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痛み学

講義2(痛みはどこで感じるの?)

■痛み学・講義2

痛みはどこで感じるの?   中枢と末梢神経
反射   痛みと反射
痛みが伝わるイタミロード   背中の曲がったおばあちゃん
痛い場所が本当に悪いの?   筋肉を押すとなぜ痛いのかな?
筋硬結   痛みが飛びます
ラジオ体操で体が反れない!   自律神経と痛み
自律神経と内臓痛   炎症と痛み
痛みの本質    

痛みはどこで感じるの?

打撲や外傷などでは患部に痛みを感じますよね。基礎編でもお話した炎症が患部でおこることにより痛みを感じています。炎症5徴候は発赤・腫脹・発熱・痛み・機能障害です!

このように痛い患部がハッキリしていると、そこが痛みを感じているようですが、基本的には痛いか痛く無いかを判断している場所は脳なのですよ。

慢性痛として感じている痛みは「本当に痛みを感じている場所に痛みの原因があるのか?」「あなたが感じている痛みの部位へ対処すれば痛みは解決するのか?」を中心テーマとしてお話を進めていきたいと思います。

私達の日常生活の中では身体疲労と精神的疲労が混在しています。

肩こり腰痛が強い人は仕事の後半に「痛みが増してくる」と訴える方が多いですよね。肉体的な疲労による痛み増強に目が向きがちですが、脳の疲労(精神疲労)による痛みの感じ方が増加している方も多いようです。

昼休みに仮眠(15分程度)をとる、同僚と楽しい話をする、好きな音楽を聴くなど、リラクゼーションの時間を自分なりに上手く作れると、仕事後半がいつもより楽になるかもしれませんね^-^

肩こりや腰痛の原因は患部に問題がありますが、自分の意識をうまく変化させることで痛みの感じ方を軽減できそうですね。

自分なりの痛みのコントロールを実践してみてください^-^

中枢と末梢神経

痛みを知るためには神経の勉強が必要なんですが、ちょっとマメ知識を身につけちゃいましょう。

いろんなことを考える脳(大脳・中脳・小脳)や脊柱(脊柱:一般に背骨と呼ばれます)の中にある脊髄を中枢神経と呼び、脊柱の穴(椎間孔)から出て手や足やお腹や背中の皮膚・筋肉・骨・靭帯などに伸びている神経を末梢神経と呼びます。

中枢・末梢神経共に、脳から手や足に指令を送る神経(遠心性)、手や足から得た情報を脳へ伝える神経(求心性)が混在しています。

皆さんの肩こり・腰痛の原因は末梢神経が関わってきますね。人間は年を取るにつれて脊柱の椎骨と椎骨の間にある椎間板(クッションの役目)の水気が無くなって変性してきます。変性により椎間板の中の髄核が飛び出るとヘルニアとなってしまいます。

ヘルニアにならなくても、椎間板の変性による原因や脊柱周囲筋の柔軟性の低下による原因など、椎間孔の狭小化は年と共に進み、椎間孔から出る神経を圧迫します。
ドラマの手術場面で白い糸のようなものが見えますよね。あれが神経です。

神経は肉眼では一本の白い糸に見えますが、実はものすごい数の神経の集まりなんですよね。紅白でお馴染みの野鳥の会の人でも一本一本数えるのは大変でしょう^-^;

椎間孔の狭小化により神経が圧迫(小さい圧迫でも)されると、神経の繋がっている先の皮膚・筋肉・骨・靭帯などに影響がでます。修復と再生も弱くなりますし、機能も衰えます。

生活の中で痛みは感じていなくとも神経障害の影響は体には常に起こっているということです。体が硬くなってきている人は油断大敵です!20代に体の硬さがハッキリしてくる人が多いようですね。

反射

反射という言葉は小さい頃からよく使いませんでした? 体育の時間なんかに運動が上手い人を見て「あの子さ〜反射神経いいよね」なんて一回は言ったことのある人は多いと思います。私も小学生までは反射神経の良すぎるお子様でしたが・・・今となればその面影すらないようなありさまです><動くとキツイ!
この反射は誰にでも存在しているもので、普段は反射が出にくいように脳が抑制をかけています。反射は緊急事態や過剰な力を発揮する時にみられるものなんですね。

伸張反射を例にお話します。筋肉の中には筋紡錘というものがあります。筋紡錘の役目は、筋肉が伸ばされるのをすばやく感知し筋肉を素早く縮ませるという働きをします。過剰に伸ばされると筋肉は損傷しますから、これを防止する役目とも言えます。病院でお医者さんに膝の下辺りや肘の内側辺りを、ハンマーみたいなやつでトントンとたたかれたことがある人は多いと思います。この時ピクッピクッてな感じで膝や肘が伸びたと思います。これが伸張反射ですね。

太ももの筋肉である大腿四頭筋の腱が膝下の辺りに付着するのですが、この腱を叩いて四頭筋へ伸張されるという刺激を入れた結果、足が跳ね上がるというわけです。

この反射は私達が頭で考えてコントロールすることはできません。腱を叩くことで四頭筋の筋紡錘から脊髄に情報が入り、脊髄で折り返し筋肉に「縮め!」という命令がいくのです。脳まで情報が上がらないで動きがおこっているということですね。

熱いものを触った時に手を引っ込めるのは早いですよね。画鋲を踏んだり・ドアで手を挟んだ時も逃げる動作は速いですよね。全て反射なんですね。頭で「あっ痛いかも?」と判断して動いていると間違いなく大怪我になるでしょうね。><  

痛みと反射

痛みを起こす原因は組織損傷による炎症とお話しました。捻挫・骨折・打撲と普段の生活の中では明らかな外傷後の痛みと共に、肩こりや腰痛などの外傷ではない痛みまで様々にあり、何かしらの痛みは皆さん経験されていると思います。

