが、同じ様な性格の人が腰椎椎間板ヘルニアや慢性腰痛(画像による構造異常が軽度)では必ず痛みが持続するかというとそうではありません。しかし、慢性腰痛で長期間持続する人にはある程度似た様な性格の共通点がみられることが多いようです。

性格というのは難しいもので、100人の人を集めれば100通りの性格がみられますよね?決して同じ人はいません。そもそも性格が存在するのか?と考えるとこれもまた難しく何を持って性格を定義づけするかも厳密には難しいのですね。

では、ここでは簡単に何かに対しての考え方や行動が似た様な反応を示す人を似た様な性格と簡単に捕らえいただき、痛みと性格の話を進めます。

ある性格に似た人達は全員が腰椎椎間板ヘルニアになる、慢性腰痛になるということではありません。腰椎椎間板ヘルニアや慢性腰痛で痛みが持続している人に同じ様な性格がみられやすいということです。

 

急激な腰痛が出て受診する人やジワジワと時間が経過して腰痛が強くなり受診する人でも、腰痛は前に記載したグラフの発症月を痛みピーク時と考えてください。ゆっくり腰痛が強くなった人は病院受診時を発症月としましょう。

両者ともグラフの様に個人によりスピードの差はありますが右下がりの痛み軽減が見られると思います。

慢性痛で苦しんでいる方々によくみられる性格的な共通点というのは、几帳面・努力家・真面目・責任感・その他・・・が強いなどです。社会的にも責任ある地位やお仕事をされていたり、何事にも几帳面に対応されるような方が多いです。

グラフの説明の時に右下がりの痛み軽減と本人の痛み軽減予測とのズレが焦りや・不安・恐怖を増大させ、痛みを過剰に捉える結果にも繋がる可能性があるという考え方をお話しました。本人の経過予測・本人による痛み評価の元になる情報は、今までに腰椎椎間板ヘルニアについての情報としてTVや本などから得た知識・病院で知り合った患者や知人の体験談や噂話(一般的によく聴く様なヘルニアについての情報)やDr・理学療法士からの説明などが基礎となっていると思います。

 

同じ様な情報を提供されても人により捉え方やそれに対する反応(行動)はそれぞれ違うというお話もしました。その違いは一つの性格の違いでもあるとは思いますが、慢性腰痛が長引く人には上記の様な性格が共通していることが多く、これらの人には早期の痛み改善を求めている人が多いような感じを受けます。

性格的な部分からも痛みが1か0かを求める傾向が強いので、早期からの完治をイメージされていることが多いですね。患者様自身も痛みを理解しようとよく勉強される方が多いので、Drや理学療法士は患者様がきちんと納得できる説明を基にした治療を実施していなければ、患者様の痛み軽減予測と矛盾が生じてくると医療者は信用できないという信頼関係の崩壊へ繋がりドクターショッピングを招いてしまいます。

 

痛み軽減予測と矛盾が生じ始めて痛みが持続していると、当然患者様は「なぜ痛みが治らないのか?」「薬が効いていないせいではないか?」「この医者ではわからない他の原因があるのでは?」「リハビリでは何も体感しないし何も効果がないのでは?」

こう考えてしまうのは当然ですよね。

 

慢性痛に苦しまれている人は、知的レベルも高く仕事の地位が高い・責任の重い立場の人が意外に多くいらっしゃいます。仕事を数日休むことでも、私の様な庶民が想像する以上にストレスとして大きいこともあるのですね。重要ポストじゃなくとも仕事を首になるかも?収入が減ると困る?などの問題が大きい人でも当然焦りや不安を早い段階で生じさせます。

最初の治療やリハの目標設定や経過予測が間違っていると、それ自体が患者様を混乱させていく情報源であり医療者が「思ったより痛みが長引いていますね〜焦ってもしょうがないですよ」と矛盾が生じてきた時に発言した時には信頼関係が必ず崩壊するでしょうし、信用できない状態では患者様の混乱は増加し不安・恐怖により痛みに執着しやすい状態が完成しドクターショッピングになって行くでしょう。

 