組織損傷が発生するとその損傷した患部から痛み情報が脊髄を通り脳へ伝えられる一方で、脊髄で折り返し患部の筋肉を縮ませるための反射も起こります。この反射による筋収縮がさらに局所循環不全などを引き起こし痛みを増強させるというわけです。

この反射は頭で考えて止めることが出来ません。炎症のある期間は、ず〜と反射のサイクルは続いているということです。縮もう縮もうとしているのですから、痛みが長く続けば筋肉が硬くなってくることがイメージできると思います。

皆さんの肩こりの原因としては頚椎の椎間孔の神経圧迫、筋肉の過剰使用による筋線維の損傷(筋硬結)などいろいろ考えられると思いますが。いずれにしても組織損傷の大小に関係なく、損傷部位からは痛み情報が脊髄に伝達され折り返して反射が起きているということです。

普段は肩こりや痛みを感じていないから健康と思っている人は多いですよね。健康と違いますよ〜!肩こりや痛みを感じていなくても、肩・股関節の動きが硬くなってきている人は神経圧迫や反射の影響による身体症状が出てきています。痛みの情報は脳へ伝えられていますがまだ痛みとして捉えていないだけで、痛みを脳がいつから感知し始めるかという状態です。感知し始めるとあなたも慢性痛の始まりですね。

痛みが伝わるイタミロード

体には痛みを伝える神経の伝道路が存在します。痛みに限らずに私達が感じることのできるいわゆる5感(視・触・味・聴・嗅)は全て脳へ伝えるための情報伝達のルートが体の中に存在しています。

へー・・・じゃあ超能力や霊能力と言われる第6感は?残念ながらこの第6感といわれるものに関する神経伝達ルートはありません。脳がダイレクトに感知していると考えるのか?妄想と考えるのか?どう捉えるか(信じるか信じないか)は皆さんの自由ですね^-^

痛みを伝える神経AδとC線維があります。痛みを伝えるこれらの神経は全身の皮膚・筋肉(正確には筋線維を包む筋膜)・骨(骨の表面にある骨膜)・内臓・靭帯など様々に分布しています。

病気や外傷で体のどこが壊れても、その壊れた場所からの痛み情報は末梢神経を通じて脊髄に入り脳へと伝達されます。

例えば夕食の仕度で指先を包丁で切っちゃったとしましょう。指先の外傷→細胞破壊→侵害受容器が感知→末梢神経(指・手・腕と情報が伝わる)→脊髄→脳(痛いと感じる) このように痛みを伝えるのですが、脊髄での情報伝達については慢性痛の理解にも関わるので、もう少し詳しく知っておいていただきたいと思います。

指先の外傷に話を戻しますが、指先の外傷により痛み情報は脊髄に送られます。末梢神経により伝えられて来た痛み情報は脊髄の中(中枢神経)に入ると、中枢神経へ情報が中継され脳まで伝えます。

脊髄へは他にも触覚や圧覚などの情報も伝えられています。全身から脊髄へ情報が送られてくるのですが、みんな脊髄の同じ場所に伝えられて同じルートで脳へ行くと混雑しそうな気がしませんか?みんな一緒だと大渋滞です^-^

脊髄の中は触・圧覚(Aβ線維)の中継される場所と痛みを伝えるAδやC線維が中継される場所は分かれています。中継された後の脳へのルートも違いますね。

慢性痛の初期では末梢神経の痛覚線維の過敏が問題となり痛みを捉えやすいのですが、慢性痛が長期に渡るものでは痛覚伝道路の可塑性(かそせい:形が歪むという意味)があらわれてきます。可塑性?
実験などで発見されているのは脊髄の中継ポイントでの変化です。慢性痛が長期に渡ると触・圧覚の神経線維(Aβ線維)が、痛みが中継される場所へ異常な発芽を起こし延びていくというものです。

ということは?普段は痛みとして感じることのない触ったとか圧迫したという刺激情報が、異常発芽により中継点の可塑性で痛みとしても中継されてしまうということです。

可塑性は普段痛みとして捉えることのない弱い刺激を痛みとして捉えてしまうので、痛覚過敏をさらに助長(ちょっとした刺激で痛みを感じやすい)させる原因ともなり、慢性痛に苦しむ人をさらに苦しめる結果を招いてしまうようです。

絹を運んだシルクロードは長期間砂嵐が続くと、その道は微妙に変化をし続けたように、私達も慢性痛が長期間続くことで、体のイタミロードにも変化がおきているのですね。

肩こり腰痛くらい大した事ないと油断せずに、可塑性の変化が起きないように普段から自主的な自己管理は大切なようですね^-^

背中の曲がったおばあちゃん

高齢者は背中が曲がった(円背と言います)人が多いですよね。昔は戦争や貧困による食料問題(栄養問題)、農業などで代表されるように前屈姿勢の多い肉体労働などが影響し、これらの要因により背骨が歪んだ高齢者を多く生み出しているのは間違いありません。
世間一般によく言われる背骨や骨盤の歪みは痛みの原因となるのでしょうか?
脊柱が歪むということは椎間孔の狭小化を生じることがイメージできますね。末梢神経が圧迫されそうですね?神経が圧迫されると・・・?その神経の伸びている先の皮膚・靭帯・筋肉・骨などの変性が生じてくることはお話しました。

周りの脊柱(円背)が歪んでいる高齢者は背中が「痛い痛い」と痛みを訴えていますか?もちろん高齢のため何処かしらは痛いでしょうが、背骨の歪みが原因で痛くて動けないとか入院するということまでは無いと思います。私も理学療法士として勤務していましたが背骨の歪みが強いから痛くて入院しているという人は今まで見たことがありません。「脊柱の歪み=痛み」ではないのです。まして「神経圧迫=痛み」でもないのです。

20歳くらいの若い人を集めてMRIを取ると1〜2箇所は狭小化している場所はあるものです。普段は痛みを感じていないのに?逆に中年の方で、MRIで明らかに椎間孔が狭小化しているけど痛みが無い方もいらっしゃいます。狭小化が激しいのに痛みを感じていない?

神経の圧迫が必ずしも痛みを伴うという認識が間違いであるという事実は医療人であれば常識です。背骨が歪んでいるから痛いというのも非常識です。でも受診すると「背骨の何番目が狭くなっているから痛みが出てますね」と単純に診断が出てしまうことは多々ありますよね。 そのような時は「おいおい本当か?」とツッコミが欲しいものですね^-^

脊椎の圧迫骨折(高齢者に多い疾患)では潰れた骨が元の状態に戻ることは100%ありません。潰れた状態で固まりますし、椎骨と椎骨間も骨折前より狭まりますし歪みもでます。実際には圧迫骨折の治癒後に痛みが長期間持続する人はそんなにいないですね。

年を取るごとに脊柱は歪んで椎間孔は狭小化していきます。30代〜40代の働き盛りの人に肩こりや腰痛やヘルニアで入院する人は多いですが、なぜか高齢者でヘルニアによる腰痛が原因で入院する人はあまり見かけないの?

なぜ?若い人より脊柱は歪んでいるんでしょう? 高齢者より脊柱の歪みが小さい皆さんが、肩こり腰痛についての説明を受ける時に「脊柱が歪んでいるから痛いんですよ?」としか言われなかったら・・・?

痛みはそんなに単純に評価できるものではなさそうですね^-^

脊柱の歪みは左右の半身にある筋肉の硬化や反射の亢進による持続収縮が原因です。筋肉の左右差(身体)の結果として、筋肉の持続収縮している側の肩や骨盤の位置が反対側に比べて上がります。これが脊柱の歪みの答えです。この持続収縮している筋肉の硬化改善により一部の痛み軽減と左右バランスの改善が可能となりますが、どのような動作時に痛みを感じるか?瞬間的な痛みなのか持続的な痛みなのか?他にも多くの情報による評価が行われ対処法を考え実践されるべきですね。

脊柱の歪みがある人に、「痛みがある人」と「痛みが無い人」の両方が存在していることからも、皆さんの肩こり腰痛の原因を歪みという理由のみで考えることは、見直してみるのもいいかもしれませんね^-^!

痛い場所が本当に悪いの?

神経と筋肉の繋がりは重要です。手や足に伸びる末梢神経は脊柱の椎間孔から出るということでしたよね。脊柱は椎骨が積み木のように積み重なった状態で、頚椎7個・胸椎12個・腰椎5個・仙骨1個・尾骨1個から構成されます。背骨は骨がいっぱいだ!

例えば頭蓋骨と首の第1頚椎の間から出る神経を第1頚神経といいます。その下は順番に第2頚神経とか第6胸神経とか言います。首は1〜8、胸は1〜12と神経の順番をつけることを記憶しておいてくださいね。

末梢神経は筋肉と繋がります。手や指先を動かす筋肉には頚椎や胸椎から出る神経が関係していますし、足は腰椎や仙骨からの神経が関係しています。神経と筋肉が繋がっているから手や足を動かす筋肉に「縮め!」という命令が伝わるんですね。

不幸にも脊髄損傷となると脳からの命令を伝えることができなくなり、損傷部位により手や足が動かせなくなるということです。「救命病棟24時」というドラマや奇跡の生還など救命に関するドラマやドキュメンタリーを見ていると、救急車で運ばれてくる患者さんが首に何か付けていますよね?硬そうなものを?あれは首の動きを抑制し、二次的な脊髄損傷を予防しているのです。

もし皆さんが事故にあった時や事故現場に遭遇した時は、倒れている人を抱きかかえて「おいっ!しっかりしろ!」パチパチと平手で数発たたくというドラマのような救助は止めましょう!事故では脊髄に軽い障害ですんでいても、抱き上げたり・数発の平手打ちでさらに傷害を強くしてしまう恐れがあります!気をつけてくださいね^-^

話を戻しますが、手や足には脊柱から神経が伸びていきますよね。「最近指先が痺れる?」「手首がなんとなく痛む時がある」「膝が痛い」「ふくらはぎがつりやすい」などなど、明らかな怪我などを手や足にしたことがないのに痛いとか違和感があるという場合は?

そうですね!痛みを感じている部位だけに原因があると思い込む(痛い場所が悪い場所と思い込む)のではなく、痛みや痺れを感じている部位(手・足など)へ伸びてくる神経の大元である頚椎や腰椎あたりの病変を考える必要はありそうですね。

このような組織損傷部以外に痛みを感じることを「関連痛」といいます。ここでは「関連痛」という言葉をなんとなく覚えておいてくださいね^-^

頚椎や腰椎の椎間孔の狭小化はあるか?首・肩・腰などの筋肉の硬化は?柔軟性は?関節の動きは?その他にも脳の影響は?血圧は?内臓疾患は?糖尿病などは無いか?

本当に痛みの評価は難しいものですね^-^;

筋肉を押すとなぜ痛いのかな?

筋肉は線維の集まりということをお話しました。ここではもう少し詳しく痛みと筋肉の関係を見ていきましょう。

肩こり・腰痛があるとその部位の筋肉に凝りや痛みを感じます。肩や腰を叩いたり、揉んだり、擦ったり、人により感じ方は様々ですよね。私も子供の頃に父親に頼まれて肩揉みや背中に乗ったりと(お駄賃つきで^-^)いろいろしていたのを思い出します。肩揉みを例に考えてみましょう?

みなさんが揉む肩の筋肉は僧帽筋と言われる筋肉です。さて、肩こりのある人の筋肉(僧帽筋)を揉んだり叩いたりすると、人により様々な反応が見られます。「気持ちいいー」「痛たたたぁ!」「ぜーんぜん効かないよもっと強く揉んで」?なぜこんなに感じ方が違うのかな?不思議ですね!