多くの人では医療者への依存的思考が強い状態で医療での治療やリハビリが開始されます。一般的には腰椎椎間板ヘルニアになったら、「医師や理学療法士に治してもらう」という発想が強く存在しています。誰かが自分の腰の構造的な問題などを修正してくれるかの様な幻想を持たれています。

「薬・リハビリで痛みを調整しながら、自宅でも運動を継続して痛みへの耐久性のある体作りを行うことで痛み軽減を目指す」

こう考えている人はまずいません。

 

慢性痛が持続して困っている人では、性格的に真面目・几帳面・神経質な方が多いので、基本的に納得いく説明と治療・リハビリが必要であり、またその治療やリハビリを行うことで体感(一時的にでも痛みを軽く感じる)できないと、患者様自身は本当に納得されていないことが多いようです。

 

画像的には明らかな後方突出があり長期化している腰痛、画像異常が明らかではない・経度の圧迫などでも長期間の強い慢性腰痛がある人もいます。

調子の悪い時は仕事に出られない、1〜2日は寝て過ごさなくてはいけないほど痛いという人です。

この様な方も上記の几帳面・真面目・神経質などなど・・・性格的な部分も共通するのですが、それだけではなくもっと小さい頃からのストレスへも目を向ける必要がある様です。

 

本来の自分の考えに反して違う様に振る舞い頑張ってきた人や自分ではそうしたいと思いながらもそれを無理に抑制してきた人など、生活でストレスの持続とも言える環境が継続していた人などに、強い倦怠感や腰痛や背部痛などという身体症状がある日から出現するということがあります。

腰椎ヘルニアの軽い症状や原因のハッキリしないけど強い腰痛で苦しんでいる人の中には、何が痛みを強く感じさせた起点(痛みを誘発する原因になった動作や出来事)なのかが結びつかない人の方が多いのではないでしょうか?

 

この辺りは精神分析の考え方にもなってきますが、過去のトラウマや過去から現在までの心へのストレス持続が限界に達した時に、ストレスを腰痛や背部痛として表現したり、ストレスで身体症状の痛みを敏感に捉えているとも考えられるのですね。

無意識の中に抑制され押し込められたストレスなどが原因していることが身体の痛みとして表現されることもあるようです。断定は出来ませんが、そういう精神分析などの様な無意識という部分へのアプローチで腰痛が軽減されることも実際あるから否定は出来ません。

もちろんストレスが痛み誘発の引きがねになっている人でも、痛みが出てきてヘルニアが見つかれば腰椎ヘルニアとの診断がつきますし、明らかに異常がなければ腰痛症とか原因不明で心療内科や精神科への受診を勧められるということです。画像異常が出ても、ヘルニアで痛いと考えるのではなく、ストレスが大きな腰痛を感じさせる要因になっている可能性は常に考えておくことは重要です。

ちなみに「私にストレスは無いよ」と言っている人が一番怪しいのですが。どんな生活をしていても人間だから嫌なこともあれば嬉しいこともあります。嫌なことの方がどちらかというと多いくらいでしょう。ストレスを自覚できない鈍い人ほど、ストレスを我慢できる限界点を一旦超えてしまうと弱いので注意が必要なのですね。

 

精神科領域では明らかな原因不明の痛みなどを身体表現性障害や心身症などと言いますが、腰痛があって腰部の構造原因がハッキリあり痛みを発生する原因として存在していても、その構造だけを改善しようと努力しても痛みの軽減が出来ないことが非常に多いのです。ストレスの原因に目を向け、そのストレスを軽減させる取り組みを行うことで初めて痛みが軽減されてくるでしょう。この点は精神科医やカウンセラーでないと上手く対応できない部分で、理学療法士では無理ですね。

ただ、ストレスは存在する、身体的構造問題も存在する。どちらかだけに対応するのではなく、両方へ対応することが望ましいと思いますし正しい対応でしょうね。

 

上記の様に身体表現性障害や心身症や腰椎椎間板ヘルニアであろうが、性格的な共通点と身体症状としての痛みや自律神経症状などが存在しています。何かに似ていませんか?

 

皆さんあっ!と気づかれたと思います。(5)でも述べた、うつ病にすごく似ていませんか?