叩いたり揉んだりと方法は違えども筋肉を圧迫すると必ず痛みが出るものなのだろうか?答えはNOです。
正常な筋肉は圧迫(外傷を起こさない程度の圧力)により痛みは感じません。肩こりの無い人の肩を揉もうとすると「くすぐったい」という人が多いですよね?小・中学生くらいの子なんかはくすぐったがると思いますよ、筋肉が正常な状態に近いですから^-^。

肩こりのある硬化した筋肉は「縮もう縮もう」という反応を起こしています。これを反射によるものといいましたよね。怪我などによって組織破壊された部位の炎症と脊髄の間でこの反射は起きるということをお話しました。筋肉の構造をもう一度思い出してください。筋肉の塊になるには筋線維が集まり、その筋線維も筋原線維の集まりであるということでしたよね。私達は生活している以上は動くための身体動作を伴います。動くこと(筋肉を使うこと)で体中のあちこちで筋原線維は小さな範囲で破壊と修復を繰り返し行っています。

普段より痛みは感じていなくても小さな炎症は全身の筋肉のいたる所で起きているということですね。普段の小さな筋原線維の破壊による痛み情報は脳へ送られているのですが、脳では痛みとして認知されていないということです。

しかし、急にスポーツをした後や登山の後では筋原繊維の破壊が大きくなるために痛みとして捉えるわけです。痛たたたぁ・・・><

このように反射の影響により「縮もう縮もう」としている状態が続いている筋肉の反応をスパズム(攣縮)といいます。筋肉は縮もうとする反射によりスパズムを生じていますから、もちろん筋肉内の毛細血管は圧迫され循環不良を起こしますよね。循環不良を起こしている筋肉へ圧力(揉んだり・圧迫したり)を加えると循環不良がさらに増加して痛みを発生させます。酸素が足りないと細胞は死んじゃいますから痛みが出て当然ですね^-^「痛たたたぁ・・・」お客さん凝ってますね〜!な〜んて言われるわけですよ。

循環不良の状態である筋肉を圧迫したり動かす(動かすことで酸素が必要となる)ことでさらに循環不良が生じて痛みを生じるという原理なんですね。

実験したい人のためのマメ知識!

血圧を測る時に腕に巻くマンシェットで強く圧迫されますが以外に痛みを我慢できますよね?あれは圧迫している面積が広いため圧力が分散され少々圧力を上げても我慢できるのですが、その状態で肘の曲げ伸ばしをしてみてください。筋肉内の酸素不足が促進されかなりの痛みが発生しますよ。ヒヒヒッ^-^

皆さんの肩こりや腰痛のある部位の筋肉は、スパズムにより筋硬化を起こし循環不良が発生しているため圧迫(揉んだり・叩いたり)されると痛みが出るのですね。

肩の筋肉の硬化が弱い人は揉まれることに対して「(圧力が強いと)痛い」とか「(軽く揉んで)きもちいい」という感じ方の人が多いと思いますが、硬化の強い人は痛みも慢性化して「効かない〜もっと強く〜」とか「きもちいい(かなり強く揉んで)」という感じ方でしょうね。

「きもちいい」と発生される言葉は同じでも、筋肉の状態はぜんぜん違うようですね!

軽く揉んで痛みが出やすい方が慢性化していない可能性があり、筋肉の状態はいい方だと言えます。

筋硬結

皆さんのお友達で肩こりの強い人などに、「肩の筋肉の中にコリコリした硬いものがある」という人はいませんか?たまに間違って骨を触って凝りがあると言っている人もいますが^^;「凝りがある」という言葉はよく他者から聞きますが、肩全体が硬く張っている状態を凝りがあると表現している人、肩の筋肉内の硬いものを指して凝りがあると言っている人もいます。同じ「凝りがある」なのに?意味は違うのですね^-^

この筋肉内の硬い凝りは筋硬結(きんこうけつ)や策状硬結と言われるものです。圧迫により痛みを誘発することからトリガーポイントとも呼ばれます。全身の筋肉では組織破壊と修復が繰り返されているというお話をしました。筋硬結はこの修復が一部不完全に終了したものだと考えられています。

筋硬結は特に遅筋線維の多い筋肉に出来やすく。遅筋は姿勢を維持する脊柱近くの体幹に多く存在します。頭蓋骨と首の付け根あたりから脊柱全体の両側と股関節周囲に出来るのですが、よく疲労や痛みを感じる場所と一致しませんか?

頭痛のある人は痛い時に頭蓋骨と首の付け根あたりを揉んでしまいません?グリグリと!肩凝りの人は肩甲骨の内側が重たいとか痛いとか感じて、お子さんに背中に乗ってもらったりしていませんか?気持ちいいー!腰痛や腰が重く感じる人は疲れた時に股関節の辺りをトントンと叩いたりしていませんか?

無意識に筋硬結の出来やすい筋肉を揉んだり叩いたりしている人は多いと思います。

筋硬結は小さい頃から徐々に何年もかけて出来てきます。急にできるものではないようですね。20歳くらいの人を100人集めて背中を検査すると、普段は痛みは感じていないが圧迫により痛みを出す筋硬結がほとんどの人に1〜2箇所は見つかりますね。今は凝りや痛みを感じていませんが5年後〜10年後〜20年後果たして何人の人が肩こりや腰痛を感じないで生活できているか?自己管理は大切です^-^

この硬い筋硬結をみてみると壊れた細胞と正常な細胞が混在している状態です。このことから筋硬結内の筋線維の一部が異常に縮んだままの状態と正常なものとが混在していると考えられています。

筋硬結は組織の不完全な修復であり、筋硬結内の一部組織は壊れているということだから?皆さんは予想がつきますよね。組織破壊に伴う反射が起きていることが!

筋硬結の出来ている筋肉はスパズムが発生していますから、触ると正常な筋肉より硬くなってきますよね。それが何年も続くと痛みが出てきそうじゃないですか?