腰痛が増してきた動作などがハッキリしないで病院受診した人は、軽いうつ症状による腰痛としての可能性は非常に高いとも言えますね。

例えば、仕事で昇進してから腰が痛くなってきた。転勤での引越しでこちらに来てから腰痛が気になりだした。実家の母が病気になって入院した頃から腰痛が気になりだした。他にもいろんな訴えをする患者様にお会いしてきました。

 

性格的に几帳面・真面目・神経質などがみられ、仕事でも責任あるポストについている人や家族関係や知人との関係などに問題があったりなど、ストレスが過剰に積み重なってきている人に腰痛を強く訴えて受診する人が多いですよね?30〜40歳代に!

 

ストレスを無視して生活をするのではなく、ストレスを軽減させるための取り組みなども自身が行うことでストレスは軽減されていくでしょうし、性格的な問題でストレスを捉える考え方が良くない方向で固定されているならば(マイナス思考や完全主義的な二極化の考え)を修正していくことで、柔軟性のある考え方を身につけることでストレスを感じにくいように変化させていく努力が必要でしょう。

 

人間が生きている以上は常にストレスは存在し、自分の意思に反して嫌だけど行動していることは仕事や人間関係の中にはたくさん存在しています。性格的な共通性として見られる几帳面・完全主義・神経質などの類似は、完全ではありませんがストレスに対する捉え方や行動に性格の類似として第3者が認識する共通性としてみられます。

慢性痛が持続する人には性格的な共通性がみられますし、うつ病と慢性痛は密接な関係があります。うつ病になりやすいとされる性格も慢性痛が持続している人にみられる性格の共通性と類似しています。

 

皆さんはどう考えられますか?性格と腰痛は関係あると考えられませんか?

私は分かり易い様に、あえて(5)と分けて記載しましたが、慢性腰痛患者様に共通する性格はストレスを感じる・感じやすくする原因の一つであり、痛みの原因の一つと考えられます。

性格を直す(性格を変えるのは無理)のではなく、性格に共通する物事の硬い捉え方(完璧主義・几帳面・神経質など)を柔軟に多様性のある思考へ変化させていく努力を行うことがポイントだと感じます。

 

どちらも長引く腰痛の原因の一つと念頭において身体的・精神的な原因を含めた総合的な対応と自身による取り組みが大切になることは想像できると思います。

最後に

腰椎椎間板ヘルニアの復習と痛みの原因の考え方についての復習が長くなってしまいました。皆さん何の話だったかもうすっかり忘れていると思います。

 

もう一度思いだしてください!以下の発言がなぜか?とい所でしたよね?

 

患者様と会話しているとこういう考えが多く聞かれますね。という部分にもどります。今までの話を思い出しながら急激な痛みが出て間もない時期の患者様の発言を見直してください。

 

「寝返りなどで動くだけでも激痛があるから、腰を動かすと痛みを出している腰の神経を圧迫していて・・・神経が切れているのでは?」

「寝返りなどで痛みが出るたびに損傷したヘルニアを何度も圧迫して飛び出した椎間板が今よりもっと壊れているのでは?」

「腰を動かして痛みが何度も出ると繰り返し腰の悪い部分を壊しているから、壊れたままの状態が続くのでは・・・痛みも続くのでは?」

「動いて痛みを感じると、痛みのある部分は壊れ続けていて治らない。安静にして動かずに痛みを感じる回数が少ないと早く治る(痛みを感じなくなる)のでは?」

 

・・・・・ん〜?

違和感を持っていただけたでしょうか?この発言について違和感を持って見直せていただけたなら私はすごく嬉しいです。

 

痛みが急激に発症して動けない初期の時点ではこの考えになるのは仕方が無いと誰もが思うと思います。正しい情報を持たないですし、すごく痛いのですから当然です。

上記の意味の無い根拠が存在しているから、ベッドサイドでは以下の発言と行動へ繋がることが理解しやすいと思います。

 

「寝返りすら痛くて出来ません。腰を捻るとズキッと痛みが出て力が入りません。今の痛みが治まらなければとてもじゃないけど動けませんね。何もできません。」

「無理して動こうとすると痛みが出るので、腰がこれ以上悪くならないようにできるだけ動かない様に(リハ以外は1日中ベッドに横になり安静にしている)しています。」

 

急性痛がある程度軽減したが慢性腰痛がある人・時間経過と共にゆっくり腰痛が増して慢性腰痛が持続している人の両方とも、数週間が経過して痛みが軽減してきているのに上記の様な考え方を強い信念の様に持ち続けていたら?