ストレッチなどをせずに経過するとスパズムが続いて筋肉が短くなり、筋肉が短縮(たんしゅく:短くなるという意味)してきます。前屈で手が床につけない!開脚がどんどん狭くなってくる!肩が挙がらない!などなど体の柔軟性の低下として現れます。

10代の時に多くの人が生活の中で転んだり怪我したりという経験をし、部活などでも鍛えているつもりが筋肉へ無理な負荷をかけて壊していたりと、筋硬結が出来た原因としてはいろんな可能性がありますね。

若い人は筋硬結を押されると「痛い〜!」と強い痛みが出る人が多いです。これは、筋硬結のある筋肉に発生するスパズムがまだ弱く直接筋硬結に圧力が加わるからですね。痛いけど急性期に近いため筋肉の状態は良いというわけです。しかし、お年を召された方は、筋硬結を押されても「きもちいい〜」と感じ、マッサージなども「強く押して」と望まれる方が多いですね。これは筋硬結を含む筋全体のスパズムも強く筋硬結へ圧力が掛かりにくくなっているためです。この慢性期の状態の人は関節もかなり硬くなってきている人がほとんどで、身体の柔軟性も無いでしょうね。若い人で慢性期の状態の人は本当に考えた方がいいですよ@-@

筋硬結は完全に消し去ることは現在の医療技術では不可能です。しかし、この筋硬結に上手く刺激を入れることで、筋硬結を壊し痛み情報伝達を抑制することで痛みを軽減できます。これと合わせて柔軟性を改善していく努力も重要になってくるようですね。

揉めばいいという単純なものではないようです^-^

痛みが飛びます

筋硬結を圧迫すると筋硬結に痛みを感じます。その感じる痛みの強さは急性期か慢性期かでも違います。この圧迫された部位が痛みを出すというのは皆さんよく理解できると思います。しかし痛みを出す筋硬結によっては、圧迫されている場所と同時に他の部位(普段痛みを感じている部位)に痛みや痺れを感じるものがありますし、またこのような関連痛をだす筋硬結へ上手く刺激を入れて痛み情報伝達の抑制を行うと、痛みや痺れが軽減されます。

「痛い場所が本当に悪いの?」でもお話した「関連痛」を思い出してください。私達が日常感じている肩こり・腰痛はこの関連痛による痛みも関わっています。

脊柱の椎間孔からでる末梢神経は手や足の筋肉・皮膚・骨・靭帯などに繋がるとお話しましたよね。この末梢神経は手や足だけでなく肩・腰・お腹・背中・お尻などの体幹(一般的には胴体といいますね)にも繋がっています。(専門的には神経と筋肉や皮膚との繋がりを神経支配といいます)

神経の繋がり(神経支配)で「関連痛」を説明しましたが、筋肉の繋がりを考えるのも重要です。筋肉の中に筋硬結が出来るのですが、一つの筋肉内に一つの筋硬結しか存在するとはかぎりません。

筋硬結が出来やすい脊柱近くの多裂筋や最長筋などは、腰から始まり頭や首まである筋肉(細長い)です。これらの筋肉では、普段より肩こり腰痛のある人であれば数箇所に筋硬結がある方は多いですね。一つの筋硬結を圧迫すると同一筋内にある他の硬結も反応し痛みを出すということが多々みられます。また、筋肉と筋肉はそれぞれが完全に分離しているのではなく、近くに存在している筋肉同士の一部線維は繋がっていることが多いです(専門的には筋連結といいます)。

例えば普段より腰の痛みのある人の腰部多裂筋の筋硬結を圧迫すると、腰の痛みが誘発されると共に、肩の近くの同一筋内(多裂筋)の筋硬結も痛みを出し、それと合わせて腕にも痛み(筋連結が予想される)を感じたりすることもあります。

「関連痛」の出方には、まだまだ神経支配・筋連結でも説明できないようなものもあります。その他にも発生原理があると考えられるようですね。

私達は肩こりや傷みを感じて肩の筋肉(僧帽筋)を揉んでもらいたくなるのですが、本当に僧帽筋(鎖骨の上のつかめる筋肉)に原因があるかを考える必要がありそうですね?

筋硬結は体幹の遅筋線維の多い小さな筋に出来やすく、四肢などの大きい筋肉には出来にくいものです。周りの友達に太ももの大腿四頭筋・ふくらはぎの下腿三頭筋・腕の上腕ニ頭筋など大きい筋肉に凝りがあると言っている友達はほとんどいないでしょう?

僧帽筋は肩を覆う大きな筋肉で、この僧帽筋に筋硬結があるという人は少ないですね。・・・・肩(僧帽筋)が痛い?でも肩に痛みは感じます!なぜ?

肩甲骨の内側にある菱形筋という筋肉や多裂筋・最長筋に筋硬結ができている人が多いようです。この部位からの反射として僧帽筋にスパズムが発生しており肩凝りや痛みを感じている人が多くを占めます。結局は僧帽筋の凝りや痛みは「関連痛」なんですね。

皆さんなら何処の改善を優先する必要があるかもう分かりますよね!^-^
第一に改善目標とする筋肉は筋硬結の存在している筋肉であり、神経圧迫(神経支配に関連する領域への関連痛)などの影響を与える恐れのある脊柱近くの筋肉(筋硬結)が最優先となることが!
確かに僧帽筋はスパズムにより筋硬化を起こしていますが、本質としての問題部位ではないということです。

痛い部位が悪いという思い込みによる常識は実は医学的にも非常識なんですね^-^

「自分の体は自分が一番よく分かる?」ドラマの中だけのお話ですね。

ラジオ体操で体が反れない!

外傷であれ筋硬結などの原因であれ、痛みに伴う反射が発生し筋肉にはスパズムが発生し、スパズムの持続は筋短縮を生じるということがご理解いただけたと思います。

一つの筋肉(上腕二頭筋など)は中心に筋線維があり両端が腱(けん)となって骨に付着します。鶏肉のササミを思い出してください。イメージしやすいですよ^-^

ササミの中心部あたりで肌色の部分(食べる部位)は筋線維で両端が白く硬いコリコリした一般にスジと呼ばれている部分が腱(けん)ですよね。

筋短縮は筋本来の長さが短くなるということであり、骨に付着する腱への負荷が持続的に増加します。すると腱鞘炎なんかもおきやすくなるでしょうね!また、筋肉が伸ばされる動作で筋線維の破壊が発生しやすくなり筋原線維は損傷しやすくなると考えられます。

スポーツなどは普段の生活では使わないレベルの筋肉の収縮と伸張を必要としますから、運動不足の人などはちょっとした運動で筋肉痛が出やすいと思いますよ。ラジオ体操(軽い運動)の翌日に筋肉痛が出る人はかなりのカチカチ君ですよ^-^

「ラジオ体操を真面目にやると以外と筋肉痛になるんだよな〜けっこうな運動量やな」というようなことを言ってる人が時々いますが?運動量が問題ではなくあなた筋肉の硬化と柔軟性低下が問題なんですよ!間違えないでね^-^

20歳を過ぎると「前屈して床に手がつかない」「股関節が硬く開脚できない」などの関節の動きが硬くなってきている人は多いと思います。あなたの体では、普段痛みは無くとも何らかの原因による(反射)筋スパズム→筋短縮へと進んでいるということです。

医学分野では動かせなくなった関節を「関節拘縮:かんせつこうしゅく」と呼びますが、皆さんの動きにくくなってきている関節も、程度の差こそあれ関節拘縮に違いはありません。外傷や病気による重度の関節拘縮は関節面の破壊や筋肉・靭帯・関節包などの問題が多く複合してくるために改善が困難ですが、若い皆さんは筋肉のみの影響が強いため早期より自己管理を行うことで良い状態での改善や維持が可能でしょうね!

筋短縮が重度になると、その改善には筋線維を壊す刺激(痛みを伴う)を利用してストレッチを行っていかないと改善しません。相撲部屋の新弟子さんの股割りのように(テレビで見ると痛くて泣いてますよ!)強い刺激を入れないと短縮した筋は伸びないんですよね。最近流行のヨガやエクササイズ(伸張刺激による痛みを伴わない運動)では伸張刺激が弱いため筋短縮が強くなった人の改善は困難でしょうね。百年続けても間違いなくインストラクターのように柔らかくなることはないですね@-@。症状が軽い時期(若い時期)から取り組むことに意義があるようです。

「だんだん体が硬くなってきているな〜」という方のほとんどは股関節・肩・体幹(ラジオ体操の反る動作で「うっ」と背中に違和感や痛みを感じやすい場所(胸椎))の動きが制限されてきます。ぜひ、この部位を中心に若い頃からストレッチや体操を行ってくださいね。

自律神経と痛み

自律神経というと交感神経・副交感神経の2つをよく耳にすると思います。

交感神経は全身の汗腺・皮膚・血管・立毛筋・内臓などに分布しています。脅かされてビックリしたり嫌な事がありイライラしたりという過度の緊張状態を経験した時などを思い出してください。全身に力が入り、冷や汗をかいたり、毛が逆立つ(毛が無い場所は鳥肌として見られます)心拍数・血圧の増加・内蔵血液量の低下などが起こります。交感神経は危険や恐怖を覚える状況では何かから「逃げる」とか「闘う」というような判断をするように体を反応させます。緊急事態に胃の中の食べ物を消化する必要はないから、内臓なんかは機能が低下(血液量の低下)するんですね。

副交感神経はほとんどが内臓に分布します。交感神経の働きとは逆でリラックスした時に働き、内臓の働きを亢進させる働きを行います。おいしい食事をしっかり消化・吸収するために内臓へ血流を増加してくれているのです^-^

痛い時に「イライラ」したり、過剰に体に力が入っていたりと交感神経の影響がみられます。痛みと交感神経は関係があるようですね!

では痛みと交感神経はどう関係するのだろう?
「腰が痛くて病院にいったらあなたの痛みは交感神経がどうのこうの・・・?と言われてブロック注射をしました!」・・・?交感神経がどう関わっているの?
正しく理解するには交感神経を少し詳しく知る必要がありますね!

交感神経は脊柱の椎間孔から出ますが、脊柱の両側に沿って存在する(交感神経幹が数珠状につらなります)幹神経節に寄り道して全身の皮膚や血管などに分布していきます。この寄り道する幹神経節には「神経ブロック!」と言えばよく耳にすることの多い星状神経節などがあります。星状神経節は数珠の一つなんですね^-^

外傷による組織損傷や筋硬結が発生すると、その患部からの痛み情報伝達がありましたよね?その痛みを伝える神経はAδ線維やC線維があったことを思い出してください。交感神経は全身の皮膚や血管などに分布していますから、組織損傷や筋硬結が全身のどこかで起きた時は交感神経も近くに存在しているということです。

筋肉に動けと命令を送る運動神経や「触った・圧迫された・痛い」という感覚を脳へ伝える知覚神経など、これらと交感神経はご近所さんなんですね。

組織損傷や筋硬結により痛みの情報が脊髄へ送られて反射として患部への指令が戻ってきます。運動神経が筋肉へ「縮め!」という命令を送り患部の筋は収縮します。この時に脊髄では交感神経からも反射による命令が患部に行くのです。「血管を縮ませろ」という命令が!これらは痛みから体を守り炎症を促進(修復)させるために必要な反応ですが、長引くと厄介なことになるんです。

慢性痛の場合は明らかな炎症がなくともC線維や自律神経が働き続けているという状態でしたよね。

C線維→脊髄→運動神経・自律神経が命令を送る→患部では筋収縮・虚血をおこす→C線維が痛みとし情報を送る→また反射が起こる→悪循環が続く(炎症は終わっているのに反射が続く)

組織の修復(炎症)は終わっているのに、運動神経と自律神経が患部で筋収縮と虚血を反射の結果としておこしていますが、この筋収縮と虚血状態をC線維が損傷しているように間違って捉えてしまい、繰り返し反射を起こすという悪循環が続いているということです。

もちろん反射が長期間続くと筋スパズムが発生し筋短縮へと進むのは想像できると思います。間違った反射は恐るべし!