・・・?

Drや理学療法士からの説明や自身の腰椎ヘルニアに対するイメージや理解は・・・・

Drから同じ説明を受けても、周囲の知人や患者から同じ様な情報の噂話を聞いても?

以下の様に捉え方は人によってバラバラで、楽観的に捉える人もいれば過剰に悲観的に捉える人などが出ると考えられますよね?

 

「神経を圧迫しているからもう治らないし、どんどん年を取るごとに痛みも強くなり将来歩けなくなるかも知れない・・・どうしよう?」

「神経を圧迫しているから手術で取らないと痛みは治らないだろうな?手術はしたくないので痛みが治るのは諦めるしかないか・・・」

「今の腰の痛み(発症月のピークの強い痛み)が一生続くのか・・・」

「へえ〜圧迫しているのか?今は痛いけど、まあ〜そのうち治るだろう(楽観的思考)」

「画像的には脱髄はあるが神経支配領域の麻痺は感じないし、痺れも持続的ではないな〜純粋にヘルニアだけの問題ではなさそうなので、腰部筋や靭帯の炎症が影響した腰痛かもしれない、しばらく様子を見てみるか?(医療関係者)」

 

皆さんはどう考えられますか?痛みの原因は体の問題だけですか?痛くて動けないのは痛みだけが影響していますか?

誰でも不安や恐怖はありますし、自分の状況を冷静に見つめ直すことは本当に難しいことだという感じがしますね。

 

Aさんをすっかり忘れていましたが、Aさんには腰椎椎間板ヘルニアや痛みの話しなどを通して、普段の痛みの疑問や対策を一緒に「ああでもないこおでもない・・・」などと話し合いながら、如何に痛みを感じにくいように体つくりをしていくかを実行していきました。

 

原因をもう一度見てみましょう!

 

  • 椎椎間板の後方突出や椎間孔の狭小化などの構造異常
  • 腰部周囲の筋肉・靭帯などの硬化(筋・靭帯の柔軟性や伸張性の低下)
  • 腰部筋の筋硬結(トリガーポイント)の存在
  • 腰部周囲筋の筋力・持久力の低下(年齢に伴う体力面の減少や生活習慣)
  • 身体的・精神的ストレス(仕事・家庭での役割や責任の増加・友人・家族との人間関係)
  • 性格(完璧主義・神経質・努力家・几帳面など)

 

何か特別なことが対策としていりますか?

短期的な取り組みで身体的な問題や精神的ストレスの問題が改善しそうですか?

 

どの原因の一つをとっても短期間で依存的な思考や取り組みで好転する問題は無いと言えますね。

身体的にも精神的にも最終的に痛みを安定させるための取り組みは、患者様自身の努力と継続が必要なのですね。

痛みを軽減させるために誰が主役か?誰でもない患者であるあなた自身が主役なのですね。

 

楽で気持ちよいリハビリや薬剤のみで痛みを安定させたい・・・・無理です!

 

慢性腰痛で仕事を休職や退職し、自宅にこもる生活が長期化し運動量の低下した状態が続いている人は、運動を開始すると必ず腰以外に筋肉痛が生じますし筋肉痛による腰痛増強も一時的に起こします。

それを恐れ・ゴロゴロ寝てすごし何もしないと一時的に痛みは軽減しますが、次に動く時はもっと痛みが生じやすいでしょう。

運動後の痛みのピークが1〜2日後に来て3〜4日以内で右下がり(グラフで考えると)に痛みが軽減するものは筋肉痛によるもので、その痛みがどんどん増していくことはありませんので心配ありません。逆に運動後の翌日に感じる痛みのピークが3〜4日同じレベルで続く場合は運動量があなたにとって大きいのでしょう。その場合は運動量を減らし再開するといいでしょう。

運動後の翌日に痛みで動けない(歩けない)というレベルの腰痛でなければ、多少の一時的な腰痛増加に対しては・・・私は「それが何か?」という反応しかしません。

運動を開始したばかりで最初なのだから痛みを伴うのは当たり前でしょう!