この交感神経の活動を抑制し、反射を止めることで痛みを改善しようというのが神経ブロックですね。交感神経の細胞が集まり効果のでる神経節(数珠状に脊柱の両側に首から腰まである)に薬剤を注入するというものです。

「ブロック注射をしてからしばらくは調子がいいけど、また痛くなってきたからまた注射してもらおう?運動すると疲れるし痛くなるから普段は安静にしています」神経ブロックをしている人からよく聞くコメントです。これでは何の解決にもならないですよね!

痛みを感じない期間には、筋肉の柔軟性や耐久性を向上させる健康作り「痛みの出にくい体作り」を可能な範囲で進めてもらいたいものです。

神経ブロックで効果の出ないことも多々あります。効果の出ていない人でブロック注射を打ち続けている人を時々みますが・・・? 神経ブロックの理論からすると1回目のブロックで痛みの変化が全く無い人は、その後に本数を重ねていっても効かないような気がしますが・・・?気のせいかな@-@

自律神経と内臓痛

私達の体の中には心臓、肝臓、膵臓、胃、大腸、腎臓・・・・内臓はいろいろありますね。これら内臓には交感神経と副交感神経が関わってきます。

肩こりや腰痛を評価する時には、この内臓からの関連痛も考慮して判断する必要があります。食べ過ぎやお腹を壊しても胃は痛いけど、腰や肩と何か関係あるのかな?

関連痛については神経支配や筋連結による発生原理をお話しました。もちろんなんでそんな所に痛みが出るの?と理論と合わない悩んでしまうような関連痛も時々おめにかかります。関連痛は難しい!

内臓からの痛み情報は自律神経を通じて脊髄に伝えられて脳まで伝えられます。例えば腰神経はL1〜L5と椎間孔から5本ほど出ています。これらの腰神経は腰の辺りの皮膚や筋肉と繋がり、腰から出た神経は内臓に繋がります。ドラマで膵臓癌の人が腰痛に苦しむシーンがあるのですが見たことないですか?膵臓が痛いのになぜ腰が痛いの?

膵臓からの痛み情報は胸神経のT6〜T10の間に自律神経を通じて伝達されます。T6〜T10は腰のちょい上あたりです。さて、この脊髄のT6〜T10間には背中(背中の真ん中から下あたりの部位)や腰にある筋肉・皮膚・骨(体性神経)などからの痛み情報も伝達されてきています。皮膚や筋肉(体性神経)から痛みを伝える神経に比べて、内臓から痛みを伝える神経の数は少ないのです。このため内臓から「痛いですよ〜」という情報が脊髄まで来ていても、脊髄内で脳へ行くために次の神経へ情報を伝える場所がありますが、この同じ場所に情報を伝える体性神経からの痛みの情報として脳が誤解してしまうというわけです。すると膵臓の痛みだけど腰が痛いと感じてしまう・・・腰がいたい!

内臓によってある程度このあたりに痛みが出るという特長があるのですが、あくまでも関連痛だから「ぜったいここが痛い」という限局はしていないようですね。例として心臓の狭心症などは左脇から上腕あたり、胆嚢や肝臓では右肩、前立腺癌などは下肢に関連痛がでること、腎臓や尿管や子宮などの腹部内蔵器などは腰痛としての関連痛は多いようですね。

もちろん内臓からの痛み情報による反射として、繋がりのある腰部などの筋肉にも反射がおきます。腰部周囲筋のスパズムも起きますし、それに伴う筋肉痛もおきます。腰部周囲筋のスパズム軽減を図ると腰痛の軽減は一時的には可能ですが、内臓を治療しないと何の解決にもならないのは皆さんならご理解いただけますよね。

肩こり・腰痛だから最初から神経や筋肉の問題(整形外科に関係している)と決め付けずに、原因がはっきりしない時などは内科などを受診してみるのも大切なようですね。

炎症と痛み

ここでは炎症についての復習ともう少し詳しく炎症をお話したいと思います。炎症の5徴候は発赤・発熱・腫脹・疼痛・機能障害でしたよね。これらが明らかに見られるのは捻挫した後などの急性期であり急性炎症です。外傷(捻挫や打撲など)での急性炎症は、組織の中ではどのような反応を起こしているかを考えてみましょう。

組織が損傷すると局所の血管は広がります。局所の血液量の増加は発赤と発熱(動脈の温かい血液が流れ込む)が起きます。広がった血管の隙間から出て細胞間隙(血管の外へ)に血漿タンパク質や白血球などを含んだ間質液が増加して腫脹がみられます。

この組織損傷に伴い損傷細胞からブラジキニンが出され血小板・肥満細胞・マクロファージなどに作用してプロスタグランジン・ロイコトリエン・セロトニンなどの炎症メディエーターと呼ばれる物質を出し、この炎症メディエーターに刺激されたC線維から痛み情報が発信されます。

うー・・・難しい@-@;

要するに!組織破壊した場所は発熱・発赤・腫脹が起きるとこの炎症を起こしている物質が痛みを伝えるC線維に対して「痛いって脳へ伝えろよ」と皆でけしかけているということです。

ぎっくり腰などで病院へ行くとお薬をもらいますよね。飲み薬であったり座薬であったりします。炎症が痛みに関わっていますから炎症を抑えれば痛みが軽減しそうですよね?

皆さんがよく痛み止めの薬として処方されている薬は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と言われるものです。NSAIDsは痛みに関わるプロスタグランジンの生成を抑制する働きをします。炎症の元を退治できれば痛みも止まりそうだ!

炎症を止めて痛みを止める・・・?ちょっとまって!

では、組織修復はどうなるの?痛みという感覚は小さく出来ても損傷した組織修復は遅らせているということになるんじゃない?そうですね正解です^-^炎症に伴う痛みは危険信号であり急性期には必要なものだとお話しました。修復が行われている時に多少の痛みを感じるのは大事なことでもあり、急性期でも痛みという感覚を過剰に恐れ、痛み止めに頼りすぎるのもあまり好ましくないと考えられます。

また、プロスタグランジンは全身の組織に存在し、生態維持に必要な様々な働きをしています。胃壁では粘膜の保護と胃酸の過剰分泌の抑制や腎臓機能の保護などに働いています。NSAIDsを長期間服用すると、これら胃・腎臓などの機能維持のための働きを抑制してしまい、胃十二指腸潰瘍や腎臓の機能障害などを起こす副作用があるようです。皆さんの知人でNSAIDsを服用している人で胃薬(薄茶色の粉薬)を飲んでいる人が多いですよね!痛みを止めるため(メリット)に損傷修復を遅らせ胃も壊す(デメリット)?自分の感じている痛み(自制内か?我慢出来ない範囲か?)を冷静に判断し、お医者さんとしっかり相談して「服用するべきか?」「控えるべきか?」を判断してくださいね。

肩こり・腰痛という慢性疼痛に苦しむ人達は、明らかな炎症がみられない状態ですからその痛みはプロスタグランジンが主役ではないようですよね^-^慢性痛にNSAIDsの効果が弱いのも当然なんです。薬が効かないからと言って「このやぶ医者」と怒ってはだめですよ
@-@;

慢性痛の痛み軽減にはあなた自身の努力が大切であり、ぜひ対処法を間違えないようにしてくださいね^-^

今まではCOX−1がプロスタグランジンの産生に関わっていることは分かっていたのですが、最近COX−2が発見されてこのCOX−2を阻害する薬剤がアメリカで開発されました。COX−2は炎症時にのみ活性化するもので、これを阻害しても他の組織のプロスタグランジンに影響が少ないそうです。ということは・・・?胃や腎臓障害が少ないということで、胃薬も合わせて服用する必要も無いということです。開発当時はかなり期待されたのですが、副作用などもみつかり、期待されたほどの結果が出せていないのが現状です。

痛みの本質

慢性痛の要因として考えなくてはいけない神経と筋肉の関係や反射を中心にお話をさせていただきました。「昨日急に痛みが出てきたから悪くなった?転んだとか怪我したという記憶はないけど?」疼元庠舎でも病院のリハビリ現場でもよく耳にします。

患者様の年齢に関係なく「痛み=損傷」という間違った認識の方が多いようです。

年齢と共に椎間板の変性や脊柱周囲の筋肉の硬化は当然起きます。筋肉内に出来る筋硬結は小さい頃からの運動や遊びの中など、様々な要因が発生の起点として考えられます。小中学生の頃は多くの人が全身性の柔軟性に富み、慢性痛とは無縁の世界でしたよね^-^

筋肉内の筋硬結などによる慢性的な反射の亢進は筋スパズムを発生させ、スパズムの持続は筋短縮とつながり関節拘縮へと繋がります。痛みは体の最後の悲鳴ですね><

このように関節拘縮へと進むことで「前屈ができない」「開脚ができない」という身体症状が始めにでてきますよね。できればこの段階で、ストレッチ等による自己管理を早く始めていただければ、数年後〜十数年後は全く違うものであると思います。

慢性痛は様々な要因が絡んでいます。「脊柱が歪んでいるから必ず痛い」とか「痛い場所が必ず悪い」などという要因は?一つの原因や理屈で慢性痛を考えることは不可能だと思います。
痛みを冷静に評価するためには、皆さん自身が正しい知識を身につけることは大切であり、間違った常識を一つ一つ見つめ直していく必要はありそうですね。

五十肩や変形性膝関節症など痛みの部位は違いますが、体の構成要素である神経・骨・筋肉・靭帯・皮膚と違いはありません。反射やスパズム・筋短縮と進む過程も違いはありません。

痛みの部位により特別な原因がある訳でもなく、その対処法にも特殊な方法などはありません。あくまでも皆さんの努力しなくてはいけないことは、スパズム・筋短縮の改善(筋硬化の改善)と筋力・持久力の向上、動作改善が中心になるでしょう。

「膝関節」「肩関節」「股関節」「腰」「首」だからと言って対処法の本質は変わりませんし、原因の本質も基本的には同じです。何か特別な治療を探求めている人(ドクターショッピング)は、ぜひ痛みの本質をあなた自身が学ぶことが、痛みを和らげるための始まりになると思います。あなたが自主的に本質を学び正しい対処法を行うことができれば、きっとあなたの痛みを和らげる結果に繋がっていくと思います。

慢性痛に苦しむあなた、あなたを支える家族、あなたの力に少しでもなれればと願う専門家。みんなが正しい共通した知識を基にした上で話し合い、あなたにあった健康作りをあなたを中心として進めていける時代が来ればと願います。

患者様でもお客様でもない先生でもない、理想は皆が同じ目線で話し合い努力するパートナーであるべきではないかと思います。

病院勤務の経験でも、重度の慢性疼痛に苦しむ患者様に対して「安定的な痛み軽減を出せないこと」「組織障害が激しく理学療法では効果が出せない(神経の損傷など)」多くの経験をしてきました。

重度の慢性痛を完治させれるか?と聞かれると「出来ない」というのが私の正直な答えです。しかし、なんとか少しでも痛みを軽減するために私の経験がお役に立てるのであれば、ご協力させていただきたいと思います。

これからもお客様と共に痛みの本質を見つめ、本質としての対処法を大切に考え努力していきたいと考えます。


痛み緩和教室
疼元庠舎(とうげんしょうしゃ)

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