 

慢性痛への対策を開始した早い時期は硬くなった筋肉を揉まれて痛みが増す、運動で動かすと痛みが増すのは当然です。痛みが増したから「この取り組みは体に悪いのだ!」しない方がいいとすぐに短期的な効果(楽に気持ちよく一時的に痛みが少しでも軽くなる)でしか判断されない人は必ず慢性痛は軽減できないでしょう。

これだけは私の経験上断言できます。

そういう考えが依存的でありうつ病的な思考が強いということなのですね。

 

患者自身が勉強し、冷静に自分の体と心に向い合う努力を継続していくことが重要です。そのサポートを上手く行うことは周囲の医師や理学療法士でも非常に難しいことなのです。それはどんなに患者様を多く担当した経験があっても、同じ疾患で同じ症状・訴え・考え方の人はいないからです。

正しい対策として特別なことはいらないのです。基本的な対策を継続できるかが・・・本当に大切であり一番効果的な治療なのですね。

まず、生活内で無理のない出来る範囲のことを継続することから始めるのです。ゆっくりと出来ることから少しずつ時間を掛けて増やしていけばいいのです。

 

Aさんとの取り組みは何も特別なことは行っていません。あくまで基本的なことを繰り返し継続していっただけです。

でも、どんなことでも継続するというのは本当に大変であり、自己の強い精神力がいるものなのですね。

現在もAさんの腰の痛みは0にはなっていません。

開始した最初の月は筋肉への軽い刺激でも翌日に軽い筋肉痛が出たり(腰痛が一時的に増したり)、重だるさを感じることもありましたが、Aさんの努力もあり運動後の一時的な痛み増強が感じ難くなって来た時期(2ヵ月後から)には普段の腰痛はかなり軽減していました。Aさんが自宅での取り組みなどを継続していただけたことが、良い結果を引き出せたと思います。

本人の訴えとしても、今は初回のご来店時よりも痛みは軽減され仕事も行いやすくなったということです。現在は疼元庠舎へも2〜3ヵ月に1度の間隔で調整のためにご来店いただいています。

 

特別な治療や対策が必要ではないし、その様な劇的な効果を出す治療などこの世に存在していません。整体やカイロや鍼ですごく痛みが減ったという噂を聞いて民間療法を渡り歩いている人もいます。その程度の対策で劇的に軽減する椎間板ヘルニアによる慢性腰痛に対しては疼元庠舎でも十分同じかそれ以上の痛み軽減効果は出せるでしょう。技術のみで反応する腰痛などはその程度の問題であり難しくもないのです。

その上で私は言っています!

本当に苦戦する慢性腰痛は、民間療法の技術だけでは安定的な痛み軽減は99%できないと。

その様な簡単な腰痛と長期化している腰痛を同じに考えること自体が間違いで、長期化している慢性腰痛では必ず自己努力の継続と総合的なアプローチで無いと好転させることが難しいのですね。

 

ぜひ、腰椎椎間板ヘルニアの診断があり長期化している慢性腰痛の人も信頼できる専門家と継続的な取り組みを行っていただきたいと思います。私はきと皆さんの生活が変化してくると思います。

特別な事ではなく、軽い運動から継続してみたり、ストレスを無視せずにストレスの原因である環境を変化させたり、自身の考え方を見つめなおしたり・・・

出来る範囲の事からゆっくり自分のペースで少しずつ開始してみてください。

腰椎椎間板ヘルニアの診断を受けている慢性腰痛が数年に渡り長期化している人は時々ご来店されます。私もまだまだサポートが下手なので、ご来店いただく約半分は上手く思考を変化するサポートが出来ずにドクターショッピングを改善することが出来ていません。

うつ症状の強い人や迷いの強い人でもゆっくり一緒に頑張っていけるように、今後も多用性のあるサポートを勉強し努力していきたいと思っています。

でも、こんな患者様にとっては精神的にきつい文章を書いている様では・・・まだまだですね。

反省><;

 


痛み緩和教室
疼元庠舎(とうげんしょうしゃ)

▲pagetop

このサイトに掲載のイラスト・写真・文章の無断転載を禁じます。
すべての著作権は疼元庠舎に帰属します。